街へ
お待たせした。
「へ?」
つい声に出してしまった。
「だから、私と一緒に冒険しよっていってるの。」
遠慮しときます!と、叫べたらどれだけ楽だろうか。
正直、なんか満足したから。あの森に帰りたいところだったのだが。
ん?あの森に帰りたい?
あたりを見回す。
ぐるっと見回して、あることに気付いた。
木が無い。
いや、ちらほらとはあるのだが、まとまって生えてない。
つまり、森どころか、林すらない。
「え…あっ、あの…」
「ん?どした?」
「わ、私のいた…森…」
「ああ、この馬車に乗せてもらった時、事情を話したら急いで、街に進んでもらってね。……………」
………………
………
…
要するに、帰れない。ということがわかった。
詰んだ。
あそこは結構居心地良かったのに、このまま一生を終えるつもりだったのに。どうしてくれるんだよ〜!
ショックが大きすぎるあまり、私の意識はそこで一度途絶えた。
街。
それは、カタナからしか聞いたことない、人がたくさんいて、物を売っている人がいて、その周りに住んでいる人がいて。家は、木とか、石とか、漆喰?とかでできていて。あとなんだっけ、あ、道があって、それは石畳で、すごくゴツゴツしていて、なれないと歩きづらい、とか先代の持ち主が言っていたらしい。
その話を聞いて、行ってみたい気持ち半分と、このまま森にいたい気持ち半分でよく悩んでいた。
「夢か…」
そういえばそんなこともあったな。
「あ、起きた」
「ふぁ!?」
フォスが私の顔をのぞき込んでいた。
フォスは、興奮気味に、「ちょうどいいタイミングだったね、もうそろそろ街に着くよ!」と、嬉しそうな声で言っていた。
こちらもナイスタイミングだった。ちょうど、街に関する夢を見ていたからね。
『懐かしいところだな〜、いつぶりだ?街に入るの?』
カタナも、少し興奮気味だ。
きてしまった。街に。
そう思った。
今まで、いきたかったけど行かなかった。そもそも場所を知らないし。カタナだったら知っていただろうが。私に行く意思などない!けど、だけど少しだけ、憧れがあった。
『どうよ、街に入っちゃうよ?』
「正直、いやだ」
『でも、入るしかないよ。僕だってあの森への帰り方わかんないし。ここまできたなら、楽しんじゃお!』
呑気なこと言いやがって。でも、カタナの言う通りだと思う。ここまできたら、本物を見てやる。
「見せてもらおうか、カタナの言っていた街とやらというものを」
「エドが、スラスラなんか言っている。フッ、認めたくないものだな、自分自身の、未熟さ故の思い込みをしてしまったということを」
フォスとは、仲良くできそうだ。
ネタが古いって言われそう。
あと、ちゃんと二話であれやりましたからね?(何言ってんだ?)
狩ったオークはちゃんと責任持って回収されています。
令和8年6月18日誤字の修正を行いました




