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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
139/350

初めての遊園地

「リネア…俺…もう…。」

「駄目…まだこれからだよ?もっと楽しもうよ。」


「悪い…限界だ…。あっ…出るっ…。」



イーチェンがトイレに向かって走って行ってしまった。

彼が前からずっと来てみたかったという郊外の遊園地。乗り物を10個乗ったところで吐き気の限界が来たらしい。


スモーランドやフレーデル王国にはこういうエネルギーを大量に使う遊園地は廃止されてなくなってしまったから前からずっと興味があった。

僕は全部制覇するまで乗りたかったんだけどなぁ…。



トイレから戻ってきたイーチェンに僕は水を渡した。

「大丈夫?」

「…まだ気持ち悪い。やっぱり5つ目くらいで止めておけばよかった。」

「あのコーヒーカップみたいのに乗ったあたりからあやしかったよね。」

「ああ…船のも駄目だ。行ったり来たりする奴…」


イーチェンはベンチに寝転んだ。

「私の膝に頭乗せてもいいよ?頭いたくない?」

「…悪い…。なんか…恥ずかしいな。連れてきて…こんなみっともない真似。」

「三半規管が弱いだけで恥ずかしがる必要ないよ。私も船は苦手だし、気にしないで。…私の方こそはしゃいじゃって、無理させてごめん。」


イーチェンが僕の膝に頭を乗せて僕を見た。

「…俺さ、昔からなかなか友達が出来なくて…、留学したら友達作ろうって思ってたんだ。」

「うん」

「だけどさ、やっぱり上手くいかなくて…。なんかお前といたら楽しくて強引に誘っちゃったんだ。ごめんな…。」


「遊園地ずっと来てみたかったし、誘ってくれてうれしかったよ。…あのクラスに一緒にいた人たちは友達じゃないの?」

「違う。あれは…友達じゃない。なあリネア、お前ロマノ家の人間と友人ていったよな?あいつらがどういう奴らか分かってるのか?」


「どういうって…?」

「奴らは裏社会と繋がってる人間じゃないか。」

「…詳しくは知らないんだ。」

イーチェン…この人は一体なんなんだ…?


「どうしてよく知りもしない奴と友達になれるんだ?」

「でもイーチェンも私に友達になろうって言ってくれたよね?」

「言った、言ったけど…。」

「仲良くなりたいと思っただけだよ。深い意味なんてない。」


「俺ともそう思ってくれるのか?」

「もちろん、奢ってくれなくてもいい。あ、寧ろ奢ってくれない方が助かる。」

「リネア…。」


「よろしくね。」

「…よろしく。」

イーチェンは顔を真っ赤にしてそう答えた。



遊園地の帰り二人でハンバーガーのお店に入った。

「遊園地のお礼、私に払わせて。レストランの食事よりかなりお値打ちだけど、ここのハンバーガーはこの街では一番だと思う。」

「…ありがとう…。誰かに奢ってもらうなんて初めてだ。」

「お小遣い少ないからさ、しかも最近食べ歩きしてたら貯金もなくなっちゃって…。」

「変な奴だな…。あ、本当にうまい。」

「でしょ?…あ、ソースついてるよ。」

僕はイーチェンの口をふいた。


「…本当に変な奴だ。」

「さっきから失礼じゃない?何度も人を変人呼ばわりして。」

「悪いっ…。いや、変な意味じゃなかったんだ…。」





◇◇◇


「兄上、イーチェンというものの正体が分かりました。」

「…で?」

「シアナ共和国の巨大財閥の総帥の息子です。」

「リー家?」

「ええ。」


「…うちの取引先じゃないか。彼をどこかで見た気がしたんだけど、昔会っていたのかもしれないね…。」

「…大丈夫ですか?リネアは…。」

「今は何とも言えないな…。どうしてリネアは次々と面倒な人に好かれるんだろうね…。」

「…自覚はあるんですね?」

「何か言った?」

「いいえ。」


「とりあえず様子をみよう。こちらも仕事の都合上慎重に対応する必要がある相手だからね。彼を怒らせたり気に触る事はしないように。」

「わかりました。」



「兄上…一つ聞いていいですか?」

「何?」

「あの行ってきますのキスはなんですか?」

「エンゲル王国の習慣だよ、知らなかった?」

「そんな事をリネアは信じているんですか?彼女は馬鹿ですか?」


「…時々抜けてるね。だけど、彼女はここぞっていう時はちゃんと外さない。そこがヴィルフリートと違う所だね。」


「姉上から連絡は…?」

「うん、私の見込んだ通り上手くやってるみたいだよ。彼女は賢いからね、私の支持もよく理解しているし、本当にヴィルフリートを気に入っているからね。」

「いいんですか?ヴィルフリートで…。」


「彼はとても良い子だよ。義理の弟にするのは問題ない。私に似ている所もあるし世間知らずで扱いやすいからね。」

「リネアはどうなんですか?兄上にとって扱いやすいんですか?」


「全然。毎回ギリギリの所でかわされるんだ。」

「へぇ?」



「そういえは…父上から連絡は?」

「あったよ。まだもう少し時間がかかりそうだって…。」

「そうですか。助かりますね。」

「そうだね。でもあまり悠長にはしていられないよ。ちゃんとリネアと進めてる?」

「ええ、計画書ができたら報告します。」

「楽しみにしてるよ。…あ、リネアが帰ってきたみたいだ。私が下に迎えに行こう。セルゲイ、コーヒーを入れてくれる?」

「分かりました。」




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