Aランク
Aランク
それは、下手すれば国の軍が動き出すレベルの災害である。
しかし、討伐者が Aランクなら、1人でも倒せる災害である。
が、Aランクの冒険者は、確認できるだけでも100人程度しか存在しない。
「でも、そのAランクが生まれるかもしれない。」
私は、エドのことを思いながらそういった。
「ええ、しかし、登録の時点で最初からAランクなんて、歴史上1人もいません。でも、エドさんなら…」
受付嬢さんも、そう願いつつ、Aランクの魔物を召喚した。
Aランクの魔物 オーガ
なんか、赤いやつ出てきた。
私がいた森の中にこんな奴いなかったぞ?
「エドー!がんばれ!」
はーい、がんばちゃうよー!
でも、こいつ、弱そう。
また魔法で片付けますか。
って思って、手を前に出した。
そしたら、手が動かない。
なぜって?
手首から先が切られていたからだ。
そのことを認識した瞬間、焼けるような痛みがやってきた。
赤いやつは、刀を手にこちらをじっと見つめている。
その刀には、血が滴っていた。
おいおいマジかよ?いつの間に刀を持ってるんだ?
私は手を拾い、傷口を合わせた。
「エド!何してるの?そんなことしても治んないよ!」
フォスが何か言ってる…けどそんな暇ない。
集中…
私は、傷口に集中した。全ての管が、繊維が繋がるイメージを魔力で…
すると、傷口がみるみる塞がり、全てが元通りになった。
軽く動かす。
「よし、治った。」
立って、私は、カタナを抜いた。
おそらくこいつは、剣で戦いたいんだろう。だから、魔法を使おうとした私の手を切った。そして、私が手を直している間、待っていた。
なんて律儀な奴なんだ。
そんな奴と戦えるなんて…
私は、なんて幸せ者だろう?
あぁ、早く剣を交えたい。
早く、早く、早く!
でも待つんだ。
あちらにも、呼吸がある。
待つんだ、待つんだ…
………
……
…
「「フッ!」」
私たちは、同時に地面を蹴った。
剣がぶつかり合う。
重い!
でも、こちらの方が早い!
私は、素早く横へそれた。だがそれを読んでたように、剣をふる。
あゝ、愉しい、一挙手一投足全てに命が賭けられているこの感覚。
こんなに、気分が高揚しているのは、久しぶりだ。
真逆、こんな所でこの気分を味わえるなんて…
しかし、そんな時間は早く過ぎてしまう。
キンッ
赤の刀が折れてしまった。
ここがやめ時か…
そう思って、カタナを下ろした。
赤は、私に近づき、跪いた。
「其方、名を何と申す?」
一度剣を交えれば、言葉がなくとも何となく言っていることはわかる。
「エドだ」
「エド…良き名だ…。冥土の土産にその名を連ねて行こう」
「そこまでしなくていいんだけどな…あなたの名前は?」
「私に、名などない」
そうか、それはなんか可哀想だな…なんかいい名前…あっ
「クレナイ」
「は?」
「君の名は、クレナイだ。最高の冥土の土産だろ?」
「クレナイか…最期に、良き名をもらい、私は幸せ者だ。」
「私も、君と剣を交えられて幸せだった。ありがとう。」
そう言って、私はクレナイに向けて剣を、振った。
「で、Aランクになれたと。やっぱり私見る目あるかな?」
私のギルドカート(顔と、名前、ランクが書いてあるカード)
私は、クレナイの首を取り、無事に合格。史上初のAランクスタートの冒険者になった。
最期のあいつは、笑っていたように見えた。




