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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
280/350

クラウディアとフリッツ

僕が夕方仕事をする為にフリッツの執務室に向かう途中、教室から話し声が聞こえてきた。


「あの…。殿下。」

「なんだ?」


「リネアと国の仕事をしてるって本当ですか?」

「…何故?」


クラウディアとフリッツだ…。



「…殿下はうちの国を立て直すお手伝いをしてくださるんですよね?」

「それで?」


「アタシも殿下と一緒に仕事をしてみたいです。殿下がどんなふうに仕事をするか側で直に学びたいんです。ただでもいいので使ってくれませんか?お願いします。」


クラウディア…すごい積極的だ。

そんなに仕事が好きなんて…。僕なら絶対タダ働きはしない…。


「…クラウディア殿。」

「はい。」


「申し訳ないが、今のところ頼みたい案件がないから何かあったら連絡する。」

「ではリネアのやっている仕事をお手伝いさせていただけませんか?その…言いにくいんですが、彼女、嫌々やってるんじゃないかなって…。」


え?!そうなの?

確かに多いと思ったけど嫌々ではなかったはずだ。

元々自分がやりたいのを選んでやってるし、

そもそも彼女にはそんな話はしていないのに…?


…クラウディアって…。



「君はリネアの何を知ってる?」

「私は、リスラ共和国で彼女と友人になりました。」


「友人…ね。」

「はい。彼女はミハイル様との時間を大切にしたいはずです。だから彼女の仕事をアタシが少しでも変わってあげたいんです。」




「…面白いな、そなた。」

「…そうですか?」


「ああ。…リネア、お前も隠れてないで出てこいよ?参加したいだろう?」

フリッツが僕を見る。


「…いや、私は遠慮するよ。何言っていいか分からないし。」

「リネア…。聞いてたの?」

「お前、嫌々やってるんだって?」


「…やりたくて始めた事だよ。」

僕はクラウディアを見た。


「…私の関わっている事は私がフリッツに頼んで始めたことなんだ。」


「ひどいよ、リネア。」

「ひどい?なんで?」


「アタシ、ただあんたが友達だから協力してあげたかっただけなのに。そんな言い方…。まるでアタシが嘘をついたみたいじゃない。」

「…。」


「リネア、アタシに言ったよね?殿下と婚約を望んでいるって。じゃあ何故ミハイル様と一緒にここにいるの?殿下に失礼じゃない?」


「…。」

痛いところをつかれた。だけど…。


「クラウディア、私は私の事情が、フリッツにはフリッツの事情がある。それをあなたに説明する必要はない。」

「アタシには関係ないっていいたいの?ひどい、そんな言い方。友だちだと思ってたのに。」


…なんか、ダメだ。僕はこういうのは苦手だ。

「…私は無理だと思う。」

「え?」


「なんか…ごめん。無理だ。」

「どういう事?」

「なんか面倒くさい。」


「なっ…!失礼じゃない?アタシはただ…。」

「友だちは私にも選ぶ権利がある。」

「…どういう意味?」

「そういう意味。」


「…殿下、ひどいと思いませんか?」

「どのへんが?」


「…!」


「…用件は済んだか?俺はもう話す事もない。」

「…失礼します!」


クラウディアは僕を睨んで部屋から出ていった。



「…。」

言葉がでない。間違ってはいない。だけど…。

なんなんだろう。



「ミハイル、お前も笑ってないで出てこい。」


ユーラ…。見てたのか…。


「ごめん…。君に会いに行こうとして、見るつもりなかったけどあまりにも声が大きくて、つい…。」



「はー…。部屋でコーヒーでも飲むか?」

「…ビールじゃない?」

「そうだな。外に行くか?」

「うん。行こう。リネア…フリッツと出かけてきていい?」

「どうぞ。私は、仕事があるから、()()やることにするよ。」


ユーラが僕の言葉を聞いて吹き出した。

フリッツはまたため息をついた。




◇◇◇


俺とミハイルは中心街にあるバーに入った。


「楽しい女性(ひと)だろう?」

「…お前、他人事だと思って。」


「私にもあんな感じだったから。」

「…そうだったのか。」


「…努力家なのは本当で、リスラ共和国でも頑張って勉強していてね、熱心に質問に来たよ。」


「だとしても…な。あのリネアが無理って…。くっ…。駄目だ。可笑しい。」

さっきのリネアを思い出したら思わず笑ってしまった。

「面倒くさいって…。言うか普通?」


「まあ…実際面倒くさい。あのさ…余計なお世話かもしれないけどライヒ王国は今色々悪い噂があるの知ってる?」

「…。お前?」


「私だって一応調べたんだよ。婚約者候補になった時。」

「…お前、俺に言って大丈夫な話しか?」


「私はもう、大統領になる気もないし。ここだけの話。」

ミハイルは俺の耳元で話しかけた。


「近々クーデターが起こるかもしれない。」

「…!」


「それでも得る価値はあるかもしれないけど、彼女を手にいれる価値があるかは分からない。」

「…クラウディアはその事は?」

「さあ。」


「…場所を変えよう。」


酔いも一気に冷めてしまい、俺たちは執務室に戻った。


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