チュバらしい運命
無数の運命、パラレルワールド、そしてシュバルツの正体。
駄目だ、頭が混乱してきた…。
「えっと、じゃあ僕はいつか来るその世界線まで死に続けないといけないんですか?」
「まぁそうなるね。辛いと思うけど頑張れ!」
この人さっきまで涙ぐんでたよな!?
静かに絶望する俺を他所に先輩は話し続ける。
「今のは流石に冗談なんだけど。実際、君がその世界に行き着く確率なんて、宇宙が生まれる確率より低いもん。」
「低すぎませんか!?」
俺の恋ってユニバースだったのか。なんて意味不明なことを考えないと心が持ちそうにない。
「ただな、より早くその世界を見つける方法があるかもしれないんだ。」
落ち込む俺をフォローする東郷先生。なんて優しい人なんだ。顎髭をさすりながら、東郷先生は俺を真っすぐに見た。
「シュバルツがいるだろう。正直、私達にもあいつの正体ははっきり分かっていないんだが、どうやら君と深い関わりがあるようでね。」
「シュバルツは──俺、なんでしたっけ?」
あの時の子供、あれは間違いなく過去の俺だった。
「シュバルツと俺に、一体どんな関係があるんですか?」
東郷先生と先輩は互いに顔を見合い、一瞬躊躇した。そして、先生は俺の目を見て、ゆっくりと話し始めた。
「どうやら私達の調べではシュバルツは君の一部──ではなく、むしろ逆で、君がシュバルツの一部なんだ。」
「ど、どういうことですか?」
意味が分からない。俺があいつの一部?あの化け物の?
それじゃあ俺って一体何なんだ。
「私と九§縺ッ繧君はとある目的のため、世界線の移動を繰り返してきた。私達は知らなかったのだ、世界線を繰り返す度に小さな矛盾が生じることを。そうした運命という理から外れたものが寄り集まり、シュバルツが生まれたんだ。」
「な、何が言いたいんですか。」
無性に体育館が広く感じる。東郷先生は躊躇いがちに続けた。
「君は、シュバルツから生まれた。いわばあいつの子供なんだ。」




