歓迎パーティーにて 1-2 ユリア視点
せっかくオスカルと会えたのに、ミハイル様と二人でテラスへ行ってしまった。知らない人とお話するのも苦手だし、困ったわ…。
「なあルイ、ミハイルとリネアがって…本当なのか?」
「本当みたいだよ。ユリア様の方が詳しいんじゃない?ね?」
「え…?あ、はい。本当です。お二人とスモーランドから一緒に来ましたが本当に仲が良いですよ。」
「ミハイルが?嘘だよね?あの陰気な?」
「…ルド、ミハイルは昔より大分マシになっていたよ、エンゲル王国で会った時も笑うようになっていたし。」
「あいつが?信じられない…。」
お二人にとってはオスカルが言っていた通りミハイル様は陰気な印象なんだわ。
「フリッツとはなんで別れた訳?」
「さぁ…僕も最近会ってなくて知らないんだよ。最近みたいだよ。」
「…なんか嫌だなー。リネアがミハイルとなんて。」
「だよね。」
「お二人とも、フリードリヒ殿下ならよかったんですか?」
「そりゃね。」
「本当に仲良しだったしね。お似合いだし。」
…私は、ミハイル様とオスカルもお似合いだと思うけど。
「あ、ダンスがはじまったよ?さっそくリネアが声をかけられてる。」
「彼女有名だからな。」
「有名?」
「うん。ダンスがうまくてしかも男女どちらのパートも踊れるし、いろんなダンスを踊れるからダンスに自信のある奴が好奇心で挑んでいくんだ。」
…男のパートも踊ってしまうのね。
うわ…本当に上手だわ。いつの間に…。
「僕も行こっ。」
ルドルフ様がオスカルの所へ行ってしまった。
「ユリア様、君は踊らないの?」
「…私は…。」
「楽しまないと損だよ?踊ろうか。」
「…はい。」
私は、初めて知らない男性と踊った。
ルイーズ様はダンスがとても上手で私をうまくリードしてくれた。
クラウディアがこちらに手を振る。
どうやら初恋の男性と踊っているようだ。
とても嬉しそう…。
ミハイル様は次々に声をかけられたくさんの方と踊っていらっしゃったけど、あまり楽しそうには見えなかった。
数曲踊って休憩しながらみんなを観察していると、ルイーズ様が飲み物を持って私の所へ来てくださった。
彼は私に気遣って側にいてくださっているみたい…。
「リネアが楽しそう…。」
「彼女、昔からあんな感じ?」
「ええ。昔から。明るくて楽しいからみんなあの方を好きになってしまうんです。」
「うん、分かるな。…あ、ついに本命が来たよ。」
フリードリヒ殿下がオスカルの手をとって手の甲に口づけをした。オスカルが爆笑している。…素敵な雰囲気が台無しだわ。殿下もつられて笑いながら二人はダンスを始めた。
「え…?」
「いきなり男女入れ換えてるし。」
ルイーズ様が笑う。
二人のダンスは次元が違った…。二人にあわせてか曲が難しいものに変わる。いろんなアレンジをしながら難しいパートを簡単に踊ってしまう。ワルツから始まってタンゴやクイックステップ…
すごい…。
オスカルが楽しそうに笑ってフリードリヒ様を抱き締める。
ミハイル様といる時とはまた違う笑顔だった。
「今日はセルゲイがいないからフリッツがダントツかな。」
「二人とも楽しそう…。」
「ね?お似合いでしょ?」
確かに…ミハイル様といる所を見ていなかったら、この二人を恋人と思うに違いない。
フリードリヒ様も本当に楽しそうで終始笑っていらっしゃる。まわりの人たちも二人を楽しそうに眺めていた。
どうして別れてしまったのかしら…
「あ…。」
ミハイル様がダンスをやめてオスカルを見つめているのが分かった。オスカルは全く気づかず次々にいろんな方とその後も踊り続けている。
ついにはミハイル様に抱き締められ、二人は会場からいなくなってしまった。
「楽しんでいるか?」
「フリードリヒ殿下。」
「ルイ、彼女に手を出したりしていないよな?」
「なんで君たちは…。」
「ミハイルは?」
「帰ったよ、リネアを連れて。相当嫉妬してたみたい。」
え…ミハイル様、そうでしたの?
「あーあ、なんで君たち別れちゃったの?」
「…ルイ、まあ今度ゆっくり話すよ。色々あったんだ。」
「殿下は気にならなかったんですか?リネアがみんなと踊ったりして。」
「別に?楽しいのが一番だからな。みんなあいつに挑んで盛り上がってたし、リネアも楽しそうだしな。」
「フリッツも目立てるしね。」
「それも重要だ。今回はセルがいないから俺がダントツだ。」
フリードリヒ殿下はかなりおおらかな方みたい。
ルイーズ様と殿下が楽しそうにしているとルドルフ様も加わって三人でお酒をたくさん飲み始めた。
私は話を聞いたり頷いたりしているだけだったけどとても楽しかった。
お兄様はこの方たちとこうして一緒にいたんだわ。オスカルも…。
でもミハイル様はこの方がたと一緒にいなくて、彼らはミハイル様をあまり良く思っていないようだった。
この三人に何があったのか、私は知りたいと思った。




