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フトゥルム  作者: MG
15/16

点と線 兄と弟

 「なに……今の……」

 「さあ?」


 男が叫び、気絶した。その原因は、ヴェレナからもらった小瓶の中身にあると思う。

 そうして、倒れた男のことを見ていると、爪がみるみる生き生きした色にみるみる変わっていった。


 「爪が……」

 「これは、元に戻っている?」

 「それしか考えられないな……」


 正直、何かまずいことになると予想していたが、そんなことはなかったな……


 「う……うう…あれ?ここは?」


 男が目を覚ました。


 「あ!目が覚めたんですね?」

 「あ、まあ……貴女はもしかしてファルススさんの?」

 「ファルスス?えーっと、どなた?」

 「え?違うんですか?」

 「違うもなにも、私、そんな名前初めて聞きましたよ?」

 「そうですか……」


 絶対こいつ何か持ってるな?


 「フォス、こいつをギルドに連れてくぞ」

 「え?あ…まあ」

 「なんでですか?僕何かしましたっけ?」


 こいつ、記憶飛んでそうだな


 「最後の記憶はなんだ?」

 「えっと……それこそ、ファルススさんの開発したっていう新薬の治験に行って……その後に、その新薬を飲んだんですよ。そのあとは………すみません、覚えてないです…」


 クロだな、こりゃ

 おそらく、その新薬がこいつが、やばくなっていた原因だろう。


 「とりあえず、落ち着いたらギルドに行きましょう」

 「はい……」


  こうして、私たちはギルドへ逆戻りした。





 「てなことがあったとね……なんとまあ、こんなに早く被害者?を見つけたね」


 ギルドに男( アキというらしい ) を連れていって、サクラを呼んだ

 今は、最上階のギルドマスタールームにいる。

 男は、身分を証明するものなどは持っていなかった。


 「たまたまですよ」

 「そう?やっぱりAランクは違うね〜」


 そうか?別にAランクだからって、そんなにすぐに被害者?が見つかるわけないじゃん。

 そこはいいんだけど


 「ファルススって何者?」


 私はそう聞いた。


 「えっと……」

 「え?待って?今ファルススって言った?」

 「ええ、はい」

 「それ、ヴェレナの兄さんだよ」


 わお、そこが繋がったか

 なんとなく予想はしていたが、その通りだったか……


 「え!ヴェレナさんってお兄さんいたの?」


 あ、そういやその話しした時、フォスいなかったな


 「そう、2年前から行方不明だったんだけどね。さて、アキくんだっけ?ファルススは今どこにいる?」

 「あ……えっと……」

 「いいから答えろ!」

 「ごめんなさい!わからないです!」

 「最後にあったところはどこだ!」

 「目隠しをされて連れていかれたのでわからないです!」

 「チッ…手がかりなしか……」


 サクラが感情的だった。

 正直、そんなに感情的になるタイプの人じゃないと思っていた。

 おそらく、サクラにとって、とても大切な人なんだろう。


 「サクラさん」

 「あっ……すまない」

 「焦る気持ちもわかりますが、少しづつ聞きましょう」


 こうして、アキからなぜこのようなことになってしまったのかの経緯を聞いた


 「僕は、バーシスの東地区の城壁側に住んでいました」


 バーシスの東地区は、少し、貧乏な地区である


 「安い賃金で働き貧しい生活をしながらも、幸せに過ごしていました。でも、お金がもっと欲しいと思ってしまったんです。

 ちょうどその時でした。いつものように仕事に出かける途中に、綺麗な女性、いや?可憐?優美?でもとても美しい女性に『今、新薬の治験を行なっていて、ぜひ治験を受けていただけないでしょうか?』って言われたんですよ。さらに『報酬は、用意できればいくらでも出します』って言われて。お金に目が眩んで、その女性についていったんです。

 その時に、『あまり場所を知られたくないので』って、目隠しをされたんです。その時に、身分証などを彼女に預けました。

 そして、だいぶ歩かされました。おそらく30分くらい歩いたと思います。そこで『つきましたよ』と、目隠しを外されて、ファルススさんと対面しました。その部屋は、嗅いだ事のない匂いだったな。

 そこで、ファルススさんから、新薬についての説明を受けましたが、めんどくさかったし、お金が早く欲しかったので、真面目に聞いていません」


 おーい、そこが一番大切なところだよ!

 ポンコツめ……


 「そして、新薬を飲んで、安静にしていたところで、記憶が一度飛んでいます」

 「で、次に記憶があるところは…」

 「はい、エドさんとフォスさんに助けられたところです」


 なるほどね、なんとなく掴んできた気がするが……余は、金欲しさに怪しい実験に付き合って、無事に被害者になったってところだな


 「あの〜今お取り込みでしたか?」

 「あ、ヴェレナ!ちょうどいいところに来た」


 ヴェレナさんに、アキさんの経緯を説明した。


 「なるほど、まず、兄さんのいるところはわかりませんが、やろうとしていることはわかります」

 「あいつは、なにをするつもりだ」

 「サクラ、今から説明するからさ…

兄さんがやろうとしていることは、


人類の進化、病気や怪我に強い体を持つ人間をつくること


だと思います。

 このまま説明しますね。まず、動物系の魔物の遺伝子が、人間の遺伝子と同じっていうことは、この男の人以外は知っていますね?」


 「え!?そうなんですか?」


 「そういうことにしておいてください。

 兄さんは、そこに注目しました。魔物と、人間の違いはなんだろう?遺伝子は同じだから、人から魔物になれる。魔物から人になれる。ということを研究していました。

 そして、見つけたんですよ、魔物と人の違い。それが

 

 魔力の存在する場所


 です。

 人と動物は、血液中に魔力が多く存在します。しかし魔物の場合は、細胞内に魔力があります。

つまり、動物の細胞内に魔力を無理矢理でも入れれば、その動物は魔物になれる。ということです」


 「ってことは、ファルススは、人類を魔物することって、つまりは人類の進化だから、人類魔物にしてやる!って思ってるの?」

 

 フォスが聞いた



 「そういうわけではないんですよ。おそらく兄さんは、それを利用して昔病弱だったサクラを救おうとしていたんだと思います」


 「私のため?」


 サクラがそっと口にする


 「まあ、兄さんはそれらの目的を目指して研究をしていたのですが、流石に非人道的と非難され、研究所を追放され、その後、兄さんは行方不明になりました。

 今回、アキさんが飲まされた薬は、その研究の副産物の、人体を魔物化させるものだと思います。その薬の副作用で爪がどす黒くなったりするのは、追放前の兄さんのマウス実験の時に確認済みです。

 兄さんがこんなことをしてしまい申し訳ないです」


 そう言ってヴェレナさんが謝ってきたが......

 また情報量が多いな

 あーあ、フアキがポカーンってしちゃってるよ


 「ヴェレナ、顔をあげて」

 「サクラ?」

 「ファルススがそんな研究を始めたのは、私の体が弱かったからなんでしょ?謝るのは私のほうだ、すまない。そしてありがと。でも、ファルススのやろうとしていることは許されるものじゃないと思う。だからさ、一緒に止めよ?ファススを」


 こうして、ファルススの計画を阻止するための計画が立てられ始めた。



****



 「ふふふふ......ついに、ついにできたぞ!これで人類を次の段階にすすめることができるぞ!」

 暗い部屋で、ファルススが一粒の薬を持ち笑っていた。

 部屋の隅には、たくさんの小さな肉塊があった。

 「今まで、たくさんの人間を犠牲にしてきた。最初の方は、初期変化に耐えられずに、小さな肉の塊になってしまったものが多くいたなぁ……まあ、なにを成し遂げるにも、犠牲はつきものだ。正直、残念である。だがしかし!薬の配合!効果の効きどころ!細胞内に魔力を流し込むプロセス!体が変化に耐えられるようにするための薬品!それらの配合を微調整して、ようやく、ようやくできた!」


 待っててね?サクラちゃん

 ようやく君を救える

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