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神話系ミーティング ~その問題、神々が議論します~  作者: すばる ゆう
第XX回 『人類のエネルギーについて』—オリュンポス本部—

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特別参考人 ニコラ・テスラ


ゼウスが立ち上がった。


ゼウス:「では、雷神の代表としてわしから――」


テミス:「あ、その前に」


ゼウス:「ん?」


テミス:「特別参考人をお呼びしています」


会議室に、一人の人間が入ってきた。


細身の長身に整った口髭。電気技術の発展に大きく貢献した発明家、ニコラ・テスラである。


テミス:「交流電力システム、誘導電動機、高電圧技術などの発展に貢献した、ニコラ・テスラさんです」


テスラ:「よろしくお願いします」


ゼウス:「人間か?」


テスラ:「はい」


テスラは会議室を見渡した。


テスラ:「……雷神がたくさんおられる」


ゼウス:「うむ!」


テスラ:「エクセレント!」


ゼウス:「分かっているではないか!」


テスラ:「ぜひ放電特性を測定したい」


雷神一同:「…………」


コツ。

―木槌が小さく打ち鳴らされた―


テミス:「テスラさん、雷のエネルギー利用についてお願いします」


テスラ:「雷は美しい。しかし、巨大な力を発生させることと、それをエネルギーとして利用することは別です」


プロメテウス:「どういうことだ?」


テスラ:「必要なとき、必要な場所で、必要なだけ使えることが重要なのです」


インドラ:「我々は、雷を落とすものと考えていた」


テスラ:「人類は、電気を届けるものにしたのです」


プロメテウス:「火も同じだな。火そのものではなく、火を制御することが重要だった」


テミス:「なるほど。今回の議題において、重要な指摘ですね」


テミスは議事録に一文を加えた。


コン。

―木槌が打ち鳴らされた―


テミス:「では、お待たせしました。ゼウス様」


ゼウス:「うむ! そもそも、わしがティタン神族と戦った時など――」


テミス:「はい?」


ゼウス:「天空より雷霆を放ち、山を焼き、大地を揺るがし!」


テミス:「……」


ゼウス:「そして、テュポーンとの戦いではだな!」


トール:「おお!」


インドラ:「興味深い!」


カン!カン!カン!

―木槌が三度、強く打ち鳴らされた―


テミス:「雷神同士で盛り上がらないでください! 武勇伝を語る場ではありません!」


テスラ:「ちなみに、その雷撃の電圧は?」


テミス:「食いつかないでください」


ゼウス:「すごく強い!」


テミス:「……」


テスラ:「電流は?」


ゼウス:「ものすごく流れる!」


テスラ:「放電時間は?」


ゼウス:「一瞬だ!」


テスラ:「総エネルギー量は?」


ゼウス:「知らん!」


テミスは木槌を構え直した。


テスラ:「つまり、ゼウス様は雷をエネルギー源というより、兵器として運用してきたわけですね」


ゼウス:「そうだ! わしは神々の王だぞ!」


テスラ:「素晴らしい! 高出力放電装置と言えるでしょう」


ゼウス:「……なんか違う」


カァァーン!

―木槌がとても強く打ち鳴らされた―


テミス:「脱線しましたので、本題に戻ります」


テスラ:「直流と交流についても――」


テミス:「今回は扱いません」


テスラ:「エジソンを呼んでいただければ――」


テミス:「却下します」


カン!

―木槌が強く打ち鳴らされた―


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