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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
204/350

ユーラと僕 3

スクールは今期最後のテスト週間に入った。これをパスしないと本当に留年になってしまうからそうならないよう苦手な教科を中心に勉強する事にした。

ユーラに教えてもらいたかったけど何となくあのキスをされた日からなるべく食事もイーチェンを呼んだり彼の帰宅後は部屋に戻るようにしている。


今日はスクールの授業後図書室でイーチェンと勉強する事にした。

「イーチェン…この問題解けた?」

「…俺は数学は苦手なんだ。」

「駄目だ。苦手な人同士じゃ進まない…。」


「食事の後ミハイルに聞けばいいだろう?」

「うーん…。いつも頼りすぎているからたまには頼らずやってみたくて…。」


「そんな事言ってる場合か?出席日数もギリギリでテストまで悪かったら完全にアウトだろ?」

「…確かに…。」

「あ、今週はそっちの家にいけないからご飯も別々で。」

「…分かった。」


セルがいたらなぁ…。夜中に寝てるの起こす訳にもいかないし。

…困った…。



僕が帰宅するとユーラがキッチンで夕食を作っていた。僕の好きなビーフストロガノフ…。リスラ共和国の料理だ。

「ただいま。」

「おかえり。イーチェンは?」

「…今週はこれないって。」

「そう。」



ユーラの料理の腕がどんどんあがっていって、いつの間にかレパートリーも僕より多いくらいになった。

悔しいけど美味しい。


「…美味しい。」

「よかった…。リネア。」

「…ん。」

「私を避けてる?」


「…うん。」

「ごめん、嫌だったよね。」


そうじゃなくて!…そうじゃなかったから…。

僕は…どうしていいか分からないんだ…。



「…。もうしない?」

「…努力する。だけど…。」

「だけど…?」


ユーラの顔が赤い。

「…やっぱり君が好きだからかな?何ていうか…。あんなにキスが良かったの初めてで…。ごめん、止められなかった。」


何このセリフ?!。破壊力ありすぎだよ…。思わずつられて僕も赤くなった。


「…。駄目だよ。私はフリッツがいるんだから。」

「…いなかったら?」

「…いるの!」


「…。君ならどうする?」

「え?」


「君が私の立場なら我慢できる?」

「…どうするだろ?」

「フリッツに好きな女性ができて、でもいつも側にいるのは君だとしたら…。」

「…ぴんとこないな。」


「言い方を変えよう。君の一番好きなスイーツが目の前にいつもあって、だけどそれは別の人のものなんだ。ちょっと内緒で食べてみたいな、とは思わない?」

「…っ。」

何て分かりやすい例えなんだ。めちゃくちゃ理解できる。


「毎日、半年以上そのスイーツの前を行ったり来たりしているわけ。分かる?」

拷問に近いな…。


「で、我慢できなくてちょっと食べたら凄く美味しかったんだ。もっと食べてみたいなって思わない?」

「…降参だよ、ユーラ…。君は間違ってない。」

「だろ?」


「…スイーツを別の場所に移動させる?」

「…メルア大陸に一人でいくと?」

「…そう。」


「君はどうして欲しい?」

「…私はユーラに来て欲しいけど、ユーラと関係を深める訳にはいかないし、それでユーラが辛い思いをするなら離れるよ。」

「…簡単に離れるとか言う…。私は君にとってそれだけの存在なのか?」


ユーラがめちゃくちゃ悲しそうな顔をしてしまった。

どうしたらいいんだ?


「あのさ…。」

「リネアの馬鹿。もうご飯もつくらないし勉強も教えてあげない。」

「うわっ。何そのモード…。」


「君は私に何を言っても私が傷つかないと思ってる?私だって言われて嫌な事はあるし傷ついたりもするよ…?」

ユーラが本気で言ってるのが伝わる…。


僕はユーラの頭をよしよししてみた。

「…。そんなふうには思ってない。ユーラが本心で話してくれたから私も本音を言うね?」

「…。聞きたくない。」

ユーラが顔を反らした。

「聞いて。」


「私はフリッツが好きで彼との将来を望んでる。だからユーラがこれ以上関係を進展させるつもりならユーラといるのは難しいと思う。」

「…聞きたくないって言ってる!」

僕はユーラの口を指でふさいだ。


「ユーラ、私はユーラのこと兄とか友達じゃなくて異性として好きになりかけてる…。キスも嫌だなんて思ってない。だから避けてた。このままだと本当に好きになりそうでこわい。」

「リネア…?」



「だから、ユーラが選んで。スイーツを捨てるか、今までどおり見て見ぬ振りをするか。」


「…。」

ユーラが目を丸くして僕を見てる。


「…君はズルい。」

「そうだね。私はズルいね。」


「なんで私じゃ駄目なの?」

「…私にはフリッツが合ってるから。」


「…この状況をフリッツが見たら何て言うと思う?」

「浮気の手前だし、怒るし悲しむと思う。だけど私はユーラに嘘はつきたくない。だいたいさ…ユーラが悪いんだよ。私なんかを好きになるから。」


「…そこを批判されるの?」

「ユーラが悪い。」

ユーラが僕の頬をつねる。


「…いいだろう。君の気持ちは分かった。…私の答えは君と夏にリスラ共和国へ行ってから決める。まずは目の前のテストを終わらせる事に集中しよう。君は数学のテストがやばいんじゃない?」

「教えてくれるの?」


「…とりあえず今は保護者として君を留年させないようにしないと父にも怒られそうだ。」

「…ありがとう。」



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