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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
155/350

プロジェクト始動 3

店のシェフが決まり、必要な機材も調達された。店のインテリアも決まって内装業者に入ってもらい、椅子やテーブルも注文した。


メニューの相談はシェフのロンさんをを交えてみんなでした。

ロンさんはエンゲル王国をはじめランク王国などの一流のシアナ料理の店で働いたことのある経歴の持ち主だった。


「私はヌードルも入れたいと思うんだけど…。」

「ヌードルを入れると他の工程に支障がでない?」

「確かにそうですね。」

「冷凍したものを温めるのはどうだろう…?」

「俺はそれよりもメニューを減らしてコストを削減する方がいいと思うが…」



スクールの放課後や休みの日は、試食、スタッフの手配、宣伝広告の作成、いろいろな準備でもの凄く忙しかった。

準備の合間にシャーロット様と料理やお菓子をつくったりした。


こんなに充実した日々は初めてだった。自分の目標を定めてそれに向かって仲間と奮闘する、こんなに楽しいことがあるなんて知らなかった。



スクールのランチタイムに毎月恒例のフィッシュアンドチップス早食い競争が行われていた。僕もイーチェンも最近試食で過食気味だったから今月はパスだとイーチェンが言った。

シャーロット様のお陰で最近はイーチェンの評価も変わってきた。前のように噂をする人も減ってきたし、むしろ財閥の御曹司であることや、エキゾチックな容姿に興味を持つ令嬢もでてきた。


「…ねえ、イーチェン。」

「なんだ?」

「最近数人の令嬢から告白されたって聞いたんだけど…。」

「あぁ、まあ…。」

「どうしたの?」

「どうしたって、断ったぞ。俺は知らない奴と付き合いたいとも思わないし今は忙しくてそれどころじゃないだろう?」

「確かにそうだね…。」


「リネアは誰かに声をかけられたりしないのか?」

「ないなぁ。まぁ別にかけてくれなくていいしね。…ところでさ。あれ、やってみない?」


僕の視線の先にあるのはカフェテリアの早食いイベントの人だかりだ。

「あれって…」

「早食い、もしくは大食いのイベント。」

「それがどうした?」


「オープンの日のイベントにやってみない?」


「あれをか…?」

「うん」


「面白そうだな!」

イーチェンがニヤリと笑った。






◇◇◇


「リネア」

「何?」

「来月は君の誕生日だろう?」


そういえばもう4月か…早いなぁ。忘れていた。

「プレゼントは何がいい?」

「いいよ、そんな事気にしないで。」

ユーラに何かもらうなんて気がひける。


「私が渡したいんだ。」

「んー、もういろいろしてもらってるし…」

「行きたい所とか?」

「あ、じゃあ南の街に電車で行ってみたい!」

「わかった。店が少し落ち着いたら行こうか。」

「うん!」



「そういえばヴィルももうすぐ誕生日だな…。何か送った方がいいのかな?」

「そうだね、まあ彼からも何かしら贈られてくるだろうしね。毎年何かもらったりしていないの?」

「可愛い小物とか、本とか、希望のものをお互い送りあってたよ。ユーラは誕生日いつなの?」

「私は3月だよ。」

「え?いつ?」


「…明後日」

「えっ!?何で早く言わないの?」

「別に今まで特に何かしてきた訳でもないし…。気にしなくていいよ。」

「…そうなんだ。」

「うん」







「兄上の誕生日会?」

「うん、明後日。サプライズでイーチェンと四人でやらない?」

「兄上だけずるい、私は祝ってもらってないのに…」

「え?いつだったの?」

「先週」


「何で言わなかったわけ?」

「バタバタしていたし、そういうの祝うっていう感覚もなかったし…。」

「じゃあセルの誕生日祝いは私がまた別にやるよ。」

「本当に?」

「うん、欲しいものある?」

「うーん…。あ、リネアとお揃いの物とか。」

「じゃあ、ユーラのプレゼントを選びに今から街へ行ってみようか?実はヴィルのプレゼントも選びたくて。」

「…何それ。いやだなー。」


「まぁそう言わないでつきあってよ、ね?」





3月に入り日照時間が長くなった。

天気は曇りやいきなり小雨が降ることもあるけどスモーランドの冬の暗さに比べたらこちらの冬は全然過ごしやすかった。


「何にしようかな…。」

ヴィルは僕が選ぶどんな物も喜んでくれたし大切に飾ってくれた。毎年この日はいつも一緒にお祝いしてくれたなぁ。

エンゲル王国の王室御用達のティーセットが目に入る。シャーロット様のお茶会で使われていたのに似ていた。


「これとか素敵だな。」

「…少し高くない?」

「うん…。でも気に入ってくれる気がする。」

「君にとってヴィルフリートはやっぱり特別なんだね…。」

「そうだね、幼なじみで、私とずっと一緒にいた人だからね…。」

「…嫌だな。」

僕はお店の人に国際便で送ってもらうことにした。誕生日には間に合いそうだ。こちらの美味しい紅茶とクッキーも添えてもらうことにした。



「さっ。次はセルのプレゼントを選ぼう。」


セルは時計のお店に入ると、何か気になるものを見つけたらしい。ゴールドの丸いフレームにシンプルな文字盤、ベルトはネイビー色で皮でできたものだった。

「これ…。高い?私がリネアのは買うから。」

「いいよ。シンプルで使いやすそう、これにする?」

「うん。」


僕たちはそれぞれの時計をラッピングをしてもらった。


「あとはユーラか…。」

何でも持っていそうだし下手なものをあげても喜ばれなさそうだな…。


「何か欲しいものとか知らない?」

「うーん…。兄上が欲しいものは凄く高そうだし、気に入ったものしか置かないからなぁ。」

「無難に花とかにしようか。お菓子とお茶とか。」

「そうだね、そうしよう。」

「ケーキとご飯は私がつくるから、時間まで外に連れ出してくれない?」

「いいよ。」




次の日スクールでイーチェンに来てもらえるか聞くとプレゼントを持って来てくれると喜んで返事をしてくれた。

その日はシャーロット様とお茶をする約束をしていたのでユーラの誕生日の話題がでると、なんと彼女も参加したいと言い出した。


「もちろん歓迎しますけど、サプライズなのでこっそりこれますか?大勢の護衛とか無理ですよ。」

「分かった。リネアの帰宅に合わせ私も一緒にいって手伝おう。」

「シャーロット様…邪魔しないでくださいよ。この前も小麦粉ひっくり返していましたよね?」

「…風船を膨らましたり、テーブルセッティングくらいはできるぞ?」

「分かりました。じゃあ明日、楽しみにしていますよ!」

「あぁ、ワクワクしてきた!」



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