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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
シアナ共和国編
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ユーラと僕 4

夜、私が寝ているとリネアが部屋に入ってくる。フリッツには言えないが、リネアをキリム共和国で見つけて以来ほぼ毎晩このような状態だ。

「ユーラ…また一緒に寝てもいい?」


リネアは恐らく不安なのだろう。私も彼女をマルクやレナートを扱うようにしているが、実際に一緒にベッドにいるのは正直つらかった…。


私は彼女の頭を撫でると彼女はそのうちに寝れるらしい。逆に私は睡眠不足で毎日眠かった。



「ユーラ、リスラ共和国へ帰っちゃうの?」

「そうだね、君も少し落ち着いてきたし、一旦帰るつもりだよ。」


「…帰ってほしくない。」


…この目はマルク達がリネアに向けていた目そのもので、いつの間にか私は完全に兄的ポジションを獲得してしまったらしい。


「リネアも来てみる?リスラ共和国へ行って君のもう1つの家族に会ってみる?」

「…どうしよう?父上と母上はなんて言うかな?」


「君はどうしたい?」


「…分からない。以前の僕ならどこへでも行ったかもしれないけど、今は何故か別の場所へ移動するのが少し怖い気がして…。」


「無理にとは言わないよ。君がしたいようにしたらいい。」


「でもユーラは行っちゃうんだよね?」


「うん、でも何かあったらすぐ連絡をしてくれたら私はまた帰ってくるから。」


「本当に?」


「本当に。約束するよ。」


私はリネアを抱き締めた。



私は帰国前にリネアの両親に挨拶をした。

「この度は大変ご心配をおかけして本当に申し訳ありませんでした。」


「ミハイル様…、頭をあげてください。リネアが、シアナ共和国に残りたいと望んだから起こった事だったんです。寧ろ大統領が大変な時にうちの子がご迷惑をおかけしてしまい、すみませんでした。」


「彼女はまだ貴女方の側にしばらくいてゆっくりしているのがいいと思っています。留学してから彼女は普通の人の何倍も努力して色々な事をしてきました。ですから今は少し休みも必要かと。」


「そうですね。まあそのうち本人が勝手に動き出す気がしますので、その時はまた面倒をおかけしますがよろしくお願いします。」

「こちらこそ。」




私はリネアが落ち着くまで、とりあえず国へ戻り父上の仕事を手伝いながらスクールへ行くことにした。

毎日リネアと話をしたかったので衛星を使った電話ができるよう彼女の実家にシステムを置かせてもらった。

私は彼女が寝る前に、今日あったことやスクールの勉強などたわいもない話をした。

ヴィルフリートと一緒にいた話が多いのが気になったが、アリーナからは特に連絡がなかったから気にしないことにした。




◇◇◇



ユーラがリスラ共和国へ帰国してから、僕はヴィルの勧めでスクールに通いながらたまに外交文書の翻訳の仕事を受けていた。

両親の側にいれて、友人もいて、やりたい仕事もさせてもらっているはずなのに、何かが足りなくて心のどこかに穴があいたような状態だった。




そして、スモーランドへきて半年たったある日、僕は夢をみた。




小さな男の子が二人、僕の回りで遊んでいる。


僕がその子たちと遊んでいると誰かが朝食を運んで来てくれて、みんなで朝ご飯を食べる。


朝ごはんを食べたらピクニックへ行く用意をした。

好きな本も持って行く。


近くの森を散歩して、みんなでランチを食べた。


二人の男の子は森で遊び始め、僕は誰かと本を読んで、音楽を聞いた。


心地良い風、森の匂い、穏やかな時間…



…幸せな夢だった。





目を覚ますと僕は涙が止まらなかった。




忘れていた記憶が少しずつ甦ってくる。



記憶を失くす前、シアナ共和国で働いていて、帰宅途中背後から襲われ頭を強打された事。そしてきづいたらキリム共和国にいた事。ユーラが僕を見つけてくれた事。失った記憶のピースが繋がれていくのが分かった。



いつの間にか僕の隣にいて、いつも僕を心配して側にいてくれた人。僕が困難な状況になったら手を差しのべてくれて、何かあれば僕を助けに来てくれる人。僕自信、彼が困った時は側にいて支えたいと思える人…。


策士だし、卑怯だし、悪いこともしてきたのに、それでも嫌いになんかなれなかった。僕は…。



僕は…




ユーラから電話がかかってきた。

「ユーラ、お早う。珍しいね、朝から電話なんて…。」


「うん、今の君にこんな事を話しても仕方ないってわかっているけど聞いてくれる?」

「うん?」





「私は…君以外の人と婚約するかもしれない。」






「え…?」



「何故か近隣の皇女に気に入られてね、国の発展の為にその女性と婚約しなくてはいけない可能性がでてきたんだ。こんな話し…君には興味のない事なんだけどね、私は君が好きだからどうしても聞いてほしくて…。」



「嫌だ…。」



「うん、ごめん。嫌だよね、こんな話し。」



「違う!他の人となんか婚約しないで。」

「リネア…?」



「私…思い出したんだよ。忘れていた記憶を。」

「え…?」





「好きだよ、ユーラ…。」







「…。頭が混乱してる。ちょっと待って。いつ記憶が戻ったの?」


「ついさっき。ユーラとマルクとレナートといた夢をみたんだ。そしたら、一気に記憶が戻ってきた…。それでね、私、分かったんだよ。自分の気持ちが。ユーラが好きだって。」


「…嬉しすぎて泣きそうなんだけど。」



「私も。今婚約の話しがショックで涙がでてる。ユーラに会いたい。」



「迎えに行こうか?」

「うん。その婚約を推しているのはニコちゃん?」


「…まあね。」

「じゃあ会って交渉するしかないよね?」


「そうだね。リネア…。」


「うん?」





「愛してるよ。」



「…私も。兄としても、友人としても、全部好きなんだ。」





「今キスしたい。」


「じゃあ…早く来て?」


「…ヤバい。」


「何が?」


「君が可愛すぎて…。倒れそう。」



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