オリュンポスの神々と人間
テミスは、最初の投書を再び掲示した。
テミス:「そもそも今回は、オリュンポス十二神のご利益が少ないのではないか、という相談です」
ゼウス:「そうだったな」
テミス:「日本側については理解が進みました。では、我々は人間とどう関わってきたのでしょうか」
ゼウス:「ようやく我々の番か!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
―オリュンポスの神々の主な権能―
神 主な領域
ゼウス 天空・雷・秩序・誓約・王権
ヘラ 婚姻・女性
ポセイドン 海・地震・馬
デメテル 農耕・豊穣
アテナ 知恵・戦略・工芸
アポロン 予言・音楽・医術など
アルテミス 狩猟・野生・出産など
アレス 戦争
アフロディーテ 愛・美
ヘルメス 商業・旅人・伝令
ヘパイストス 鍛冶・工芸・火
ヘスティア 炉・家庭
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アマテラス:「……結構ありますね」
ゼウス:「そうじゃろう!そうじゃろう!」
テミス:「そもそも十二神以外にも神々は存在しますし、神々の権能は一つに限られ
ません」
アマテラス:「じゃあ、航海に出る人は?」
ポセイドン:「我に祈る」
アマテラス:「豊作なら?」
デメテル:「私ね」
アマテラス:「商売なら?」
ヘルメス:「僕」
アマテラス:「結婚なら?」
ヘラ:「私です」
アマテラスがゼウスを見た。
ゼウスが目を逸らした。
オリュンポスの神々が、一斉に顔を伏せた。
再び、空気が凍り付いた。
……コン。
―木槌が打ち鳴らされた―
テミス:「触れないでください……。その辺りは、極めて複雑なので……」
コホン。
テミスは、わざとらしく咳払いをした。
テミス:「古代ギリシャでは、神殿や祭壇で祈り、供物や供犠を捧げ、祭礼を行っていました」
アマテラス:「日本と似ていますね」
アポロン:「神託もあるよ」
アマテラス:「おみくじみたいなものですか?」
アポロン:「……かなり違うが、神意を求めるという意味では、共通する部分もある」
ヘルメス:「都市ごとに守護神もいたし、家庭にも神々がいた。旅人や商人、職人にも、関係の深い神がいたんだ」
アテナ:「私とアテナイのように、都市と神が強く結びつく例もある」
アマテラス:「なるほど……」
コツ。
―木槌が小さく打ち鳴らされた―
テミス:「つまり、オリュンポスにも、ちゃんとしたご利益はあります」
ゼウス:「その通り!」
テミス:「違うのは、神々との付き合い方や文化的な表現です」
アマテラス:「人間が困ったときに神様へお願いするのは、どこも似ているんですね」
テミス:「そういうことです」




