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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
304/350

セルとシャーロット様

「リネアがエンゲル王国からいなくなって、兄上もいなくなった後、シャーロットは落ち込んでいたんだ。」

「…そうなの?」


「うん、親しい友人はあまりいないみたいだから。それである日チャーリーズの店で私を見かけた時、私に声をかけてきたんだ。」





「'…セルゲイ、頼みがある'って…。」




「…クッキング?」

「良く分かったね。」

「…まあ、私もユーラも教えていたし。」


「そうなんだ。城の者だとお互い気を使って疲れるから友人が良かったらしい。それでね、何度もここに来ているうちに…。」



「どっちから?」

「…言わない。」

「…セルからか。」


「…綺麗な人だなって思って…。」


「した…。」


「キスだよ。」


「…キスだけ?」


「…それが先週の話なんだ。」


「…うわっ。じゃあ付き合ったばかり…?」


「うん。私が付き合う?って聞いたら…。」

「'ああ、そうだな'っていいそう。」


「…よく分かるね。」

「まあね。」


セルが真っ赤で照れてる…。

ヤバい、可愛すぎる。


「ぎゅーってしたいけどしたらまたシャーロット様に怒られそうだから我慢するよ。おめでとう、セル。良かったね。」

「…うん。今結構幸せで。」

本当に嬉しそうだ。良かった…。僕まで嬉しくなる。


「…メルア大陸には私一人で行くよ。セルはシャーロット様と来たらいい。」

「…どうして?」


「邪魔したくない。私のわがままに巻き込みたくないから。イーチェンが行くことになったからイーチェンに飛行機に乗せてもらおうかな。」

「…イーチェンと二人で…?」

「…まあ、なんとかなるよ。」


「…とにかく兄上に今から電話する。」





◇◇◇


「駄目。」

「駄目だ。」


「…なんでフリッツがいる?」


電話から顔が見れるビデオ電話にアップグレードされてる。

しかも何故か画面に二人映ってるし。


「…住み心地がいいから寮をでて俺もここに住んでる。飯も旨いし。」

「はあ?」


「とにかくリネア、イーチェンと二人は駄目だ。」

「フリッツ…。」


「君は彼に何をされたか忘れた訳じゃないだろう?…あ、セルゲイ、おめでとう。」


「兄上…。リネア、さっそく話したの?」

「そりゃね。おめでたい話は共有したいし。」

「セル…お前、あんな男みたいな女と付き合い始めたのか?」

「リネアと付き合ったフリッツに言われたくないよ。」

「確かに…。」


「とにかく、私は行くよ。セルは今一番楽しい時期だから連れていけない。」

「駄目だ。」


電話越しに保護者が二人、横に一人…。


「セル、電話を切って。」

セルに頬をつねられた。


「リネア…。二人が正しい。私がやっぱりついていく。」

「…じゃあシャーロット様が準備できたら行くって事にする。」

「…そうして。私はイーチェンと二人はもう止めて欲しい。絶対二人で住んだりしないでよ?」

「…分かったよ。」


「俺がそのうち行くから。」

「…フリッツ?聞いてないよ?」

ユーラがフリッツを睨んだ。



「ミハイル、俺も一年後に行くつもりだ。まあ短期でしか無理だが。」

「…あのさ、イーチェンも危険だけどフリッツはもっと危険じゃない?」

ユーラが頷く。

「セルゲイの言う通りだ。フリッツ…駄目だよ、君は行ったら。」

兄弟連携プレーだな。


「いや、行きたい、行ってみたい。」

「うん、来てよ。」


ユーラが画面越しで物凄く不機嫌そうになる。


「…君たちはさ、おかしい。」

「なんで?」

「おかしくないだろ。」


「リネア、君は私の婚約者なんだよ?」

「はい。」

「で、フリッツは元恋人。…私がいいって言う訳がない。」


「…だってさ、行ってみたいよね?見てみたいよね?知らない大陸だよ?」

「そうだ。ミハイル。嫉妬なんて下らない。ただの好奇心だ。お前には冒険心はないのか?」

「そうだよ!冒険だよ!」

「あのねー…。」


「兄上、この二人には常識とか通じないから…。シャーロットにも注意されていたし。」

「…とにかく、フリッツの件は別として、君はセルゲイ無しには行かないこと。」

「はいはい。じゃあもう切るよ?」


「リネア」

「…何?」

「…愛してる。」


うっ…。


「…。はい。」


フリッツの前で…。


「お前なー。」

フリッツがミハイルの頭をげんこつで叩いて僕を見た。


僕はフリッツに手を振る。

フリッツも僕に手を振った。




電話を切るとセルが僕を見ている。


「…何?」

「…会えて嬉しかったのどっち?」


「何それ?」

「ねえ?」


「…何で?」

「駄目だよリネア。私は君ときょうだいになるのを楽しみにしているんだから。」

「何が言いたい訳?」


「…君が一番分かってるはずだけど?」

セルが僕の頭を撫でる。


「…何?」


何なんだ…?



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