リネアとの再会
リネアが飛行機から降りてくる。馬車で迎えに来た私を見るとこちらに走ってきた。
「ユーラ…。」
リネアが私を抱きしめた。
「リネア…。」
私も彼女を抱きしめた。
また少し背が伸びた。いつの間にか見た目はすっかり女性らしくなっているし、一つ一つのパーツが整っていて綺麗な顔立ちをしている。
「ユーラ、会いたかった。ずっとずっと会いたかった。」
スモーランドからリネアが電話をくれた時の記憶が甦る。
あの日に戻ったようだ。
「私も会いたかったよ。…とりあえず、風邪をひくといけないから馬車に乗って。」
「うん。」
私がリネアを馬車に乗せると、彼女はいきなり私の横に座ってしがみついてきた。
「リネア…?」
「…私、ユーラに謝らなきゃいけない事がある。」
「…フリッツのことをまた好きになっちゃった?」
「…なんで分かった?」
私はリネアの頭を撫でた。
「君はどれだけ離れても一生フリッツを好きなままだと思った。フリッツは君にとって特別で、それを変えることはできない。…そうだろう?」
「うん。フリッツが私を認めてくれて、スモーランドから出してくれて、たくさんの人にあわせてくれた。リネアに新しい生き方をくれた。だから私はフリッツが好きなんだ。大好きだし尊敬してる。」
「…私にしがみつきながらそれを言う?」
「ユーラだってシャーロット様を好きになりかけてるくせに。」
「何、それ…?」
「私には分かるもん。シャーロット様は可愛いし、素敵だもん。最近電話でシャーロット様の話ばっかりしてた。」
「…。ヤキモチ?」
「そうだよ。」
リネアが拗ねて顔を反らした。
小動物みたいだ。
…ちょっとイジワルをしてみたい気持ちがわいてきた。
「…確かに私は彼女を可愛らしいと思ってるし、面白いから興味もある。このまま君と離れていたら私はシャーロット様を…。」
「…。やだっ。」
リネアが私を強く抱きしめた。
「何が?」
「…シャーロット様を選ぶの?」
「…どうだろう?」
「ユーラの馬鹿。」
リネアが泣き出した。…こんな彼女を見るのは初めてで正直どうしたらいいのか分からない。
リネアは私にしがみついたまま黙ってしまった。
「リネア…?」
私はリネアの顔を上げた。
「…ユーラが他の人を好きになるのは嫌だ。」
「自分もフリッツを好きなくせに?」
「…我が儘なのは分かってる。でも、ユーラだけなんだもん。こんなふうに私が甘えられるの。」
「…それは私が君の兄でもあるから…だよね?」
「だから、誰にもあげたくない。なんでも話せる友達も兄も好きな人も一気に失う事になるのは嫌なんだ。ユーラの存在が大きすぎる。」
「…リネア…。」
アパートにつくと、私はリネアに紅茶をいれた。
「この場所も久しぶり…。変わってないね。」
「うん。ワッフル食べる?朝焼いたんだけど。」
「…ありがとう。食べたい。」
私がワッフルを出すと、リネアが隣に座って僕を見つめてきた。
「…リネア、心臓に悪い…。なんか、君のこういうの慣れてないから…。」
「…だってやっと会えたんだよ?」
「…私の部屋に…来る?」
「…うん。」
食べ掛けのワッフルを客間に置いたまま、私はリネアを部屋に入れた。




