フレレのギルドマスター
街を歩いていると、バーシスと違うところがたくさんあった。
エドもその違いに色々興味津々だ。
「なあフォス、あの道を走っているのは?」
「あれは自転車だよ、バーシスにはなかったね」
「じゃあ、あっちの道を走っているのは?」
「あれはね、自動車だよ。やっぱこの街は栄えているな……」
「ええ、王都ほどではありませんが、だいぶ栄えている街だと思いますよ。おそらく、これからもバーシスにはないものがたくさんあると思います」
王都ね……この依頼が終わってゆっくりできるようになったら行ってもいいかもな〜
エドの方をチラリと見ると、楽しそうな顔をしている。
なんか、悲しくなっちゃうな
冒険者ギルドフレレ支部にて
「『ルプスルチス』のお二人。フレレにようこそ、私はフレレの街のギルドマスターをしています。サムといいます。」
筋骨隆々としか言いようのない体をしたお兄さんが出てきた。
顔のタイプは爽やかタイプである。
絶対顔のパーツと体のパーツ間違っている
「『ルプスルチス』のフォスといいます。こっちはエドです。」
「ああ、あなたが『雪狼の剣士』のエドさんですか。ご活躍聞いていますよ」
エド(ペコリ)
エドはやっぱり初対面の人は苦手なんだな。
「色々、お仕事についてなどのお話をしたいところですが、そうも行かなくてですね……」
きた!地下迷宮の話だ。
でも、ここで頬が緩まないように意識して……
「地下迷宮のお話ですか?」
「そうだ。サクラさんからお話は聞いているかな?」
「大体のことは聞いています」
「なら話は速い。この街の正門を出て西側にある森の中にある。君たちその中でやってきて欲しいことは、その洞窟が、ただの洞窟か、地下迷宮であるか。洞窟と地下迷宮の見分けかたは、中で魔物を倒した時に、魔物が地面の中に吸い込まれていったらそれが地下迷宮だから、それで判断して」
本当は、中に少しだけ入って洞窟か地下迷宮かを調べる魔道具もあるらしいが、希少なため入手が困難な代物だ。一応、借りるするということもできるが、現在、フレレのギルドにそのような資金がないため、今回はなしでやるそうだ。
「あと、ただの洞窟だったらそこまでいいけど、もしも地下迷宮であれば。地下三階層まではどんな道か、部屋があるか、どんな魔物が出るか、見てきてほしい」
「わかりました」
「……あのっ……少し質問を……」
エドが喋った。
「え?あっ、はい。どうぞ」
「もし…できそうだったら、完全攻略とかしてもいいのでしょうか?ギルドマスターのドミカさん?」
場の空気が一瞬凍る
え?何を言っているの?
ギルドマスターは、サムさんのはずだけど?
「え?エド?何言っているの?ギルドマスターはサムさん……」
「あっはっはっはっは!いやー驚いたね、サムくん。さすがだよ。やはりAランクは伊達じゃない!」
「ギルドマスター、だからバレるって言ったじゃないですか。Aランクにいつものことをしたって、ダメだって!」
え?え?え?待って?理解が追いつかないんだけど?
「え?は??ん?ねえエド?どういうこと?」
「フォス、そのままの意味だよ」
「え?じゃあ……ギルドマスターがドミカさんで……サムさんは?」
「僕は、副ギルドマスターだよ。なんか、騙したみたいになっちゃってごめんね?」
「・・・」
私の開いた口は塞がらなかった。
「あの……それでどうなんですか?」
エドが、質問の確認をした。
「ええ、攻略してもらっても構いませんよ。もちろん、ダンジョン内で獲得したものは、全てあなたたちのものです」
「わかりました……ありがとうございます」
「ですが……獲得したものでいいものがあったら、ぜひうちで買い取らせてくださいね(ボソッ)」
「わかりました……フォス、戻ってきて」
うおぃ
なんか話してたけど、驚きすぎて話入ってこなかったわ。
「それで、なんて?」
「地下迷宮の攻略をしてもいいし、そこで獲得したものも自分たちのものにしてもいいって」
「おっけ〜わかった!」
そうして私たちは、ギルドを後にした
宿への帰り道
「じゃあ明日は、調査のためにショッピングモールで買い物とか準備だね。エドは一緒に行く?」
「いや、私はいいよ。遠慮しておく」
エドの顔が少しだけ青くなったように見えた。
やっぱり、あの時のトラウマがあるからなのだろうか?
「わかった、エドはどこにいる?」
「宿で本を読んでいるよ」
「うん」
いつか聞かなきゃな、エドに何があったのか。




