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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
250/350

エンゲル王国にて

私はリスラ共和国を出て、バスや船を乗り継ぎ一月後ついにエンゲル王国へたどり着いた。アパートのドアを開けたセルゲイがびっくりした顔をしている。


「兄上…。なぜここへ?」


「しばらくこちらに滞在するよ。それから、ここにいることは父には黙っていてくれる?」



「…何があったか話してもらえますか?」


私は父と喧嘩をして自殺しようとした事、3年間援助を受けない事を条件に自由にしていいと言われた事を話した。




「まあどう考えても父上が悪いですよ。あの人の頭には国を繁栄させる事しかないですからね。」


「今回はさすがに許せなかった。」


「ただ、兄上が死のうとするとは思わなかったでしょうね。」

「まあ自分が普通じゃないのは分かってる。」


「それで?ここへ来た理由は?」


「リネアのプロジェクトを成功させるよう私が手を回す。一人でやりきるとは契約書には書いてなかったからね。」


「なるほど。メルア大陸にも行くつもりですか?」


「もちろん。」


「兄上…資金はどうするんですか?」


「実は君たちには内緒で私は私のビジネスを立ち上げていたんだ。」


「いつの間に…。何をしているんですか?」


「金融だよ。エンゲル王国は世界中の金融取引の中心国の一つだろう?株や仮想通貨、外貨の取引を中心に行っている。どこにいてもできるビジネスだからね。エンゲル王国に来てから始めたからまだそんなに大したことはないけど一生食べるのには困らないくらいは稼いだよ。」


「…知りませんでした。」


「私は大統領になるより、リネアと美しい街に住んで必要があれば世界中を移動するような自由な生活がしたいと思ってる。父に振り回されるのはもうたくさんだし、関わりたくもない。」

「父上が許してくれますかね?」


「あの人はまだ若いし、マルクやレナートもいるからどうにかなるんじゃない?そういえば、君はどうするの?」


「私も父の跡を継ぎたくないです。王政の話は父の退院とともにとまっていますか?」

「うん。今は更に仕事を増やすのはやめようという話になった。共和制のままなら、最悪誰も継がなくていい。私はそれでいいと思う。」


「そうですね。継いで誰も幸せになれないなら継がない方がいい。私は、バレエを続けながら、舞台に関わる仕事をしていきたいと思っています。現役でいられる時間は短いので、あと少ししたらプロデューサーかディレクターの道に進む予定です。ですから兄上がメルア大陸に行く時は私も行きます。」


「リネアがこれるかが問題だね。」

「そうですね。フリッツは今度は彼女を外に出さないかもしれません。仮婚約の条件に不定行為の条項も盛り込んでたらしいですよ。」


「…何それ?」


「リネアに不定行為があった場合、即婚約するらしいです。」


「フリッツも変わったね。」

「兄上の影響じゃないですか?」


「…彼はやっぱり手強いな。…リネアに電話がしたい。父上に知られずに連絡できるかな?」


「では別の電話番号を作成し、いったん別の国を中継してそこからかけているようにしますか。どの国にします?」

「君はこういう怪しいの得意だよね。」


「兄上?」


「はは。ごめん、そうだな、ランク王国くらいにしようか。」


「了解。」






セルゲイがランク王国の電話番号と回線を作ってくれるとすぐ私はリネアに電話した。


電話の向こうに愛しい人の声がする。


「ユーラ…。」


リネアが泣いているのが分かる。


「会いたい。今どこにいるの?」


「…エンゲル王国。絶対に父に知られたくないから他の人には言わないでね。」


「うん。ニコちゃんの計画にはまったみたい。」


「急な出張とかね。変だとは思ったけどまさか君をフレーデル王国に連れていってしまうとは思ってなかったよ。」


「私だって、まさかリスラ共和国に帰れないなんて思ってなかった。ユーラに会いたい。」


リネアが泣きながら話している。


「リネア。必ず父上との契約を果たし、今度こそ一緒になろう。三年以内に終わらせる。私も手伝うから。」


「うん、私もがんばるよ…。」

「うん。もう遅いね。おやすみ、リネア。」


「ユーラ…。まだ。」

「え?」


「まだ切っちゃやだ。まだ駄目。」

「…。」

「ユーラ、もっと…。」


「あのさ…君って、こういう感じなんだね。」

「何が?」

「だから、好きな人の前ではこんな感じで甘えるんだって…。」


「…いや?」

「今多分、自分の顔が赤くなってる。普段とギャップがありすぎて物凄い破壊力だ。コーヒー溢すところだった。」


「寮の部屋にユーラと描いた絵があるの、覚えてる?」

「もちろん。」

「毎日それを見てユーラの事を考えてた。」


リネアが可愛すぎて言葉にならない。

「キスしたい。」

「私も…。早く会いたい。」





電話を切ると後ろでセルゲイが本を読んでいた。

「…聞いてた?」

「まあ、聞こえるし。…胸焼けがする。」

「…。リネアが可愛すぎてやばいんだけど。」


「…死ななくてよかったですね。」

「本当に。何あれ、本当にリネア?」

「リネアがここにいなくてある意味良かったです。なんて言うか…。色々聞きたくないし。」


「…。その時が来たらなるべく気をつけるよ。」



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