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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
156/350

ユーラの誕生日会

誕生日のメニューはスモーランドのスモーガストルタとちょっとしたオードブル、デザートにフルーツを用意することにした。基本的な仕込みは前日に終わらせたので今日はデコレーションをしたらおしまいだ。


シャーロット様はせっせと風船を膨らましてくれる。彼女にとっても他のメンバーにとってもこんな普通の誕生日会は初めてだろう。うちは父も母も大きなパーティーが好きじゃなかったから、たいてい自分たちで手作りのお祝いをしていた。母のスモーガストルタが恋しくなる。

小エビをいっぱいのせるのがポイントだ。


「リネア」

「はい」

「ありがとう…。」

「何ですか?」


「こんなふうに友人の家にいって何かをするなんて生まれて初めてなんだ。」

「私も久しぶりの誕生日パーティーでワクワクしてるんです。今セルが外に連れ出しているんですが、そろそろ来る頃かもしれません。」

ドアのベルが鳴る。イーチェンが来たようだ。



「えっ?!皇女様?」

「本日は宜しく頼むぞ、リー。」

「…えっ?!リネア?!俺、今めちゃくちゃ動揺してるんだが…。」


「シャーロット様は私とユーラの友人で、今日誕生日だって知って来てくれたんだ。」

「…そうか。えっと…イーチェンです。宜しくお願いします。」

「あぁ、宜しく。」


イーチェンはつまみになるような食べ物をシェフのロンさんに頼んで作ってもらってきたらしい。ロンさんのつまみ…凄くいい匂いがする。

「お腹減った。少し食べてみない?」

「お前なぁ、今日はミハイルの誕生日なんだろう?我慢しろ。」

「だってー、出来立ての方が美味しいに決まってるよ。」

「そうだな、少し食べてみたいな。」

「えっ?!皇女様まで…?」


「シャーロットだ、私もイーチェンと呼ばせてもらうぞ。」

「それはいいけど…。」


僕たちはロンさんのチャオズを食べる。もちもちの皮を噛むと肉とスープがじゅわっと口に広がった。

「何これ、やばい…!」

「うん、美味しいな。」

僕たちがもうひとつ食べようとするとイーチェンに取り上げられた。


「もうだめだ!」

「けちー!いいじゃん、ユーラは知らないし、こっそり食べちゃえば…。」



「誰が知らないって?」

ドアの前にユーラとセルが立っていた。


「ユーラ…。早くない?」

「ごめんね、がんばって引き留めようとしたんだけどこの二人では全く会話が続かなくて…。」

まぁそりゃそうだ。セルにしたらよく頑張ったよね。


「リネア…これは?」

飾り付けられた客間。センスよく飾られたテーブルに料理が並んだ。僕はみんなにクラッカーを渡す。


「誕生日おめでとう、ユーラ!」

クラッカーをみんなで同時に鳴らす。

ユーラが戸惑っているのが分かる。


「え…と?」

「誕生日パーティーだよ。17歳おめでとう!」

僕は花束を渡した。

「…ありがとう…。」

「兄上、おめでとうございます。私からはこれ。」

お茶とお菓子のセットだ。

「ありがとう…。」


「ミハイル、君が何がいいかさっぱり分からなかったからとりあえず選んでみたんだが…。」

シャーロット様からのプレゼントは高そうな万年筆だった。うわー、格好いい。

「ありがとうございます。」


「俺からは、これ。」

イーチェンからはカケジクというものが贈られた。

「これは…。」

白と黒の独特なタッチで描かれた絵画。平面的なのに深い世界観を感じる。

「イーチェン、こんな物をいただいてしまっていいのか?」

「ああ、いつも美術館を案内してもらっているお礼もこめて。」

「信じられない…。」

ユーラが驚くんだから相当貴重なものなんだろう。怖くて金額を聞けなかった。



「…みんな、本当にありがとう。何て言っていいか…。」

ユーラの顔が真っ赤だ。


「さっ!みんな座って。食事を始めるよ!」



僕のスモーガストルタも好評だったけどロンさんの料理が本当に美味しくて、一瞬でなくなってしまった。

「ロンさんすごい、今度習いに行きたい…。」

「そりゃ俺の一押し料理人だからな。」

「リネアの作った料理もおいしいよ、ね、兄上。」

「うん。見た目もいいね。」

「リネア、今度これの作り方を教えてくれ。」

「もちろんです。」



食事を終えた僕たちはカードゲームを始めた。このメンバーは強敵ぞろいでどのゲームをやってもなかなか勝てない。

次の日になるまでゲームは続きシャーロット様は夜中に帰宅してイーチェンは泊まっていった。


セルとイーチェンはセルの部屋で寝ることになって二人で上にいった。僕が客間の片付けをしているとユーラが手伝ってくれた。


「今日は…ありがとう、リネア。楽しかった。」

「うん、楽しかったね、次は私の番だってシャーロット様が言っていたよ。」

「私は…君に何を返してあげられるのかな。」

「何も返してくれなくていいんだよ、友達なんだから。」


ユーラが僕を抱き締める。

「君は…。なんて言ったらいいかわからない。君が私たちにしてくれた事が大きすぎて私がどう返したらいいのか…。」

「だから何もいらないから。よかったね、お父さんとも話ができて。」

「ありがとう、本当に感謝しているよ…。」

「大袈裟だなぁ…。」


僕もユーラを抱き締める。

今日はみんなが楽しそうで幸せそうで本当によかった。

こんな日が続くといいな…。



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