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ネガティブな俺、異世界転生して食通になる  作者: ちかず
第3章 ムルトング国
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試練の街。。エタマラン。。

少しシリアス寄りです。

。。

感謝。その一言に尽きます。

。。

ここへ来るのは、いつ以来やら。。

ため息と共にこみ上げるのは、懐かしさより後悔かもしれない。

すでに、冒険者などは引退していたにもかかわらず、いつの間にやらあちら側へ行くとは。。。

寄りにも寄って。。。このワシが。。


見えて来たのは、ムルクンドの南方に位置する小高い山々。

ここは、ある物の産地として有名だ。

その名は。。。『真実の目』

大層な名前たが、盾の中でもここで取れる鉱石しか、その名の盾は作れない。

大変貴重なそれは、滅多に取れない鉱石として有名だ。だからこそ。。。


見えてきたな。。相変わらずの風景という訳か。。

ムルクンドの南方の街「エタマラン」

この街こそ、『真実の目』を扱う唯一の街。。

街の入り口には、門番はいない。

いや。。。要らないのだ。


「ああ、待ってくれ。貴方の為なら僕は僕はー。」走り出す若者。

「ワッハッハ。これで儂も大金持ちだー。」

笑いの止まらない冒険者風の男。

「これよ。これなのよ。私の美しさを引き立てる物は。手に入れたわー。」

グルグル回る女性。



。。。。

これこそがこの街の風景。

幻影を見続ける人達が彷徨う街。それがエタマランなのだから。

試練を受け、失敗すれば夢の国の住人と言う訳だ。。。。

とにかく、宿屋へ向かう。

おー、ここも変わらない。

試練を受ける前の人間でいつも満載だわい。

「親父。部屋はあるかい?」

「部屋か〜。うーん。

あぁ、今日試練を受けた若者がいたから、空くだろう。」

試練を受けた後に、ここへ戻れる者はほんの僅かだからか、ここの親父の相変わらず淡白な事。。

「おや、アンタは。。。

こりゃ驚いた。ドルタンドじゃないか。

よくこの街に顔を出せたな!

カリアをあちら側へ連れ去って置いて。。。

アンタに貸す部屋などない!出て行け!!!」

あっという間に、追い出される。

ふー。歳を取ったんで分からんと思ったが。。


仕方ない…あそこへ行くか…

街の外れへ向かう。。。

まだ、居るだろうか?それとも。。

緑の屋根に長い煙突が見えた。

トントン。。。不在だろうか?

諦めるか。。。

ガチャ。扉が開いた。

「おやまあ驚いた。ドルタンドじゃないの。

よく来たね。さあ。お入りなさい。」

「ナーラも変わらない美しさだな。

突然すまん。」

「いいのよ。うふふ。さては宿屋の主人に追い出されたね。あの人は、未だにカリアの事が好きだからアンタにヤキモチ焼いてるのよ。」


「実は。。、」

言いかけたところへ、ナーラがお茶を持って来た。


「ドルタンド。さぁ、暖かいお茶飲みなさい。

珍しいお客さんだから、美味しいの入れたわ。」

懐かしいナーラのお茶だ。相変わらず美味い。


「大丈夫よ。貴方の顔を見れば分かるもの。あちら側へ行くのね。だから『真実の目』の盾が欲しいのね。」


「参ったな。しばらく振りにナーラに会ったのに。。、見抜かれたな。」

これだから、ここへ来るのは。。、


「うふふ。萎れないのよ。

貴方が私の娘のカリアをあちら側へ連れて行ってくれたのには、感謝してるんだから。

あの子は、あまりにもエルフ寄りだったから。

あのまま、ここに居たら。。。

命懸けで連れて行ってくれた貴方に感謝したくても、全く近寄らないんだから。

。。。

でも、まぁいいわ。

今日こそは、恩返しが出来そうね。」

感謝など。。。あれは、儂のワガママの様なもの。だが、それもだいぶ昔の話か。

「ドルタンド。『真実の目』をあげるわ。

試練を受ける必要はないのよ。」


「えっ。」

。。。。


あまりの衝撃に固まる。

なぜ?


「私が持っているから。

娘が、あちら側へ行って暫くして、夫が戻ってきたのよ。まさか、私も驚いたわ。

本当にエルフって気まぐれね。

娘にやるつもりだ。なんて言ってね。

ふー。本当に、ごめんなさい。

でも、貴方にこの『真実の目』を渡したら、やっと肩の荷が下りるわ。

ここへ、来てくれて本当にありがとう。」

ナーラに手を握り締められながら、あの試練を受けなくて良いと思うと、心の底から安堵した。




それから、しばらくして街を出た。

もちろん、盾を持って。。。


帰り際に

「もしよ。もし万が一カリアに会う事があれば、こっちは元気だと伝えて。」

ナーラに言われた。

「わかった。約束するよ。」

答えた後に、苦いものと少しばかりの期待が胸をよぎる。。。



さあ、帰るか。。

圭が、ランバラルをさぞや困らせておる事だろう。。。




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