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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
322/350

僕の告白

鼓動が早くなる…。


フリッツが僕を見つめる。


「フリッツ…。」

「何だ?」


「他の女性と、婚約しないで。」

「…リネア…?」


「私を、私を選んで。フリッツがいいんだ。」


フリッツが目を丸くして僕とユーラを交互に見る。



「…ユーラとの婚約を解消したんだ。私と婚約して。」


ヴィッキーが信じられないという顔をしてる。

フリッツは…。茫然としてる。


「ミハイル…。あなた…。」


「ヴィクトリア、そういうわけだから私と婚約しない?君が言い出した提案に乗ろうと思う。」

「嘘…。あたし、そんなつもりじゃ…。リネア…。」


ヴィッキーが僕を見て首を降ってる。


「…ヴィッキー、ユーラがそれを望んだ、私もそれを受け入れたんだよ。ヴィッキーのせいじゃない。」



フリッツがソファーに座った。

「…ミハイル…。本気か?」


「本気だよ。私たちにとって最善の選択をしたつもり。…どう?」

「…そりゃ…。」


「ヴィッキーは…どう?」

「あたしは…リネアに申し訳ないけど、他の男に嫁ぐならミハイルがいい。ゲオルグが好きで忘れられないことも理解してもらえるし、気をつかわなくていいし、優しいし…。ミハイルこそ、あたしでいいの?」


「私のリネアへの気持ちを受け入れてくれるだろうし、君の事は昔から知っているから…。ただ、リネアをフリッツに譲るにあたって条件がある。」


「なんだ?」


「リネアと今後もキスしたい。」

「は?」


「だから、リネアとのキスを許してもらいたい。さすがに身体の関係は無理だと思うから…。」

「…いやいやっ、それはおかしいだろ?!」

「じゃあ、あげない。」


「おいっ!?」


「あたしは別に構わないわよ、キスくらい。…あたしもゲオルグに頼んでみようかしら。」

「俺は嫌だ。キスは好きな人同士がするもんだろ?」


「…あんた、何その純情なセリフ…。そりゃあんたは自分の一番好きな人と婚約するんだからそう思うかもしれないけど、妥協した身からすれば…。ねえ?」


「だよね?」

ユーラとヴィッキーが結託した。

かなり手強いチームになりそうだ。


「リネア!お前もおかしいと思うよな?!」

「まあね…。あ、じゃあ、フリッツもユーラとキスしてみたら?」

「何故そんな思考回路に…。じゃあお前は俺が他の女性とキスをしても構わないのか?」


「いや、ユーラなら許せるけど他の女性はいやだよ。」


「俺はミハイルとキスはしない。」

フリッツが項垂れてしまった…。


「ユーラ、やっぱり無理そうだよ?」

「…これだけは譲れない。」


ヴィッキーか僕の肩に触れた。

「…とりあえず、キスの件はおいておいて…、リネア、少し話せない?話がしたいの。」

「うん。いいよ。カフェに行こう。久しぶりにアップルパイが食べたい。」


「リネア…、お前、いつまでこっちにいるんだ?」

「5日間。帰ったら出発なんだ。」


「じゃあ、姉上の話が終わったら、俺に時間をくれないか?」


「…。」

僕はユーラを見ると、ユーラも頷いた。


「うん。じゃあ、二時間後にいつものカフェに。」

「ああ。」




「フリッツ…これ。」


ユーラが見覚えのある小さな箱をフリッツに渡した。


「私がリネアに渡すはずだったもの。君が使って欲しい。」

大きなダイアの指輪…。


「お前…。いいのか?」

「うん。」



「うわっ。すごっ!」

ヴィッキーがダイアのサイズに驚いた。

「ヴィクトリアには今は用意できてないからまた改めて。」

「…ありがとう、ミハイル。」




「…じゃあ、出かけるわ。」

「ああ。」




◇◇◇


僕たちはフリッツとよく行ったお気に入りのカフェに入った。

僕もヴィッキーもビールを注文した。僕はアップルパイもつけた。


「…リネア…。本当によかった?あたし、責任を感じてる。」

「大丈夫だよ。…ユーラが決めたって言ったでしょ?」

「そうだけど…。あたしがこんな事言い出さなかったら…。ミハイルがあなたをどれだけ大切に思っていたか、あたしは知っていたのに…。」


「…ユーラはフリッツと離れたくなかったんだ。小さい頃から一番大切な存在だったから。それにね、自分の生死と引き換えに私との婚約を進めた事に罪悪感を感じていたんだよ。だから…ヴィッキーの話はすごく魅力的な提案だったんだ。私たち三人が離れずこれからも繋がれる、唯一の方法だったんだと思う…。」


「ミハイルは本当にいい奴よね。リネアが彼の良さを引き出したのね。留学してきた当初は変な奴だったもんね…。カードゲームをしたのよ、この店で。」

「懐かしいよね。…色々あったんだ。でもユーラは最初からずっと優しかったよ。今もこれからもずっと好きだし、特別なんだ。」


「…フリッツで良かったの?」

「うん。フリッツがいいんだ。ヴィッキーは…大丈夫?」


「そうね、簡単には諦められないけど、ミハイルがいたら前へ進める気がするわ。」


「…ニコちゃんが義理の父になるのは理解してる?」

「…あまり考えてなかった。まあ、なんとかなるでしょう。困ったらリネアに相談するから。」

「…そうだね。リスラ語は話せる?」

「少し…。勉強しないとね。」


「ユーラの家族は良い人ばかりだからきっとヴィッキーならうまくいくよ。とりあえず二年間はメルア大陸にみんないってるけど。」

「あたしも行こうかしら。」

「…えっ?」


「リネアと一緒なら許してもらえる気がする。」

「…大丈夫?」

「多分。ゲオルグの結婚の事を考えなくて済むし一年くらい行ってみる。」





カフェで合流したフリッツにヴィッキーの留学の話を伝えたら意外にも賛成してくれた。

「リネアが心配だし、姉上もゲオルグを忘れるのに良い機会だな。」

「そうでしょ?急いで用意しなきゃね。…じゃあ帰って早速用意を始めるわ。じゃ、ごゆっくり。」


そう言ってヴィッキーは店を出た。


フリッツは僕の隣に座ってビールを注文した。

僕もおかわりを頼んだ。




「…さて、お前の告白の返事…今ここでしていいか?」


「うん…。」


心臓が再びドキドキしてきた…。


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