チュバループ3
タイムリープ。そんなものが本当にあるのだろうか。
そんな俺の疑念をあざ笑うように、目の前には隆二、そして、俺が通っている大学──東照大学が立っている。
俺は…、さっきまでアメフト部の応援で演奏をしてた…はず…。
「ん?どうしたんだよ。本当に頭でも打っちまったのか?」
隆二は怪訝な目で見つめてくる。俺は我慢できずに訪ねた。
「お、お前、さっきまで試合に出てた…よな…?」
「試合って…なんのことだ?今大学のオリエンテーションが終わったとこだろ?甲聖、お前本当に大丈夫か?」
さっきまでとは打って変わって、心配そうな目で俺を見つめている。
何がどうなってるんだ。
「お、俺、さっきまでアメフトの試合でチューバ吹いてて、お前が試合出てて…。」
「何言ってんだ?アメフトってさっき勧誘されたやつか…?なんだ、甲聖、お前結構乗り気なのかよ!実は俺も──。」
やはり、何も覚えていないようだ。いや、俺の夢だったのか…?
ふと隆二の肩越しに、熱心に勧誘を続けるアメフト部が見えた。そして彼女の姿も。
様子がおかしい。チラシを配っていた彼女の動きが停止する。
一瞬の瞬きを挟み、また動き出した。
「今のは一体…。」
「なんだ、どうかしたか?」
目の前の隆二のこと忘れていた…。
「いや、なんか…、あっちで変なものが…。」
「んだよ、大丈夫か?あっちはアメフト部の──。」
隆二の目が見開いた。
隆二の真後ろに、彼女が立っている。
さっきまで、向こうにいたはず──。
「ねえ、君、タイムリープしてるでしょ。」




