補チュバ
「君、私の素晴らしい話を何度も無下にしておいて、また何も変わらず死にかけていたのかね?」
「先生、なんで?」
「オリエンテーションの途中で抜け出す不届き者を捕まえに来たのだよ。」
ドロ。
先生が腕を切った影が地面に流れていく。
「時に甲聖君、君は何度このシュバルツに殺されたら気が済むのかね。」
「シュバルツ?」
「この黒い影どものことだよ。」
「あれ──俺でした。」
影と目が合ったとき、俺の心に強く問いかけてくるあの感覚。
「あれの説明、九§縺ッ繧君から聞いてないのかね。」
九§縺ッ繧。口に出すことさえできないその名前?が不思議と俺に安心感を与える。名前といえば、この世界では俺は先生に名乗っていないはず。
パチンッ。
頬に走る熱い感覚。
「今は一人で考え込んでいる場合ではない。何度も同じように死んでしまう愚鈍な君のことだ。どうせ名前がどうのと考えていたのだろうが、後にしたまえ。」
首元に冷たいものが当たる。
「悪いが君にはもう一度戻ってもらうよ。補講だ。オリエンテーションはちゃんと受けるように。」
一瞬、逆さまに立つ先生の姿が見えた。
「君、起きたまえ。オリエンテーションで居眠りとは何事だね。」
周囲から笑い声が聞こえる───はずだった。周囲の人は笑っている状態で止まり、音が何も聞こえない。この感覚、以前にも体験したことがある。先輩と2人で話したあの空間だ。
『九§縺ッ繧君じゃなくて悪かったね。愚鈍な君のために、私が直々に補講を開いてあげよう。』




