59話 蒼真に続いて――
蒼真に続き、残りの異能者をみたはどうするのか――
今回の話は短いです。
前の話などを、読みやすいように修正してます。 8月17日 53,54,55,56,57,58,秘話を修正。
榮はそんな2人の些細なやり取りを、少し離れたところから見ていた。
蒼真の治癒も終わり、「これでよし」と言ったみたが、榮の方にチラッと顔をやる。
「榮」
「はい?」
「すまぬが、澪華と五葉もここへ連れてきてはくれぬか?」
「――2人ともですか?」
予想外の指示に、榮は思わず聞き返してしまう。
「うむ。話すべきこと、それと、見させてもらわねばいけないことができた」
(なんだろう……蒼真さんみたいに、異能を直接見せてもらうのかな……)
かと言って、そう簡単に2人は異能を見せてくれるのだろうか。
先を言っておくと、澪華さんや蒼真さんの異能の共通点は、どちらも発動後に、とてつもない代償を負うということだ。
澪華さんは、目の異能『カルサイト眼』を使うことで、あらゆるものをいとも簡単に粉砕してしまうものなのだが、使用したあと目から血が出血したり、吐血したりする。
蒼真さんは、青い光のようなもの……? を身体にまとって攻撃する異能。
だけど、先程のようにジワジワと体力が減らされていき、しまいに力尽きてしまうという。
(それと……)
五葉は、実際に『ちゃんとした異能』を使っていた場面が実にあまりなかった。
なので、澪華さんから話された『色々な属性を使うことができる』ということしか分からない。
(……もし、五葉も2人と同じように、代償があるとしたら――)
仮にそうなのだとしたら、五葉は異能を使うことを当然拒むだろう。
無理に使って、五葉が苦しんでいるところ。
そんなものを想像するだけで、心が強く痛むし、むしろ想像したくもない。
「分かりました」
少しばかり抵抗もあったが、榮は座っていた腰を上げ、みたと蒼真を残して神域を後にした。
◇
一歩、境界線を越える――。
途端に、それまで消えていた風の音や、遠くを走る車の喧騒が五感へと戻ってきた。
神域の厳かさから、一気に現実へと引き戻されたような感覚だ。
「連絡するか……」
榮はすぐにスマートフォンを取り出す。
「……出るかな」
少し焦る手つきでスクロールして、連絡先から五葉の名前を探し出す。
画面に表示された『五葉』の文字を見つめ、そのまま発信ボタンをタップした。
耳元から、規則正しい呼び出し音が響く。
プルルル、プルルル、と数回。 少しの沈黙の後、
やがて――。
『もしもし?』
スピーカーから、聞き慣れた五葉の声が聞こえた。
「五葉? 今どこにいる?」
『ん? 今、澪華と一緒に買い物してるよ。どうしたの?』
電話の向こうからは、うっすらとスーパーのBGMが聞こえてくる。
「みたさんが、二人ともすぐに来てほしいって」
『……みたさんが?』
のんびりとした五葉の声が、一瞬で真剣なものへと変わり、
「ああ。俺たちはもう伏見稲荷にいる」
『伏見稲荷……!』
電話の向こうで、五葉が息を呑んでいたのが分かった。
『分かった、澪華にも今伝えるね』
「頼む」
『うん、すぐ向かうから』
「これ面白いな」 「ここの場面へんじゃね」と思ったらでいいので、『反応』をいただけると助かります。




