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フトゥルム  作者: MG
始まりの刻 〜地下迷宮〜
26/27

一階層 ②

 とりあえず、罠(モンスタートラップ)は、どうにかなった。


 もうあんな空間にいるのは懲り懲りだ。

 そう思いつつ、地下迷宮(ダンジョン)内を道なりに進んでいく。


 途中で、何度か魔物(モンスター)に遭遇したが、フォスが難なく倒していった。

 私のアドバイスを聞いて、少しだけ動きが良くなっている気がする。


 そうやってズンズン進んでいくと、ギュウウウウ〜と変な音が迷宮内に響いた。


 音の発生源(フォス)の方を見る。

 顔みたいな(*ゝ∀・*)テヘペロしやがって。


 「はあ……休憩しようか?」


 「やたー!」


 とはいっても、保存のきく干し肉とか、味気ない栄養バーなどだが……まあ、お腹が空いて動けなくなるよりかは断然いいだろう。とにかく、いつでも動けるようにしておくために胃に何かを入れておく。


 「まっず……」


 「仕方がないよ……とにかくいには何かを入れとけ」


 「美味しいものが食べたいよ〜」


 「無理言わないの……」


 「んん〜」


 「これが終わったら、今回手に入れたルビーで美味しいものいっぱいだべよ?」


 私がそういったらフォスが急にニコニコし始めた。よほど、ご飯が食べられるのが嬉しかったのだろう。現金なやつめ…


 「うん!いっぱい食べた!エド、いつでも行けるよ!」


 「はいはい」


 こうして、少しの休憩をした私たちは、また奥へと進んでいった。



____________________________________



 終わったらごっはん〜!終わったらごっはん〜!


 今!私のテンションは高いよ〜

 何せこの依頼が終わったら美味しいご飯を食べよう!って約束?しているからね〜!

 私の足取りは軽いまま一階層を進んでいく。


 さて、地下迷宮(ダンジョン)には階層と階層を繋ぐ階段が一番奥にあるのだが……探索を始めてから、半日ほど経っているだろう……全く二階層へ続く階段が見つからない。


 「エド〜階段まだ見つからないんだけど〜」


 「知らないよ……文句なら迷宮に言ってくれ」


 「やい!迷宮!早く階段出せぇ〜!」


 こんなことを言って、素直に出てきてくれればいいのだが、まあダンジョンだ。そんなことはない。


 「はぁ〜地道に進んでいくしかないのかぁ〜」


 「迷宮攻略はこういうものだと思うぞ」


 「そういうものなのかな〜?」


 正直、歩き疲れている。というのが本心だ。

 背を曲げふらふらと下を見ながら歩く。

 まあ、下を見ても土のところが続いているだけだ。


 つまらない……


 と思って歩いていると、頭に衝撃が走った。


 「……った〜い」


 痛った!なんか目がチカチカするんだけど……

 何?壁?と思い顔を上げると


 「扉……」


 階層主(フロアボス)のいる部屋の扉に頭をぶつけたようだ。


 「エド……階層主の部屋だよ!」


 嬉しさでエドに話しかけようと思いそちらを見ると


 エドがカタナに手をかけていた。


 「エド?」


 私が声をかけるとハッとしたような顔になり、カタナから手をはなす。

 そして、私から顔を背ける。


 「フォス、すぐそこに安息地(セーフエリア)があるからボス部屋は明日いこ?」


 通常、ボス部屋の近くには安息地(セーフエリア)がある。おそらく外は夜だろう。エドの判断は正しいだろう。でも、そんなことよりも、エドがどうしてカタナに手をかけていたのかが気になった。


 聞こうと思った。


 夜ご飯を食べてから聞こうと思った。


 体の汚れを落としてから聞こうと思った。


 寝袋に入ってから聞こうと思った。


 明日、目が覚めて朝ごはんを食べている時に聞こうと思った。


 でも、私にはこのことを聞く勇気が出てこなかった。



____________________________________



 目が覚めた。

 おそらく外は朝だろう。


 「フォス、起きて」


 「んん〜…」


 今日は、階層主(フロアボス)を倒し次の階層に向かうことが目的だ。

 まあ、フォスなら大丈夫だろう。


 「ねえ〜もうあさなの〜?」


 「体感だけど…まあ、朝だろうね」


 「へえ〜わたし〜わかんなかった〜」


 この感じは……


 今日のフォスは使えないかもしれない。


 ここ1ヶ月間か一緒に過ごしているが、フォスには弱点がある。

 朝に激烈に弱い日がある。ということだ。

 この日のフォスは、お昼過ぎまでまともに動いてくれない。


 わたしは天を仰ぐことしかできなかった。


 マジカ〜⤴︎



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 とりあえずどうにかこうにかして、フォスに朝食を食べさせたが


 疲れた……


 これだけの作業にこれだけ疲れるんだ。

 ボス部屋に入ることはリスクだな。


 仕方なく、安息地(セーフエリア)でフォスがまともになるまで待つことにした。


 そうすると、あまりにも時間がありすぎる。

 だからと言って、わたし1人だけで、一階層を周回すると、フォスが変な動きをして、安息地を出て行ってしまいそうだから、目を離すことができない。


 というわけで、一応持っていきていた本を読むことにした。

 これなら、時間をだいぶ潰せる。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 頬に冷や汗が流れていく。


 本を閉じる。


 どうしよう……読み終わってしまった……


 フォスは、まだホゲホゲしている。


 他に本は持ってきていない。

 どうしよう?


 「カタナ〜話し相手になってよ〜」


 『ええ〜まあ暇そうだったし、俺も暇だったからさいいけどさ』


 「何その上から目線」


 『俺だって暇じゃないんだよ、だから俺は話し相手になってやるっていう立場なの。だから俺のほうが上』


 「何それ意味わかんないんだけど?」


 『でも、本当に聞きたいことはそんなことじゃないんだろ?』


 「さすがですね?でそのことに対しての答えは?」


 『俺は言ったはずだぞ?図書館とかで調べればどうせ出てくるし、運命なんてのは変わらない物なんだからどうせわかるって?』


 「つまり、めんどくさいから答えたくないと?」


 『違うの。何でもかんでも考えずに答えを求めるなって言っているの?』


 「チッ……」


 『ああ!舌打ちしたな!?』


 「シテマセンガ?シタウチッテナンデスカ?」


 『ムキー!』


 ふっふっふっふ……片言で何か言われると、なぜだかウザいんだよな?


 


 「エドー?何してるのー?」


 あ、フォスがまともになった。


 『エドと、少し世間話を』


 んなとたぁ、はなしちょらんわ?


 「ふ、ふ〜ん……ソーナンダー」


 ほらほら、フォスが困っちゃったじゃん。


 「フォス、階層主(フロアボス)部屋に行ける?」


 「うん!行けるよ!」


 そいじゃ、いきますか?

安息地(セーフエリア)


各階層主(フロアボス)の部屋の入り口の近くにある。

エリア内には水場があるが、稀に毒などが入った水場があるため注意が必要。

当たり前だが、その中では魔物は発生しない。


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