一階層 ①
洞窟のなかは、ひんやりとしていて暗かった。
そりゃそうだろう。何せ洞窟の中で、太陽の光なんて入ってこないんだから。
「フォス?どうした?」
「え?いや……なんか今、地下迷宮にいるんだなって思ったらなんか感動しちゃって……」
「まだ、地下迷宮だと決まったわけではないよc?」
「そんなこと言わないでよ〜。いいの、私はこう言う時は浪漫でテンション上げていくの」
全く、エドはわかってないな〜
そう思いつつどんどん奥へ進んでいく。
すると、目の前にスライムが現れた。
私は無意識に持っていた大杖で魔法陣を展開。
水刃を繰り出す。
すると、スライムは横に真っ二つになり、地面に吸収された。
ってことは……
「地下迷宮だー!」
エドはちょっとビクッてなったが、気にしない。
「ねえ、エド!ダンジョンだよ!」
「ソウデスネー」
「ねえ、なんでそんなに無関心なの?この地下迷宮、多分私たちが一番最初に入っているんだよ?よ〜し!このまま三階層までいちゃおー!」
地下迷宮だってわかったから、何だかやる気が出てきた!
とにかく、進んでいこー!
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まじかー
地下迷宮かー
なんかよくわからないけど、「絶対に地下迷宮を攻略をしなきゃいけない」っていう気持ちになってきたな。
なんかフォスが騒いでいるな。
「ソウデスネー」
チキショウ、めんどくせえ
もうこのまま攻略してやるぅ!
と思いつつ、前に進んでいくと、今度は棍棒を持った子鬼が現れた
今のフォスなら大丈夫だろうと思い、何もしないでいると、フォスの死角から1匹の子鬼が後ろに回ってきた。
そしてフォスは、それに気が付かぬまま、前だけに真空刃を飛ばした。
うわ〜絶対に「やり切った〜」とか思ってそう。
そして、フォスは両腕をつきあげた。
やりあがったなこのやろう。
すると、後ろにまわっていた子鬼がフォスに飛びかかった。
はあ……しゃーなし
私はカタナを抜き、フォスの後ろに立つ。
子鬼の飛んでくる線上に刀を掲げる。
そのあとはみなさんのご想像通り。
「ギャアアアア!」
真っ二つになった子鬼は、また地面に吸収された。
そして、地面には子鬼が持っていた棍棒がそこらじゅうに落ちていた。
ドロップ品だろう。
私はそれを拾いつつ「フォス……まだまだ視野が狭いよ…」と言った。
「ありがと…」
まだフォスは危なっかしいな
この地下迷宮で強くなって欲しいものだな……
あれ?なんで私は、地下迷宮で強くなるって思っているんだ?
私が今まで聴いてきた地下迷宮の話は、冒険者たちが地下迷宮の魔性に誘われて、その中で宝探しをするというものだ。
どこにも強くなるなんて話はない。
なぜだろうか?
また、あいつらに関わることなのだろうか?
ほんとにわからないことだらけだ。
「エド?どうかした?」
そんなことを考えていたら、足が止まっていたようだ。
「ああ、大丈夫……」
とにかく!今は目の前のことに集中しなければ……
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またエドが考え込んでいた。
まあいつものことか!
そんなこんなで進んでいくと、今度は一角兎の集団が出てきた。
するとエドが一歩前へ出てきて、
「私がやる」
と一言。
次の瞬間、一角兎が全て壁や天井のシミになっていた。
今度は、一角兎の角が大量に落ちていて、ところどころに肉も落ちていた。
やはり、エドは規格外だ。
角や肉を拾いつつそう思う。
そうして前に進もうとした時、ふと壁を見るとシミがついていないところがあるのに気がついた。
「ねえエド!ここ!なんかおかしいよ?」
「ん?」
エドと一緒にそこを見る。
「なんだこれ?おかしくね?」
「だよね?私もそう思うんだけど…」
2人でなんだろうと言いながら私はそれに触れる。
すると
ゴゴゴゴゴゴゴ……
横の壁が開いた
「「へ?」」
ナニコレ?
「隠し扉……」
エドがそういった。
「隠し扉?見つけた私ラッキー?」
「そういうことになるね……」
「とりあえず、中、覗く?」
「覗いてみるか……」
そうして2人で中を覗くと
宝箱があった。
「宝箱か……」
「ねえ!エド!宝箱だよ!」
ウッヒョ〜!宝箱だ!取りに行くぞ〜!
そして私は中へ向かって駆け出した
「フォス!ちょっと待って!」
エドも駆け出し、私を止めようとしたが、私はすでに中に入っていた。
エドも追いつき中に入る。
すると、
ゴゴゴゴゴゴゴ……
「「あ」」
扉が閉まった。
部屋は真っ暗に。
その中に、赤く光る点がいくつもあった。
トラップだったようだ
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暗い密閉された部屋で、2人寄り添い合う
ここだけ切り取ったら、なんかいい雰囲気だろう。
だが、現実はハイパー無慈悲である。
「ねえ……この状況になった原因さん?何か言い残すことは?」
「今後一切、このような無計画な動き、見切り発車な行動を控えたいです…」
はあ……なんかフォスって感じで安心するのか呆れるのか……
「この手のトラップは、魔物を全て倒せば扉が開くはず」
今、私たちはツヴァイアント(でかいアリンコ)に囲まれている。
個々の危険度は、Dランクほどだが、集団になるとBランクまで跳ね上がる。
フォスなら、集団を満身創痍でギリ倒せるくらいの危険度である。
こいつらは今私たちの様子を伺っているのか、コリラを見たまま全く動かない
「ねえ、こいつら虫じゃん?だったらさ火で全て焼いて倒しちゃお?」
「ヴァカめ!そんなことをしたら、私たちの服に燃え移るかもしれないし、私たちが吸うための酸素がなくなるかもしれないだが?」
「????」
「とにかく、火はダメ」
「はあ〜い」
「とりあえず、1匹ずつ地道に倒していくしかないか?」
「え〜、エド〜あのグルンッってやって倒せないの〜?」
「別にやってもいいんだけど……宝箱がな……」
いつもの調子で回転斬りをすると宝箱を傷つけてしまいそうだ。
う〜む、どうしたものやら……
「なんかここ暑くない?なんか喉乾いてきちゃった……」
「フォスさん?何呑気なこと……」
乾く……水……生き物……
「それだぁ!」
「エド!?」
フォスが叫んだのとツヴァイアントが一斉に飛びかかってきたのはほぼ同時だった。
私の魔力を空気中の水分と、アリンコの体内の水分を結びつけて、一気に引っ張り盗った。
すると、アリンコどもは、急に動きが鈍くなり、目に生気がなくなり、地面に吸収されていった。扉も開いた。
「ふう……」
私の手の上には、空気中の水分とアリンコどもから盗った水分が混ざった、水の塊が浮いていて、地面には、ツヴァイアントの顎となぜか瓶に入っている蟻酸が落ちていた
「エド……今のどうやったの?」
また私は、それらを拾いつつ答える。
「アリンコどもを脱水症状にしてやった」
「????」
「要は、ミイラにしてやったのさ」
「なるほどね……クワバラクワバラ……」
「フォス……お目当ての宝箱ですよ〜」
宝箱に手を置く
「おお〜!じゃ!ご対面〜」
宝箱が開くと、中には金の延べ棒と目が覚めるような赤色をした宝石が入っていた。
「この宝石は……」
「カタナ、これ何かわかる?」
『これは「ルビー」ですね』
「ルビー!?」
「どした?」
「それね……いいお値段で取引されているんだよね……」
どうやら、ルビーは、貴族たちの中で結構人気な宝石で、価値が高いため高値で売れるそうだ。
「これは、持ち帰りだね」
フォスはルビーをボロ布にしまった。
「さ!罠も脱出できたことだし、一階層の冒険をつづけよ!」
こんな調子で、冒険を続けられたら、気が滅入ってしまいそうだが、フォスといると、何だかうまくいきそうな気がしてしまうのは何故だろうか?
「なるべく落ち着いてね?」
こうして、私たちは一階層の冒険に戻った。
一角兎の角
一角兎の角は、加工がしやすく、武器や防具、楽器などの装飾品として重宝されている。
一角兎の肉
肉は、鳥のささみ肉のように、味は淡白で、高タンパク質な肉である。
そのため、ダイエット中の貴族や、体を鍛えている近衛兵などに非常に人気である。
ツヴァイアントの顎
顎は非常に頑丈で加工がしにくいが、物によく引っかかるため、フックショットの先端部分に使われている。
ツヴァイアントの蟻酸
強い酸性で、皮膚にかかると火傷のような症状になったり、最悪、皮膚が腐り溶けてしまうため扱いには注意が必要。
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ルビー
モース硬度 9(ダイヤモンドが一番硬くて10)
石言葉 「情熱」「愛情」「勝利」「勇気」「美」
主な産地 ミャンマーなど
世界四大宝石の一つであり「宝石の女王」とも呼ばれている
光の反射によって表面に6条の光が現れる「スタールビー(どっかのアイドルの双子の妹の左目みたいな感じ)」も存在する
2026/08/13 修正しました
2026/09/27 修正しました




