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ファンタジークエスト  作者: 里山
第一章 Girl・ミーツ・おっさん

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くえすと外伝 クリス

 今日はチャットシステムの不具合で通常会話以外のチャットとPT機能の一部がメンテナンスのために使えない事もあり久しぶりに街を訪れた私は喜びを隠しきれなかった。そうご飯だ! 英語で書くとGOHANだ! え、違うって? そんなの気にしなーい。

「ねえ、アックスこの街は何が美味しいの?」

 そう言って振り向いた先には相棒の姿はなく遥か後方で誰かと話していた、むっきーーーーあの馬鹿なにやってんのよ、と引き返してみるとそこに待っていたのはアックスと綺麗なお姉さんだった。

「あ、悪い悪いちょっと昔の連れに声かけられちゃってな」

 私を見つけてアックス声をかけてくるが私はフードの奥でむっすーと相手の女の人を睨む、まあ他の人からはフードで表情はわからないのだけどね。

「あら? あなたが今のアックスのお仲間なの? 私はミリィ、ミリィ・アドネスよ」

「リリィ・ブルームです」

「顔は見せてくれないんだ?」

 むっ見せてやろうじゃないかと思った矢先ぽむっとあたまに手が置かれる。

「悪いなコイツ恥ずかしがり屋でさ、それにちょっと有名人に似てたりするから街中では顔隠してるんだ」

 ぽむぽむと私の頭を軽く撫でるように叩きながらアックスが言う。む~。

「ふーん、そうなんだ、まあいっかそれよりさご飯でも食べながら久しぶりに話さない? 美味しい店知ってるんだ」

 ご飯! と一瞬ご飯に釣られそうになったが油断してはいけない、そう油断してはいけないのだ何故ならばこのミリィとか言う女は素敵なおっぱいを装備しているのだから! と心のなかで雄叫びを上げつつ街の中だからか薄い布製のぴっちりしたなんていうのかなサマーセーターみたいなのを着こみタイトなスカートを履いている姿はさながら年上のOLって感じだ! わかりやすく言うと朱美さんを色っぽくした感じだ! え、逆にわかんない? しるか! などと心のなかで悪態をつき……あれ?

「私何に怒ってるんだ?」

 わかんないや、私は何に対して怒りを……アレかおっぱいか? うんきっとそうだ、などと適当に怒りの矛先を決め。

「そんじゃいくぞー」

 と歩いて行くアックスとミリィ(おっぱい)に付いて行く。

 

 カランカラン♪

「いらっっしゃいませ~、お! ミリィじゃねーか」

「やっほーお客さん連れてきてやったわよーいっぱいサービスしてねー」

「ミリィの紹介とあっちゃぁいっぱいサービスしてやんないとなぁ」

「わーい、マスターかっこいい~」

「お前ほんと相変わらずだなぁ」

「え~そっかなぁ?」

 席に座りつつそんな会話をする二人を横目に見つつ無言で席に着く私。どうしてこう男はおっぱいおっぱいなんだ。ちなみに席は丸いテーブルにアックスおっぱい(ミリィ)私という感じに正三角形の頂点のように均等に座っている。

「そんじゃぁ何にしよっかぁ。おすすめはえっとねーこれとこれとこれかなぁ」

 などとアックスが持つメニューに体を伸ばながら指さしていくのだが、おっぱいがテーブルの上でもにゅもにゅしてる。何あれ生きてるの! 何なの! と驚愕の眼をフードに隠し絶句する……そしてじっと自分の胸を見るそしておもむろにテーブルに突っ伏す。ぁ、ちょっとむにゅって成った……

「おまえなにやってるの?」

 突如テーブルに突っ伏した私にアックスのツッコミが入るその横でおっぱいがクスっと笑うのが見える。っく! 別におっぱいの大きさが戦力の絶対的差じゃないんだぞ! と心の中で叫ぶが口にだす勇気はない

「い、いや別に。おなか空いたなぁと」

「はいはい今頼んでやるからなぁ」

「んじゃぁココらへんひと通り」

 と注文するアックスの声を聞きながら、やっぱりアックスもああいうおっぱい大きい人が良いのかなぁ……いや別に私には関係ないし。などと考えていると料理が運ばれてきたので無理やり意識をそっちに移す。






「おーい、何でそんなにむすくれてるのお前?」

「別に」

「ふむ、ひょっとしてミリィになんか言われた?」

「何も」

「じゃあ何むすくれてるんだよ」

「なんでもないって言ってるでしょ!」

 宿屋を目指しながら私はアックスに向けどころのないもやもやした感情をぶつける。はぁ、何をしてるんだろ私、アックスは何もしてないのに。謝んなきゃっと振り向いた先には誰もいなかった。

「え、あれ? アックスどこ?」

 急いでPTチャットを使おうとするが『現在PTチャットはシステムメンテナンスのため使用出来ません』と視界の端に表示されてしまう。マップで確認しようにもPT機能全体の調整も行ってるためPTマーカーが表示されていない。

「どうしよう……」

 軽いパニックに陥った私の思考はどんどん嫌な事を考えていく。嫌われちゃったかな、置いていかれちゃったかな、やっぱりおっぱい大きいほうがいいのかな……そんな事を考えている私はいつしか通りの片隅に座り込んでいた。

 どれくらいたっただろうか頭の上にもさっとしたものが置かれた感触がする。なんだこれ? っと顔を上げると。

「何やってんのおまえ?」

 アックスが小首をかしげて覗き込んでいた。

「あ……あんたこそ何処行ってたのよ!」

 精一杯に強がった声で返す私に。

「あーすまんすまん奥の露天にコイツを見つけてさ、ちょっとお金が足りなかったから値下げ交渉してたんだよ、いやぁお陰で手持ちのお金がちょっとぴんちなんで小屋に帰るまでは貧乏生活だけど簡便な! 平たく訳すと今日は野宿だ!」

 え? 何言ってるのこいつ、私を置いて買い物してたですと? ほうほう私がどんな気持ちでいたのかその体に教えこんでやろうと立ち上がろうとしたら。

「ひゃん」

 頭の上から声がした。

「な、なに?」

 びくっとした私に、頭の上からひょいっとソレを掴むと私の胸の前にぷらーんと差し出す。

「ほれ、まだ乗れたりはしないけどちゃんと育てれば乗れる様になるかもしれないと言われていたりもするからちゃんと育てるんだぞ」

 そういって私の胸に押し付けてくるソレは私のぺったんこな胸に必死にしがみつき。

「ひゃん」

 そうもうひと鳴きした。そうそれは子犬だった。

「え、何これ?」

「え、犬じゃないの?」

「いやそうじゃなくて、えっとこの世界にも犬って居るの?」

「居るよ? モンスターにもちゃんとなんちゃらドックって」

「いや、それはモンスターでしょ?」

「うん、そいつもモンスターだよ?」

「え?」

 まじまじと子犬を見つめるとペロペロと鼻先をなめられた。

「うひゃい、え、大丈夫なの?」

「あーモンスターでもな【テイムアイテム】使うとすっげー低い確率でテイミングできるんだ、それに成功したモンスターはプレイヤーがペットとして飼えるんだよ」

 へーっと聞いてると腕の中の子犬が「ひゃんひゃん」と鳴いてくる。

「取り敢えずそいつの頭のトコを三回叩いてみ」

 と言われ三回叩く、するとピコンとメッセージが出た。

『現在の飼い主:アックス・フォレスト』するとアックスがなにか操作したのかまたピコンという音と共に『アックス・フォレストより譲渡申請があります受けますか?』とのメッセージが追加される。

 え? っと顔を向けるとアックスはひとつ頷く、それに押されるように私の指が『イエス』を押し込む。

「これでお前の犬になったわけだけどメニュー画面に項目が追加されてるからそこで名前ちゃんと決めてやれよ?」

「え、うん、わかった……えっと」

 言われたとおりにメニューを開き別枠に追加されたペットステータスを開く、どうやらペットステータスは常時閲覧できるようにもできるようだ。

「名前の登録っと……んークリス! うん君はクリスだ!」

 ひゃんっと一声鳴いてペロペロと舐めてくるクリスをワシャワシャと撫でてあげながら名前の登録を済ませる。

「何でクリス?」

 と小首を傾げてるアックス。ふふーんおしえてあげなーいと意味深の笑顔でごまかしてクリスのもふもふとした毛をわしゃわしゃと撫でながらふと思う。

「でも何でいきなり犬?」

「ん? いやさっき何か不機嫌だったからさどうしよっかなぁって露天見てたら遠くに看板見えてそういやお前犬飼ってたことあったなぁと思ってさ。平たく言えばご機嫌取り?」

「っぷ、あはははは何で一言多いのかなほんとにあんたは」

 えーっと避難めいた顔をしているアックスを横目にホントに一言多くて助かるよ。その一言がなかったら泣いちゃいそうだもん、よろしくねクリスっと愛犬の頭をぽむぽむと撫でてやると。

「ひゃん!」

 とクリスが答えてくれた。

次の話から二章の本編になります。

一章の終わりからリアルで2ヶ月ほど経っている感じです。


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