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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
323/350

フリッツと僕 3-1

「…お前、ビールを飲みながらアップルパイを食べたのか?」

「そう。あまり合わなかった…。」

「…だろうな。」

「…でもどっちも好きなんだ。」

「…そうだったな…。」


フリッツの指が僕の頬にそっと触れた。


「俺は…お前に会ってからお前しかいなくて…。なのに、俺が引き留めれなかったせいで、お前を失って…辛かった…。」

フリッツが僕の肩に頭を乗せた。


「私が優柔不断だから…。どちらにも嫌われたくなくて、選べなくて…だから…悪いのは私なんだよ。」


「命をかけて助けに来てくれた奴を好きになるのは…仕方ない。本当に俺、あの時の事は後悔してる。記憶を失って不安な時期に側にいてやれなかったのも…。」

「好き勝手していた私のせいだから…。」


「ミハイルを好きなのを承知で無理やり婚約させようとしたし…。」

「それも仕方ないよ…。」


なんか…反省会みたいになってきたな…。

フリッツの手が僕の手に重なって恋人つなぎになった。


「…二人にきりなりたい。いいか?」

「…うん。」

「…今夜は…二人でいたい。…意味、分かる?」

「…多分…。」

そういう事…だよね…?





僕たちはカフェを出て、

初めて二人で過ごしたホテルに入った。


「…あのっ…。私、シャワーしていい?汗をかいてて…。」

「ああっ、俺もっ。…俺もそうする。」




緊張してきた…。

昼にユーラとして、

そして、今からおそらくフリッツとするっていう状況ってどうなんだ?

とりあえずシャワーをしてみたものの…。

でもユーラはこうなる事を理解しているはずだし、もう承諾はいらないけど、なんか物凄い罪悪感がある。



フリッツがシャワーから出てきた。

バスローブ姿のフリッツ…。

フリッツの濡れた髪を僕はタオルでふいてみた。


「…いつの間にかフリッツが大人の男の人になってる。」

「なんだそれ?」

「…。」


「いや…。なんか…緊張するな。」

「うん…。」

どちらも口数が少なくなる。


「あっ。そういえば、もったいぶって告白の返事し忘れてた。」

「あっ。そうだったよね…。」



フリッツが僕にキスをした。

軽く触れるような優しいキスだった。


「俺は…お前を選ぶよ。」


「フリッツ…。」


「お前がいいんだ。婚約しよう。」


「…ありがとう。フリッツ…。」


僕がフリッツを抱き締めるとフリッツも僕を抱き締めた。


「…長かった…。」

「うん…。」

「…はー…泣きそう。」

「…。」

フリッツが本当に泣き始めた。

「お前の事になると感情をうまくコントロールできなくて…。」

僕はフリッツの涙をふいてキスをした。


「…もう一度して。」

「はい。」


「…もっと。」

「…フリッツ…?」


「…キスだけでも幸せすぎて…。」


フリッツの言葉に愛しさと罪悪感を感じた。

ずっと僕を好きでいてくれたのに、ずっと不安にさせてた。

辛い気持ちにさせてた。


「もう…フリッツだけだからね。」

「…次は絶対許さない。」

「うん…。」



「あ…そうだ。」

フリッツが指輪をだして僕の薬指にはめる。


「本当は、おれが指輪を用意したかったけど、ミハイルの気持ちを受け取ったから…。」

「うん…。この指輪、石が大きすぎて…。フリッツ、留学中預かっておいてくれない?」

「分かった。こんなの普段からつけていたら誘拐されそうだもんな。」

「だよね?」



僕は自分のピアスを外してフリッツのつけているものと入れ換えた。また僕のピアスがグレーになった。

「これで、婚約は成立かな?」

「まだ、書面が残ってるけどな。ニコライ大統領のサインも…。」


「…今はニコちゃんの事を考えるのはやめよう。」

「確かに。」


「…初めてお前とここに来た日を思い出す…。今俺、すごく緊張してる。」

「…私も…。」


フリッツの手が僕の肩に触れる。

「…いいか?」

「…うん。」


「…お前…多分複雑だよな?」

「…ごめん…実はそうなんだ。」


「でも、一緒にいれる時間もあまりないし…。我慢してやりたいけど…絶対無理だ。余裕が全くない。」

「…して欲しい。」

「…本当に?」

「うん。」


「…じゃあする。」

「…はい。」





フリッツのキス…。触れる指…。



フリッツの体温、匂い、

黒いさらさらの髪の毛、グレーの瞳…

すべてが愛しくて…。




…全部…好き…。

フリッツの感情が流れてくるみたいだ。




「リネア…。ヤバい…。俺、朝までできる気がする…。」

「それはヤバいよ…。私絶対途中で寝ちゃうよ…。」


「だってずっと我慢してたし、妄想の相手が現実に戻って来たんだぞ?簡単に寝かせられるはずかない。」

「どんな妄想を…。」

「しかも…思ってたより…。」

「何?」


「…胸もあった。」

「…っ!」

僕はフリッツの頭をたたいた。


「…怒るなよ。…やきもちをやいてるんだ。こんなに可愛いお前が別の男にって…。」

「…ごめん。」


「…でも、もうこれからはずっと俺のだから。」

「分かった。…フリッツ…」

「何だ?」



「…ユーラとヴィッキー…。うまくいくよね?」

「いくだろ…。」

「だよね。もしかして…今二人も同じ事してるかな?」

「姉のそういうのとかは考えたくない。…萎える。」


「…。」

なんとなく、してる気がする。


「嫌?」

「まあ…。複雑だけど…。」

「お前たちの関係も特別だもんな。」


「…うん。」


フリッツが僕にキスをして微笑んだ。


「でも今は俺を見て、俺の事だけ考えて。」

「…そうだね。」


僕は目を閉じてフリッツの首に腕をまわした。



「フリッツ、大好きだよ…。」


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