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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
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ミッションの行方

ユーラが夜ご飯を作ってくれる。今日はビーフストロガノフらしい。いい匂いがしてますますお腹が減ってきた。

僕はユーラの背中を見ながらニコちゃんから提示された養子縁組の解消条件をユーラに話した。


「それで…、君は何て答えたの?」


「特に返事はしなかったんだ。だって、私がニコちゃんから自由になる為にユーラをニコちゃんの元に返すとか、そんな事したくないし。」


「…君はここへそれを伝えるために来たわけ?」


「いや。私ユーラがそれを望んでないの分かってたから、飛行機を使ってここへ来るチャンスを利用しちゃった。」


「君も学習してる。」

「だってユーラに会って話したかったんだもん。」


「…でも、養子じゃなくなったらフリッツの所にも帰れるんだよね?」

「…かもしれない。でもフリッツは、国の為にライヒ王国を選ぶんじゃないかなあ?」


「…あのクラウディアって、私は苦手だ。」

「そう?私は結構好きだよ。はっきりしていて。」


「だって君に声をかけてきたのだって、きっと大統領の息子である私に興味を持っていたからだよ?それに、両国から援助を受ける為にきた会議でいきなりフリッツの婚約者になりないとか、君の前で言うとかさ…。」


「策士でユーラと気が合いそうじゃない?うっ…いたた。」

ユーラが僕の頬をつねる。


「似ていて嫌なのかも。打算的っていうか、無邪気に見せかけて計算高いというか。」


「あ、ユーラは無邪気ではないから。」

「リネア?ご飯いらない?」


「いります。ごめんなさい。」

「…まったく…。」



「私も手伝おうか?サラダとかいる?」

「じゃあお願い。」


久しぶりだなぁ。ユーラとの料理。いつの間にか色んなスパイスがキッチンの棚いっぱいに並んでる。凝り性だ…。


「このスパイスは?」

「取り寄せた。」

「…相変わらずだ。」


「いい主夫になれると思わない?」

「能力の無駄遣いじゃない?」


「そう?リネアが働いて私が主夫をするって良くない?」

「…悪くないけどさ、もったいない。」





「…リネア。悪いけど父の婚約解消の条件は受け入れられない。私はもう彼の後を継ぎたくない。」

「分かった。」


「…私は、3年以内に父と約束した君と一緒になる条件をクリアして君と一緒になりたい。しかも跡を継がずに。」


「…そんなうまくいく?」

「やるしかない。」


「私は、ユーラとの交渉に失敗したらリスラ共和国で冬休みはシッターをする事になってるんだ。」


「…リネア。」

「はい。」


「…たまにはあの父を困らせやろう。何でも自分の思いどおりになると思ったら大間違いだ。」


「…どうやって?」


「…どうしようかな?」


ユーラが悪そうな顔で笑ってる。久しぶりに見たな。





◇◇◇


夕食の時間に僕は帰宅した。


「おかえり、セルゲイ」


「…リネア?」

…リネアがいる?何故…?


「しーっ」


兄上が私に音をたてないよう注意する。

客間のソファーにリネアが寝ていたので私たちは部屋を移動した。


「…いつきたの?」

「朝。昨日夜電話があって。」


「なんで?」

「…私を帰国させるよう父上に頼まれたらしい。養子縁組の解消の条件と引き換えに。」


「…リネアはそれを望んでいるのですか?」


「いや…。とりあえず、色々報告したかったみたい。父上がフリッツやフリッツの父親の前でかなり不審な言動をとったみたいで、危険を感じた彼らに婚約を解消されたらしい。」


「えっ!?」


「彼女を膝の上に乗せたり、可愛いとか言ったり…。」

「…。なんて言っていいのか…。異常だ。」


「性格悪いだろ?わざとやってるんだから。」

「…ライヒ王国の人の前で、ですよね?」


兄上が笑ってる。黒い笑みだ。


「その異常な行動のお陰でリネアがここに来てくれたのはよかったけどね。あのままフリッツといたらリネアは確実にフリッツにとられていたし。」


「…そう思いますか?」


「思うよ。だってリネアが一番好きなのはフリッツだからね。最近電話の回数も減っていたし、フリッツが楽しそうな仕事をたくさんあげたり、冬休みはみんなでスモーランドやリスラ共和国に行く予定だったみたいだよ?マルクやレナートをフレ-デル王国で預かるとかさ。危なかったな。」


「フリッツもなかなかですね…。」

確かにフレ-デル王国であの二人をみたら本当にお似合いだと思ったし、リネアはフリッツを選ぶと思った。


「当たり前だ。あのフリッツだよ?彼は絶対リネアを諦めたりしないと思う。」


「でも別れたんでしょう?」

「だけどこれでみんな条件は同じじゃないか。私を含め誰も婚約できないわけだし。」


「…でもリネアは兄上が好きだからここにきたんでしょ?警戒しすぎじゃないですか?」

「確かに今はそうかもしれない。でも彼女は自由人だからね…。そもそも彼女は私を兄として好きな部分が一番多い。甘えたりするのもそういう感じだし。」


「リネアを信用してないんですか?」


「あれだけ好きだったフリッツと離れたんだよ?私に同じことがなんらかの事情でおこっても不思議じゃないと思わない?」


「…まあ…。」


「私はね、フリッツは今後も絶対何かしてくると予想している。」


「…私は、あなた達とリネアを取り合うのに参加するのは本当に無理だと思います。面倒くさすぎる。」


「私はライバルは生涯フリッツがいい。私が最初に執着した特別な人だし、フリッツが好きだから。イーチェンとか父上とか、そんなのは私が認めない。」


「…あなたのその思考も良く理解できません。」


「いいんだよ。理解できなくて。」


「それで?リネアはこれからどうするんですか?」


「リスラ共和国に冬休みの間シッターとして呼ばれたらしい。飛行機は明日でるはずだ。」


「…兄上はどうするんです?」


「帰国したら最後だろう?リスラ共和国からここまで戻るのは本当に大変なんだよ?私は帰らない。」


「リネア一人で?」


「いや。誰も帰らない。マルクとレナートは可哀想だけど、帰ったら最後、全員幽閉だ。」


「…でしょうね。」





夕食を食べるために僕たちはリネアを起こし、今後の事について兄上はリネアに話をし始めた。


「まず、君はどうしたい?」

「私もミッションをやり遂げたい。約束は約束だから。」


「じゃあ、二人でミッションをやり遂げよう。」

「イーチェンは協力してくれるかな?」


「彼は君が好きだし君と何かをしたいからきっと協力してくれる。誘拐された弱みにつけこんでやればいい。」

「言い方…。」


「まずは君はカジノとスモーランドの貿易を成功させる事に尽力する。これも私が関わる事にする。セルゲイは店を頼める?」


「分かりました。兄上とリネアの二人がうまくいく為ってのが複雑ですけど。」

「何を言っている?君がここに残ってバレエと店をがんばるって言ったんじゃないか。大体君も株主なんだ。頑張って将来の資金を貯めるんだ。…まあ3店舗目もほぼ目処がたったし、店はある程度起動に乗ればあとは管理にたまに行けばいい。あともう1つ頼みがある。」


「…何ですか?」

兄上が笑顔だ…。嫌な予感がする。


「シャーロット様の相談に乗ってあげて欲しい。」


「私がですか?!」


「あの見た目の恐ろしい料理を平気で口に入れる事ができる君ならできる。」


「嫌ですよ。」


「だからなんとかしてあげたらいい。」


「兄上は?」


「私は、リネアとフレ-デル王国に行く。スモーランドとフレ-デル王国を往き来するのにエンゲル王国は不便だ。馬車が使えないからね。ホテルの件は遠隔で打ち合わせるよ。」


「ユーラ、フレ-デル王国に行くの?スモーランドじゃなくて?」


「スモーランドは拠点には不向きだ。フレ-デル王国なら色々動きやすい。」

「スクールには行くの?」

「行くよ。まだ勉強したい事もあるしね。君も退学してないんだろう?」


「うん、工学部での研究は続けてみたかったから嬉しいな。」


「フリッツにまた近づけるのは嫌だけど、カジノは君が担当だから、だったら私が近くで見張れる方がマシだ。」



あの父上がそんな簡単に二人の行動を許してくれるだろうか?

兄上もリネアの事になると慎重さを欠くからな…。


まあ、とりあえず私は私のやる事をしよう。

あとはシャーロット様か…。

なんとなく、彼女が落ち込むような気がする…。


それにしても…


「あの…。」


「何?」


「兄上…一応私の前でそれは遠慮してもらえますか?」

「何が?」


絶対に分かっててやってる。なんだその嬉しそうな顔は…。


「いちゃつくのは二人の時にしてください。」


さっきから兄上がリネアに触れてはキスをしている。

兄上の気持ちを考えると嬉しい反面複雑だ。

リネアも恥ずかしそうにしながらも拒否しないところを見ると兄上が好きなんだろう。


「…リネア、じゃあそろそろ部屋にもどろうか?」

兄上がリネアを抱き上げた。

「えっ!?また?!」

「…これからは私の部屋で寝るよね?」

「…そう…?」

「いやなの?」

「…毎日は…ねぇ、セル…。」


「…知らないし…。」

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