夜のカフェにて
僕はマルクとレナートが寝た後イーチェンとセルとカフェに出かけた。二人はいつの間にかすっかり仲良くなったようだ。
「で、お前は明日リスラ共和国へ?」
「うん…。とりあえずスクールの手続きもしちゃったし。」
「リネア、本当に君はこれでいいの?二人の子どものシッターなんて君のやりたい事じゃないよね?」
「二人といるのは嫌じゃないよ?可愛いし。」
「それにミハイルのサポートなんて実際いらないんじゃないか?飯もつくってもらったり宿題を見てもらったり、むしろお前がサポートしてもらってるだけだろ?」
「…確かに。だってユーラ母上みたいなんだもん。」
「…リネア、私たちはこちらであと数店舗作ったらメルア大陸に行こうって話してる。」
「イーチェンと、セルが?」
「うん、あとデイヴィッドさんも。」
「私もメルア大陸のバレエ団に今コンタクトをとり始めたんだ。やっぱりみんなでいたいし、それに店以外もイーチェンたちと色々やってみたくなって。」
「シアナ共和国へも行こうって話してるし、他にも色々な国と貿易してみたいって話してる。だからお前も早く戻ってこい。お前このままとズルズルとミハイルに取り込まれて婚約者コースまっしぐらだぞ?」
「そうだよ。なんだかんだ言ったって父上は兄上と君が婚約するのを望んでいるしね。」
「…そうだね。なんかそうなりそうなルートに入って来たよね…。」
「まだ間に合うだろ?」
「そうだよ、本当は今ここに残るのが一番だけど…。」
「でも、やっぱり私はニコちゃんの復帰の目処がつく迄はユーラの側にいようと思う。」
「…それがリネアの望んでいる事?…リネアは兄上といたいの?」
「分からないけど今一番大変な人を一人にはできないよ。だって国を変える事も父親の仕事をいきなり一人で引き受けるのも凄く大変な事じゃない?しかもユーラがやりたくてやっているっていうんじゃなくて、責任感でしょ?私だって一応きょうだいになったんだし…。」
「…それはそうだけど…。」
「私だってこっちにいてお店をやったりみんなとあちこち行きたいよ。だけど、今はできない。やっぱり最低半年は無理だよ。」
「分かった。リネアの言う事も間違ってない。ていうか本来セルがいくべきだろ?お前の弟なんだし。」
「そうなんだけど私がセルに残るように言ったんだ。」
「お前は本当にお人好しだなぁ。」
次の日僕は朝イーチェンと新しい店舗の状況を確認してからチャーリーズ1号店へ行ったけど朝はさすがにすいていた。
「ねえ、朝のメニューとかって出してみたらどうかな?」
「俺の国だと粥をたべたりするが、この店では何をだすんだ?」
「うーん…。悩むね。やっぱりトーストかな。例えばさ、コーヒーや紅茶を頼んでくれた人に無料でトーストとジャムをつけてあげるってどう?差別化にならない?」
「無料で?」
「そう。朝だけね。」
「利益でるか?」
「店をただ開けておくよりいいんじゃないかな?安くパンが手に入らないかな?」
「…セルとも相談してみる。相変わらず突拍子もない事を言い出すな。」
「うん、無理そうなら仕方ないから別の事を考えよう。」
「そうだな。とりあえずなんでもやってみないとな。早く帰ってきてくれよな?やっぱりお前と一緒にいると楽しいし。」
「うん、早く一緒にビジネスしたいよね。私もシアナ共和国にいってみたいし。」
「…ミハイルはいいな。お前と一緒にいられて。」
「イーチェンも私の宿題みてくれたりご飯や掃除してくれる?」
「…ご飯以外はパスだ。お前の部屋とか汚そうだし。」
「ひどいっ!汚くないし。」
「…とにかく、待ってるから。」
イーチェンはそう言って僕の頬にキスをした。
「…イーチェン…。」
「…。早く帰って来いよ。」
イーチェンは僕にたくさんのバォズをお土産に持たせてくれた。




