リネアと私 2
朝マルクとレナートとリネアが用意をした朝食を四人で食べるのが日課になった。
こども達はいつの間にか私たちに懐いてくれたらしい。特にレナートはくつろいでいるとリネアの手を繋いだり抱き締めたりしている。セルゲイにそっくりだ。
二人ともまともに母親といた事がないからそれも仕方ないのかもしれない。
リネアはスクールに通いながら二人の面倒をよくみてくれる。元男だったから男の好きな遊びもよく知っているし、それでいて女性らしい気遣いもできるから二人が懐くのも無理はない。
スクールでたまに彼女を見かけるが、男子学生と一緒にいる事が多い。リネアは出会った時より外見はずっと女性らしくなった。
美人というよりは可愛い部類で明るい性格なのでもてるだろう。
本人は好意を向けられてもまったく気づかないだろうが。
私がスクールに行くと決まってナターシャがべったりくっついてきた。授業も私に合わせてくるので正直面倒くさい。
ただ彼女とは今後も家柄的に敵に回したくないので程々に付き合っていかざるをえないと思っている。
たまにリネアがこちらに気づいているようだが、反応をみるため気づかないふりをしている。
私が他の女性といてもあまり気にしていないようだから正直面白くない。
彼女は私の事を好きになりかけていると言っていたのに…。
彼女は正義感や義理堅さから今回ここに残ると言ってくれた。父に何かあれば婚約するともまで…。
彼女の優しさを利用してはいけないと思いつつ一緒にいる時間が長くなりすぎて彼女を手放せる気がしなくなってきた。
仕事を手伝ってくれたり私が何か相談すると建設的な意見もくれる。公私ともにいてくれて本当に助かっているのが現状だ。
もしリネアが私の事を好きになってくれて恋人にできたら…。私なら絶対に離れたりはしないだろう。フリッツはよほどリネアを信用しているのか自分に自信があるのか、それともリネアの意思を尊重しているのか、物凄く寛容だと思う。
リネアがメルア大陸へ行きたいと思っている事は知ってる。私は
フリッツには悪いが父の回復の見込みが立ったらリネアが私といる事を選択するように動くつもりだ。もうこれ以上は待つつもりはない。
週末の朝、今日は私が朝食担当でブリヌイというパンケーキを作った。リネアと暮らす前は料理なんてしたこともなかったが、リネアの影響でいつの間にかすっかりはまってしまった。
朝起きてきてパジャマ姿の彼女が私を手伝う。
まだ眠そうで、うとうとしながら私の背中にもたれた。
彼女はこういう事を平気でするからたちが悪い。
可愛すぎてキスしたくなるのをいつも我慢している。
「今日は休めそうなの?」
「うん。昨日の夜だいたい終わらせたから。リネアは?」
「うん、私も昨日の夜課題をやっておいた。」
「じゃあ、マルクとレナートを連れてピクニックでも行く?」
「行こう!」
彼女は高い服も装飾品にも関心がなくて、休みの日は自然のある場所や美術館、博物館に行くのが好きだ。
今日はランチにサンドイッチとサラダを用意していく事になった。
四人で近所の森を散策した。子どもの頃家にいたくない時に一人でよくこの森に行ったことを思い出す。私が昔作った秘密基地が少し壊れているものの当時のまま残っていた。マルクとレナートはそこで遊び始め、私とリネアは好きな本を読んだり、みんなでカードゲームをしてこの日はのんびり過ごした。
こんな日がずっと続けばいいのに。
…心からそう思った。




