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神話系ミーティング ~その問題、神々が議論します~  作者: すばる ゆう
第XX回 『日本の神々について』-オリュンポス本部-

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日本の神々について


テミス:「では、天照様。日本の神々について説明をお願いします」


アマテラス:「……はい」


アマテラスは資料を広げた。


アマテラス:「まず、日本の『神』という考え方は、皆さんが想像しているものより広いと思います」


ゼウス:「ほう?」


アマテラス:「私たちのように、神話に登場する神々もいます」


天照はホワイトボードに書き始めた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


―日本神話の主な神々―


・別天津神(ことあまつかみ)

・神世七代(かみよななよ)

・伊邪那岐・伊邪那美(いざなぎ・いざなみ)

・天照大御神(あまてらすおおみかみ)

・月読命(つくよみのみこと)

・須佐之男命(すさのおのみこと)

・大国主(おおくにぬし)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アマテラス:「こうした神々の系譜に加えて、山や川、海、火、雷など、自然に関わる神々もいます」


ポセイドン:「それは我々も同じだな」


アマテラス:「それから、農業、漁業、商売、鍛冶、竈、井戸……」


ヘパイストス:「鍛冶か。親近感が湧くな」


アマテラス:「厠にも神様がいます」


ゼウス:「待て」


ゼウスは顔をしかめた。


アマテラス:「はい?」


ゼウス:「トイレの神様?」


アマテラス:「はい」


ゼウス:「……そこにも神がおるのか?」


アマテラス:「大事な場所ですから」


ヘルメス:「確かに、生活密着型だね」


ゼウス「そうすると、うん―」


テミス:「下品な表現は控えるように」


カン!

―木槌が強く打ち鳴らされた―


アマテラス:「それから、亡くなった人が神様として祀られることもあります」


ヘラクレス:「人間が神になるのか?」


焦げ茶の髪に精悍な顔つき。鍛え抜かれた肉体に獅子の毛皮をまとう、英雄ヘラクレスが尋ねた。


アマテラス:「はい。祖先や歴史上の人物などですね」


ヘラクレス:「それは分かる」


ヘラクレス自身も人間の母を持ち、死後に神々の列へ加わった英雄である。


アマテラス:「ただ、強い怨念を持って亡くなった人を鎮めるため、神様として祀ることもあります」


アレス:「なぜ敵を祀る?」


アマテラス:「祟られると困るので……」


ゼウス:「そんな消極的な理由で神が増えるのか!?」


アテナ:「御霊信仰だな。恐ろしい霊威を鎮め、守護する存在として祀る考え方だ」


アマテラス:「はい。中には、大怨霊となられる方もいるので」


ヘルメス:「つまり、神になる経路が複数あるわけだ」


アマテラス:「……経路というか」


ヘルメス:「日本の神界は、採用基準が広いなぁ!」


アマテラス:「採用しているわけではありません! 信仰です!」


コツ。

―木槌が小さく打ち鳴らされた―


テミス:「ところで、八百万という数字は正確な数なのですか?」


アマテラス:「違います。数え切れないほど多い、という意味ですね」


ゼウス:「何だ。八百万柱いるわけではないのか」


アマテラス:「だから少ないというわけでもないんですが……」


ゼウス:「…………ふむ」


アマテラス:「日本では、自然や土地、祖先など、人間が畏れ敬う様々なものに神聖さを見いだしてきたんです」


テミス:「なるほど。神として捉える範囲の違いですね」


アマテラス:「そうです!」


天照の声が、少し大きくなった。


アマテラス:「それに、仏教が伝わってからは神仏習合も進みましたし、インドや中国に由来する神様も日本で信仰されています」


ゼウス:「まだ増えるのか!?」


ヘルメス:「海外からも受け入れるんだね」


アマテラス:「そういう文化もあるんです」


ヘルメス:「やはり採用窓口が広い!」


アマテラス:「だから採用じゃありません!」


コツ。

―木槌が小さく打ち鳴らされた―


テミス:「日本神界を人事部門として扱わないでください」


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