刹那のサクラ
翌日 お昼過ぎ
私たちは、今冒険者ギルドの解体場にいた。
なぜそこにいるかは、少し時間を遡る。
◇◆◇◆◇◆◇◆
当日 早朝
目が覚めた
「ん、おはよ〜エド。朝ごはんできてるよ」
昨日の夜、泊まった宿の備え付けのキッチンを使ったらしい。
さすがはフォスさん、シゴデキですね。
「今日の朝ごはんはね、食パン(いちごジャムorマーガリン)、コンソメスープ、緑黄色野菜サラダ、コーヒーだよー」
よかった…安全s「後ね、生クリームパン!」
「おやすみ」
「わ〜!寝ないで〜!」
なんで、フォスさんは、そんな重たそうなものしか出さないのだろうか?
せっかく今回は良さそうだったんだけどな…
「まあ、朝ごはんだけは食べよ?干し芋出しt「いただきます」
そうだよ、最初っからそう言うふうにしておけばいいんだよ。
「はや…いただきますって言った瞬間に毛布が舞ったよ?」
そんなことを言いながら、朝食を食べていると魔話(遠くの人と音だけの会話ができるもの)がなった。
「はい、もしもし…はい…はいはい……え!?もうできたんですか?はいはい、わっかりました〜。はい、ありがとうございます。はい失礼します」
「なんて?」
「なんとびっくり、オークの解体終わったって」
え?まだ1日しか経ってないよ?流石に早すぎじゃね?
「まあ、朝ごはん食べてから行こっか」
◆◇◆◇◆◇◆◇
と言うわけで、朝ごはんを食べてすぐにギルドに向かったわけ。
ちなみにカタナは、ホテルに置いてきた。
「いや〜、あんなに状態のいいオークは初めてでな。ついつい作業員全員、徹夜で作業しちまってな…気づいたら朝だし、全部終わっているし…」
イケオジィ…あなたの方がシゴデキかもぉ
「そんじゃ、報酬とか色々渡すぞ」
オーク×34
34×オーク一体につき大金貨60枚=大金貨2040枚
依頼関係なしに持ち込まれたオーク(最初のオーク)ギルドが買取=大金貨50枚
「と言うわけで、渡す金額は、大金貨2090枚だ、白金貨とかにしてもいいんだろうけど、それだと使い勝手が悪いだろう?まあ、重たいだろうけど頑張ってな」
と、ドンと革袋が置かれた。
中を開くと、ジャラ…と大金貨が鳴った。
やったぜ!これで、今日の朝、食べ切った干し芋を大量買いできるぜ⭐︎
「あの、その金貨私のギルド銀行口座にあとで振り込んどいてくだい」
「了解、フォスだよな?んじゃ、ギルドカードをちょいとばかし拝借するぜ」
そう言ってフォスのギルドカードと革袋を持ったままイケオジは、奥に向かった
あ、あの?今買わないんですか?今日食べ切っちゃったし、今買わないと明日の分ないよ?干し芋ないと、まずいよ?
少しすると、イケオジが戻ってきた。
「ん、ちゃんと振り込んでおいたから、安心しろよ?」
「ありがとうございます!」
「あ、そうそう、さっき金を預ける時、受付嬢にギルドマスターがお前たちに会いたいらしいから呼んどけって言われたんだけど…」
「え?本当ですか?」
ギルドマスター?誰だそれ?
「あの…フォス、ギルドマスターって?」
「ああ、ギルドマスターはね、そのギルドのトップだね」
めんどっ、なんでそんな奴に合わなきゃいけないんだよ…
「まあまあ、そんなめんどくさそうな顔しないでって…」
え?私、顔に出てた?まじか…
「とにかく、あってやれ。あいつぁ結構寂しがりやなんだよ…」
と言うわけで、ギルドマスターに会うことになった。
冒険者ギルド バーシス支部 最上階
「ついに…ここまできたわね…」
私たちは、両開きの扉の前に立っている。
この扉の奥には、ギルドマスタールームがある。
え?なに、もう冒険、クライマックス?
「ここ前長かった…」
まあ、そうだね、最上階だからって言われてエレベーターで行こうと思ったら、今日は点検日で使えない。だから、階段で行こうと思ったら最上階って、60階だしね。階段の総段数は1637段!そりゃ、疲れるし、こんなクライマックスみたいになっても仕方がないか…
「さあ、いくよ!」
2人で、扉を開いた。
誰も…いない…?
「居ないと思った〜?」
どこからか声がした
「いるよっ!」
目の前に、急に人が現れた。
小柄で、綺麗な黒髪。高い位置でポニーテールにしてまとめている。
「君が、エドだね?初めまして!私は、冒険者ギルドバーシス支部のギルドマスター
サクラよ!よろしくね!」
「え!?サクラって、あのサクラさん?」
あのサクラって、どのサクラやねん
「貴女は、フォスね。活躍聞いてるよ。そうだね、私が元 Bランクの冒険者『刹那のサクラ』よ」
「きゃああああああああああああああ!ふっ………」
あ、フォスが倒れた。まあ、幸せそうな顔しているからいいか。
「でだ、エド。君には聞きたいことが山ほどある。立ち話もなんだ。そこに座って話をしよう。フォスは、医務室に運んでもらおう」
フォスは、そのまま下に運ばれていった。
私と、サクラさんは机を挟んでソファに座った。
「さて、質問を始めようか」
「はい」
あれ?なぜか喋れてる?何にもつっかえずに喋れている。
「ふふん、不思議でしょ?これは私のスキル、『緊張緩和』どう?少しは、まともに喋れるでしょ?」
「そうですね。でも、なんで私が上手く喋れないことを知っているんですか?」
「ここまで上り詰めれば、ある程度のことは調べたりできるからね」
「恐ろしい…」
「あっはっはっは、そんなに怖がるなって。大丈夫、そんな怖いことは聞かないから」
「だといいんですが…」
「それじゃあ、最初の質問をするね?」
「はい」
「最近、倒したはずの魔物が消える事件が多発していてね。そのことは知っているかい?」
「はい、実際に先日の依頼でその被害に会いました」
「そうかい、なら話は早い。今回のこの事件は、人によるものだと私たちギルドは睨んでいる。何か知っていたり、怪しいなと思っていることはないかい?」
「最近、ヴェレナという研究者に会いまして、その時にこの小瓶をもらいました」
私は、ヴェレナに渡された小瓶を机に置いた。
「失礼」
そう言って、サクラさんは小瓶を見始めた。
しばらく、小瓶を見ていた後
「なるほど…ヴェレナがね……この小瓶をギルドの方で預かってもいいかい?どうせあいつのことだ。フォスにも渡しているんだろ?」
「まあ、はい。あれ?サクラさんってヴェレナさんと知り合いで?」
「サクラでいいよ。まあね、あいつのは子供の時からの腐れ縁なんだよ。ほんとは、あいつには兄がいてな、元々体が弱かった私のために、2人で科学者として世紀の大発見をするんだ!って子供の時から意気込んでたよ…でもな、2年前、兄が行方不明になってな…あいつは、いつでも兄が帰ってきてもいいように、って研究に没頭して……」
サクラは、目を押さえた。
「ああ、すまんな。取り乱して…それでだ、他に何か気になることはあるか?」
「いや、特には…」
「オッケー、ありがとうな。次にヴェレナに会うことがったら、よろしく伝えておいてくれ」
「ありがとうございました」
「ん、そんじゃこれ、お土産な」
そう言って、紙袋を渡してきた。
中身は…
「干し芋!」
「好きだろ?だから、高級品を買っておいたんだ」
「ありがとうございます」
「おう、これからも活躍期待してるよ『雪狼の剣士』さん」
こうして、私はギルドマスターとの会話を終えた。
夕方 帰り道
「いいな〜私も、サクラさんと話したかった〜」
フォスは何か嘆いているが、私の知ったこっちゃない
干し芋うまうま
「早く帰るよ」
そう言って、ホテルへ向かうために大通りを通っている時
「きゃあああああ!」
悲鳴が聞こえた。
すぐにそこへ向かうために駆け出した。
「誰かぁ!誰かあぁ!アレを持っていないのかあああぁ!?」
そこには、男がいた。
その男は、目の下にすごいクマ、そして、爪がどす黒かった。
「フォス!」
「ヴェレナさんが言っていた特徴!」
「小瓶を!」
すぐに、フォスは小瓶を取り出し、その男に渡した。
「あの?これ!」
「あ゛…あ゛り゛か゛と゛う゛こ゛さ゛い゛ま゛い゛ま゛す゛…」
そして、男は小瓶からそれを取り出し飲んだ。
「ゔぇ…があああああああ!」
男は、地面が震えるくらいの叫び声を発した。
「がああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…………」
そして、男は、気絶した。
2026/06/26に加筆を行いました




