一階層 ②
とりあえず、罠は、どうにかなった。
もうあんな空間にいるのは懲り懲りだ。
そう思いつつ、地下迷宮内を道なりに進んでいく。
途中で、何度か魔物に遭遇したが、フォスが難なく倒していった。
私のアドバイスを聞いて、少しだけ動きが良くなっている気がする。
そうやってズンズン進んでいくと、ギュウウウウ〜と変な音が迷宮内に響いた。
音の発生源の方を見る。
顔みたいな(*ゝ∀・*)テヘペロしやがって。
「はあ……休憩しようか?」
「やたー!」
とはいっても、保存のきく干し肉とか、味気ない栄養バーなどだが……まあ、お腹が空いて動けなくなるよりかは断然いいだろう。とにかく、いつでも動けるようにしておくために胃に何かを入れておく。
「まっず……」
「仕方がないよ……とにかくいには何かを入れとけ」
「美味しいものが食べたいよ〜」
「無理言わないの……」
「んん〜」
「これが終わったら、今回手に入れたルビーで美味しいものいっぱいだべよ?」
私がそういったらフォスが急にニコニコし始めた。よほど、ご飯が食べられるのが嬉しかったのだろう。現金なやつめ…
「うん!いっぱい食べた!エド、いつでも行けるよ!」
「はいはい」
こうして、少しの休憩をした私たちは、また奥へと進んでいった。
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終わったらごっはん〜!終わったらごっはん〜!
今!私のテンションは高いよ〜
何せこの依頼が終わったら美味しいご飯を食べよう!って約束?しているからね〜!
私の足取りは軽いまま一階層を進んでいく。
さて、地下迷宮には階層と階層を繋ぐ階段が一番奥にあるのだが……探索を始めてから、半日ほど経っているだろう……全く二階層へ続く階段が見つからない。
「エド〜階段まだ見つからないんだけど〜」
「知らないよ……文句なら迷宮に言ってくれ」
「やい!迷宮!早く階段出せぇ〜!」
こんなことを言って、素直に出てきてくれればいいのだが、まあダンジョンだ。そんなことはない。
「はぁ〜地道に進んでいくしかないのかぁ〜」
「迷宮攻略はこういうものだと思うぞ」
「そういうものなのかな〜?」
正直、歩き疲れている。というのが本心だ。
背を曲げふらふらと下を見ながら歩く。
まあ、下を見ても土のところが続いているだけだ。
つまらない……
と思って歩いていると、頭に衝撃が走った。
「……った〜い」
痛った!なんか目がチカチカするんだけど……
何?壁?と思い顔を上げると
「扉……」
階層主のいる部屋の扉に頭をぶつけたようだ。
「エド……階層主の部屋だよ!」
嬉しさでエドに話しかけようと思いそちらを見ると
エドがカタナに手をかけていた。
「エド?」
私が声をかけるとハッとしたような顔になり、カタナから手をはなす。
そして、私から顔を背ける。
「フォス、すぐそこに安息地があるからボス部屋は明日いこ?」
通常、ボス部屋の近くには安息地がある。おそらく外は夜だろう。エドの判断は正しいだろう。でも、そんなことよりも、エドがどうしてカタナに手をかけていたのかが気になった。
聞こうと思った。
夜ご飯を食べてから聞こうと思った。
体の汚れを落としてから聞こうと思った。
寝袋に入ってから聞こうと思った。
明日、目が覚めて朝ごはんを食べている時に聞こうと思った。
でも、私にはこのことを聞く勇気が出てこなかった。
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目が覚めた。
おそらく外は朝だろう。
「フォス、起きて」
「んん〜…」
今日は、階層主を倒し次の階層に向かうことが目的だ。
まあ、フォスなら大丈夫だろう。
「ねえ〜もうあさなの〜?」
「体感だけど…まあ、朝だろうね」
「へえ〜わたし〜わかんなかった〜」
この感じは……
今日のフォスは使えないかもしれない。
ここ1ヶ月間か一緒に過ごしているが、フォスには弱点がある。
朝に激烈に弱い日がある。ということだ。
この日のフォスは、お昼過ぎまでまともに動いてくれない。
わたしは天を仰ぐことしかできなかった。
マジカ〜⤴︎
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
とりあえずどうにかこうにかして、フォスに朝食を食べさせたが
疲れた……
これだけの作業にこれだけ疲れるんだ。
ボス部屋に入ることはリスクだな。
仕方なく、安息地でフォスがまともになるまで待つことにした。
そうすると、あまりにも時間がありすぎる。
だからと言って、わたし1人だけで、一階層を周回すると、フォスが変な動きをして、安息地を出て行ってしまいそうだから、目を離すことができない。
というわけで、一応持っていきていた本を読むことにした。
これなら、時間をだいぶ潰せる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
頬に冷や汗が流れていく。
本を閉じる。
どうしよう……読み終わってしまった……
フォスは、まだホゲホゲしている。
他に本は持ってきていない。
どうしよう?
「カタナ〜話し相手になってよ〜」
『ええ〜まあ暇そうだったし、俺も暇だったからさいいけどさ』
「何その上から目線」
『俺だって暇じゃないんだよ、だから俺は話し相手になってやるっていう立場なの。だから俺のほうが上』
「何それ意味わかんないんだけど?」
『でも、本当に聞きたいことはそんなことじゃないんだろ?』
「さすがですね?でそのことに対しての答えは?」
『俺は言ったはずだぞ?図書館とかで調べればどうせ出てくるし、運命なんてのは変わらない物なんだからどうせわかるって?』
「つまり、めんどくさいから答えたくないと?」
『違うの。何でもかんでも考えずに答えを求めるなって言っているの?』
「チッ……」
『ああ!舌打ちしたな!?』
「シテマセンガ?シタウチッテナンデスカ?」
『ムキー!』
ふっふっふっふ……片言で何か言われると、なぜだかウザいんだよな?
「エドー?何してるのー?」
あ、フォスがまともになった。
『エドと、少し世間話を』
んなとたぁ、はなしちょらんわ?
「ふ、ふ〜ん……ソーナンダー」
ほらほら、フォスが困っちゃったじゃん。
「フォス、階層主部屋に行ける?」
「うん!行けるよ!」
そいじゃ、いきますか?
安息地
各階層主の部屋の入り口の近くにある。
エリア内には水場があるが、稀に毒などが入った水場があるため注意が必要。
当たり前だが、その中では魔物は発生しない。




