キリム共和国にて
気づいたら僕は、見たこともない部屋にいた。
頭を強く打ったのか頭には包帯が巻かれている。
なぜここにいて、僕はこのように布団の上にいるのかまったく理解ができなかった。
「あの…。ここは?」
「・・・・・・・・・・・!!」
「えっ?」
「・・・・・・・・・・・!」
僕に必死で話しかけてくれる人がいるが、残念ながら何をいっているのかほどんど理解できない。所どころの単語に聞き覚えがあるような気がするが、なぜ僕がこの単語が分かるのかも不思議だ。
「リスラ語は話せるか?」
「あ!はいっ!話せます!」
なぜ僕はこの言葉がわかるのだろう?とりあえず言葉が通じて安心した。
「君の名前は?」
「オスカルです。」
「オスカル…。女の子なのに男の子っぽい名前だね。」
「?僕は男ですよ?」
「…どうやら頭を打ったせいで記憶が混乱しているみたいだね。」
「え?僕ははっきりとちゃんと記憶がありますよ?」
「じゃあ質問だ。君はどこから来たの?」
「スモーランド王国です。」
「学生?」
「いえ、学生になる前でした。」
「…見た目15、16に見えるけど?」
「いえ、僕は11歳です。」
「…オスカル、君はね、3日前この村を下山した道端に縄で縛られて捨てられていたんだよ。僕の側使がたままたそこを通って僕に連絡をしてくれたからよかったものの、あのままだったらもう生きていなかったかもしれない。この辺りは治安もいいとはいえないからね。」
「…なんで僕はスモーランドからこんなところへ来てしまったんでしょう?まったく訳が分かりません。」
「何かの理由でこちらに来ていて、誘拐されたか事件に巻き込まれた可能性があるね。とりあえず、怪我もしているし、こちらで治るまでゆっくりしていくといい。」
「あの…あなたは?」
「僕はレフ。この村の村長の息子だ。」
「レフさん、助けてくださりありがとうございます。」
「君は良い家柄の出身のようだね。」
「父は外交官をしています。」
「そう、とりあえず捜索の依頼をした方がいいとは思うんだけど、この村は車もなく、基本馬か牛で移動するし、普段農耕や生活に使っていて気軽に村の外にだせないんだ。使わない人がいたら借りるようお願いしてみるけど、しばらくかかるかもしれない。」
「手紙はどうですか?」
「…その手紙を届けてくれるのが牛や馬、そして誰か雇わなくてはいけないからね。」
「…不便じゃないんですか?」
「そうでもないよ。別に世界中の情報や経済と縁を切って生きて行く事は可能だからね。」
「…確かに。」
この部屋の様子からすると、豪華とは程遠いけど清潔で壊れた雰囲気もなく村長さんの家の客間なのかもしれない。
「あの…ここはどこですか?」
「リスラ共和国とシアナ共和国に節するキリム共和国だよ。」
「…そんなところまで来てしまったんですか。」
「リスラ語はどこで勉強したの?」
「分かりません。」
「シアナ語は話せる?僕がさっき少し話をしていたんだけど。」
「…単語は少し分かりましたがほとんど聞き取れませんでした。」
「他に話せる言葉は?」
「エンゲル語とフレーデル語、ランク語、ロマーナ語はできると思います。」
「たいしたもんだ!」
「この国はキリム語ですか?」
「そう。この村では父と姉と僕以外は外国語を話せる人がいないから何かあったら僕を呼ぶといい。」
「レフ…あら、起きたの?」
部屋に物凄く綺麗な女性が入ってきた。
「ローラ、彼女はどうやら記憶を一部失くしているかもしれない。自分を男で11歳だと思っているようだ。」
二人はキリム語で話していたから僕は何を言っているか分からなかったが、この綺麗な人も僕を心配してくれていたようだ。
「鏡を見せてみたら?」
「…そうだね。」
レフさんは別の部屋から鏡を持ってきて僕に渡した。
僕が鏡をのぞくと
何故かそこにはリネアを少し大人にした顔の女性がいた。
「な…何故?」
「どうした?」
「いや…あまりにも双子の妹とそっくりな顔をしているので…。」
自分の体も小さいながらに胸が膨らんでいて、下半身にはついているはずのものがついていなかった。
どうして…?!
僕に一体何が起こったんだ?!




