行き先変更、アレバルザン王国へ
みここです。初投稿でした(シンプル)
追手らしき影たちはなおもこちらの馬車にむかって走ってくる。しかしシポースが頑張っているおかげか、その差は埋まらない。それでも影たちのスピードに落ちる気配は見受けられず、シポースの荒い息遣いがその限界を知らせていた。
「くっ、これ以上は無理か」
さすがのシポースでも限界が来たのか、ヴァンは一旦その足を遅くする。影たちはさらに距離を詰め始めていた。
「ヴァン! あそこに逃げ込めないかな!」
僕は、視界の先にある森を指さす。
「あそこならきっと隠れられるよ!」
「よし、もう少しの辛抱だ! 頑張れ!」
手綱を強く握りしめたヴァンはシポースにさらに鞭打つ。そのおかげか、追いつかれる前に森に入ることができた。
森は本来の道から外れており、ここから帝国を目指すとなるとかなりの遠回りになる。しかしやむを得ないのだ。今は逃げ切ることが最優先。アートラスさんを守るのが今回の亡命の主眼なのだから。
「追手は来ないようだな」
けもの道を無理やり走り、その跡を残さないように最新の注意を払い、その木の陰に身を隠す。
しばらくたたないうちに、僕達が通ってきた道を複数の影が走り去る。
「危なかったね。あいつら一体何なんだろうか」
ギフトによって教会の殺し屋から使い方をおぼえた、闇魔法の隠匿術。それでうまく馬車を隠せたのだ。しかし影たちはおそらく森の出口で待機している可能性はあるだろう。
ここから最短で帝国に向かうのは危険と見えた。
「どうしよう。ヴァン」
「そうだな、この森は確かアレバルザン王国にもつながっているはずだ。そっちを経由していこう」
「アレバルザンか……あそこには知り合いがいるな」
ここまで一言も発していなかったアートラスさんが、口を開く。その表情は先ほどとは違い、すでに別の色を見せていた。なつかしさのこもった優しい瞳。
「とりあえず、この森を抜けてアレバルザンに行こう」
「おお」
僕達は一時的にルーイン帝国を諦め、アレバルザン王国への道を辿ることにしたのだった。
みここでした。
アレバルザン王国は北方面にある世界一大きい王国です。
いろいろ珍しいものが有るとか。




