005_魔力鍛錬
魔力ってのは大体12才から14才の間に、どれだけ鍛錬するかで将来の伸びしろが変わるらしい。
役場の爺さん改めロイ・ドイルは、レオンの魔力が発覚した8才の頃からずっと言い続けてきた。
だから12才になった暫く前から限界近くまで毎日魔力を使わされ、こんな生活が2年も続くのかとレオンが絶望していた。
そんなある日から、レオンの頭が急に良くなったのだ。
中身が大人になっただけなのだが、これにより魔力を使うだけの訓練に加え、魔力の座学まで始まってしまった。
与えられた教本を、一旦最後までパラパラと軽く眺めてみる...
前世と同じじゃないか。まるで化学の教科書のようで、憂鬱になり始める。
だが前世では存在すらしなかったファンタジーの知識だ。
興味がないわけじゃない、面白そうさ、確かに。
魔力の行使鍛錬と座学を平行して行う意味はあるのか、ロイ爺に尋ねる。
面倒くさいことは極力避けたい性格なので、理由くらいは聞かないとやらないだろう。
回答としては、魔力の扱い方及び魔法式を学ぶことで、行使がスムーズになるとのことだ。
つまり、魔力を使い切る鍛錬にかける時間を短くできるわけか。
また、日常生活に使える魔法から学ばせるとのことだ。
そう言うとロイ爺は指先から小さな火を出して見せた。
ライターは確かに欲しいな...
さて、やる気になったのはいいが単純に教科書を覚えて終わり、とは行かん。
魔法の行使には専用の文字、文法を扱った魔法式を理解できなくてはならない。
レオン自身、この世界の文字はこれまでロイ爺から学びはしたが、それとは別の文字が必要だ。
学び始めた感想としては...日本語と英語くらい違う。
まずこの世界の標準語が英語チックなんだが、かといって魔法式が日本語に似ているわけでもない。
けど文法や文字の離れは日本語くらい大きい。
こりゃ大変な勉強だ。何せ前世の俺は、英語がダメ過ぎて留年しかけたからな。
魔法とは、外国語で化学を学ぶようなものだ。
どれほど時間がかかることか...絶望はしたが、やるしかあるまい。
魔力が大きいほど、公務員として給金が増えるのだ。
周囲の村は全てロイ爺がテレポートで請け追っており、その分給金が凄まじいのだ。
この村だけなら今の俺で事足りるが、上を目指したほうがいいだろう。金は大事だ。




