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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
138/350

初めての借金

シアナの料理をシャーロット様と食べに行く日が決まったので、僕はイーチェンのクラスに行った。


クラスにいるイーチェンは数人のシアナ人と思われる人達と一緒にいた。僕の知っている彼と雰囲気が違う。

なんだか…少し近寄り難い感じがする。


イーチェンが僕に気づいて廊下に出てきてくれた。

「あ、いつものイーチェンだ。」

「いつもの?」

「いや…なんかさっき雰囲気違ったから。」

「そうか?…どうした?何か用か?」

「あ、うん。」

「じゃあランチでも一緒に行くか?」

「うん」



僕たちはランチボックスを買って中庭で食べる事にした。

「あのレストランを予約したい?」

「うん、どうしてもまた行ってみたくて。私の友人と行くんだ。予約してもらうことできる?もしくは私が予約できるのかな?」


「しておいてやるよ。何人だ?」

「4人。日時は来週の火曜日、時間は19時。」

「分かった。すぐに連絡してみる。だが…。」

「ん?」

「…結構高いぞ。四人で食べたらこの国の一人の平均月収くらいかかる。学生が気軽に行く場所じゃないが大丈夫か?なんなら俺が立て替えておいてもいいが…。」

「…えっ?!そんなに高いお店でご馳走してくれたの!?」

「まぁ、お前の事を気に入ったしそれはいいんだが…。」

「お小遣いたまったら少しずつ返すから…待っててくれる?うわー、今回もどうしよ。行くって約束しちゃったしなー。ユーラに借りようかなー。」


「ユーラ?」

「うん、私の友人。ミハイルと行くんだ。」

「リスラ共和国の大統領の息子か?」

「良く知ってるね。」

「お前の事も知ってるぞ。スモーランドの公爵令嬢。」

「当たり!」


「あんな早食いに出てたけどお嬢さんだったんだな、お前。」

「イーチェンこそ、何者なの?高級なレストランの料金をさらっと払ってくれるなんて…。」

「親がシアナでビジネスをしてて少し成功させたってだけだ。息子は親の金を使ってあちこちで遊んでいるろくでなしだ。」

「自分で言っちゃう…?」

「本当の事だ。」


面白い人だな。…だけど、どうして僕たちの事を調べたりしたんだろう…?

「ロマノ家の息子と行くなら金の心配はいらないな。あいつは相当持ってるはずだから。」

「確かにユーラは持ってそうだね。…私だけなんとかしなくちゃなぁ。」

「出してもらえばいい。お前は女なんだから。」

「そういう訳にはいかないよ。…なんとかしてみる。」

「ふうん?…じゃ、俺の払った分は払わなくていい。変わりに少し俺に付き合え。」

「どこに?」

「秘密だ。日曜日朝9時にスクール前、これるか?」

「…いいけど、イーチェンてなかなか強引だね。」

「そうか?」

「どんな服装?」

「スカートじゃない方がいいな。動きやすい服装で。」

「…分かった。」






「またあいつと出かけるの?」

「うん。ユーラ、それよりさ、お願いがあるんだ。」

「何?」


「お金…貸してください。」

「いくら?」

「…分からないけど、イーチェンの連れてってくれたレストラン、めちゃくちゃ高かったらしい。私が普通に払える金額じゃなくて、シャーロット様を誘っちゃった手前、私が負担すべきだと思うんだけど…。4人でこの国の平均月収くらいだって聞いたんだよ。」

「…なるほど?」

「貸してくれる…?」


「私に借金をすると、どうなるか分かる?」

ユーラが黒い笑みを見せる。

「…悪徳金融業者並みの利子をとるとか…?」

「話が早い。」

「ユーラ…私たち友達だよね?」

「そうだね?でもお金のやりとりは慎重にすべきだよ。お金は借りた瞬間から人間関係を変える危険があるからね。いやなら借りないのが一番だ。君は父親に頼めば貸してくれるはずだよ。私に借りるリスクを考えればね。」


「…」

どうしよう。ユーラの言っていることは正しい。僕が父に頼めば済む話だ。


「君が日曜日出かけるのもその食事代をチャラにするという条件がついていたんじゃないの?」

「よく分かるね。」

「…そういう事を言う人間には気を付けるべきだよ。次にどこへ行くか分からずまた奢られたら、ずっとその繰り返しになる。もっとも、奢られて当然というスタンスなら問題ないだろうけど君はそうじゃないだろう?」


「…行くのが不安になってきたよ。」

「リネア…その男には気をつけて。私が言うんだ。」

「…分かった。危ない人が言ってるんだから間違いないよね。」

「…。で、お金はどうするの?」

「…ユーラの利子っていくら?」


「…返済が終わるまで1日一回、君からハグをするってどう?」

「そんなんでいいの?」

「場所とタイミングは私が決めるからね。」

「…分かった。」


ハグくらいならいいよね?浮気に入らないよね?

「ありがとう、ユーラ…。助かるよ。」

「どういたしまして。…はい、じゃあ今日の分。合図は…私が手を君の前で握ったら。」

ユーラの手がパーの形からグーの形に変わる。

なんなんだ一体…。


「はい。」

僕はユーラにハグをする。

「…いい?」

「もう少し。」



ユーラが楽しそうだ。



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