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関ヶ原の西軍トリプルエースが全員転生者だった件〜小早川は迷わない、島津は初手全力、毛利はガチで包囲する〜  作者: 翡翠


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第17話 仙台伊達

慶長六年(1601年)冬――陸奥国・仙台城。


「……ちっ。大坂の新経営陣め、完全にワシの行動野心を読んでやがったな」


奥州の覇者、「独眼竜」こと伊達政宗は、新築されたばかりの青葉城のテラスから寒風吹きすさぶ太平洋を見つめ、忌々しそうに不敵な笑みを浮かべていた。


本来の歴史であれば、関ヶ原の戦いで東軍(徳川家康)に加担し、「百万石のお墨付き」を家康から引き出して奥州でのし上がろうとしていた政宗。


しかし、家康グループの滅亡により、その野望は一瞬で詰みとなった。


戦後、彼は「負け組(敗戦処理対象)」としてお家取り潰しを覚悟していた。


だが、大坂の本社(毛利輝元・小早川秀秋)から届いた通達は、政宗の予想を遥かに超える、あまりにもブッ飛んだ「新規事業への異動命令(人事)」だった。



「伊達殿、不貞腐れている時間はありませんよ。早く次のフェーズ(海外進出)の準備に入ってください」政宗の背後から声をかけたのは、前田利長から独占受注した最新鋭の「超大型木造帆船」の引き渡し(納品)チェックのために仙台へ出張してきた、実務担当の小早川秀秋である。


「フン、小早川の若造。いや、今は本社のチーフ・エグゼクティブか。ワシを改易にせず、わざわざこんなデカい船(サン・ファン・バウティスタ号)を前田の工場ファクトリーに造らせてまで与えた意図、そろそろハッキリ聞かせてもらおうか」


政宗が唯一の眼をギラつかせると、秀秋は爽やかなビジネススマイルで、一冊の『グローバル・マーケティング計画書』を広げた。





「簡単ですよ、伊達殿。あなたのその有り余る野心、セルフプロデュース力、そして新しいモノ好きな性格(伊達者精神)は、国内の狭い市場(シェア争い)で内戦(トロール行為)に使わせるには勿体なさすぎる。だから、あなたを我が社の『海外事業部・太平洋セクター最高責任者パイオニア』に任命したんです」「海外事業部……太平洋セクターだと?」


「そうです。あなたがかつて構想していた『ローマへの遣欧使節』の計画、現代知識で全面バックアップして前倒しで実行します」


秀秋はペンで、世界地図の太平洋の先、アメリカ大陸とヨーロッパを指し示した。


「前田百万石が建造したこの超大型船に、最先端の航海術と大砲(最新アプデ版)を積み、伊達軍の精鋭を乗せて太平洋を渡ってください。 

ターゲットはノビスパニア(メキシコ)、そしてイスパニア(スペイン)。徳川を叩き潰して手に入れた金は、全てあなたの『先行投資』として全額融資します。世界の富を、伊達の力で日本へと引っ張ってくるんです」




本来なら、家康の顔色を伺いながら、百万石の夢を叶えられずに奥州の片田舎で生涯を終えるはずだった自分。


それが今、現代の知識を持つ3人の怪物によって、日本どころか「世界(地球規模のデスゲーム)」の最前線へと強制的に押し出されたのだ。


「……ククク、ハハハハハ! 面白い、面白すぎるじゃねえか!」


政宗は肩を震わせて爆笑し、隻眼を獰猛に輝かせた。


「家康の爺にペコペコ頭を下げてセコい領地を分捕るより、世界の海を伊達の黒作りの軍勢で埋め尽くす方が、よっぽど俺の『伊達者』としての美学に敵うってナァ!」


「その意気です。あ、ちなみに」


秀秋が人差し指を立てて、コンプライアンス(規則)を付け加えた。


「島津の社長率いる『アジア・南蛮方面軍』とは、現地での市場(縄張り)がバッティングしないよう、しっかりシステムで連携をとってください。それと、駿府の隠居(家康)から『仙台の美味い鮭や味噌を極秘で横流ししてくれ』と怪しい密書が届いても、絶対に無視してくださいね。一発でコンプライアンス室(三成)が監査に入りますから」




「フン、あの負け組の老害(家康)などもう眼中にねえよ。俺のライバルは、今や海の向こうのイスパニア(スペイン)の無敵艦隊アルマダだ!」 


政宗は豪快に言い放つと、前田家が造り上げた巨船の甲板を踏み締め、遥かなる大海原へと采配を振るった。

 

「野郎ども! 準備運動は終わりだ! 奥州の独眼竜が、世界の頂点をハッキングしに行くぞ! 出航だァァァーーーーッッ!!」


「「「「うおおおおおぉぉぉぉーーーーッッ!!!!」」」」    


こうして、東軍の危険分子であった伊達政宗も、3人の転生者によって「世界最強のベンチャー起業家」へと完全リブートされた。 


内戦の火種は全て世界の富を奪う「エネルギー」へと変換され、新生・日本経営(仮)の牙は、ついに世界へと剥かれたのである

政宗様は戦国BASARAの政宗様がモデルです。

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