第124話 歌舞伎町ダンジョン
――新宿歌舞伎町。恋の皮を被り、男と女が騙し合いをする夜の街。
金を払えば孤独を忘れられると、誰もが信じたがっている場所だ。きらびやかなネオンの灯りに誘われ、一時の快楽に身を任せ、夜毎に金を落としていく。
その先に破滅が待っているという現実に、目を背けながら。
「俺、あんまり新宿に来たことないんだよね。ましてや歌舞伎町なんて」
「僕もだ。何度か映画と舞台に来たことがあるくらいかな」
「オレは仕事の付き合いでわりと来たけど、それでも回数は多くないな」
ゲロゲロ達にそれぞれ跨り、のんびりと朝の新宿を進む。
男連中で話していると、えーっ、と腕の中にいるチヨちゃんが吃驚した声を上げた。
「せっかく東京に住んでいるのに? なんかもったいなくないですか?」
「いやー、歌舞伎町はそもそも俺達に縁がないし、怖い所だから。近寄るだけで危ないと思って」
「分からなくもないですけど、言い過ぎでは? 歌舞伎町をなんだと思ってるんですか?」
伊波の後ろでシュバルツに跨っている七緒ちゃんが、呆れた目で見てくる。
なんだと思っている、か。そうだなぁ……。
「他人の好意をレシート付きで買う街」
「恋愛を月額課金にしたサ終間近のゲーム」
「自尊心の墓場」
「ど偏見が過ぎるでしょ……」
「夜のお店の人達に怒られますよ~……」
でもそんなもんでしょ。大きく外れてないと思う。あとはジャッジ〇イズの舞台かな?
発売当初はバカにしてたけど、まさかあんなに面白いゲームになるとは思ってなかったよね。まぁ途中までしかプレイできてないんだけど。
クリアしようとする度になぜか忙しくなって、毎回途中で投げ出すんだよな。いつか必ずエンディングを観よう。続編もやりたいことだし。
「まぁでも危ない街ってのは事実だと思うよ。二人ももう高給取りなんだし、気を付けてね。お金の使い方にあまり口を出すつもりはないけど、自分は大丈夫って思ってる奴ほど詐欺師に引っかかりやすいとか言うし。お試しで行ってホストに貢ぐ可能性がなくもない」
「いや、ないですよ。私をなんだと思ってるんですか」
「私もホストに通うくらいなら、楓太さん達と遊ぶ方が楽しいですね~」
ふっ、チヨちゃんは嬉しいことを言ってくれる。
でも、七緒ちゃんは正直怪しいと思うんだよな。なんだかんだ素質ありそうっていうか。チヤホヤされて調子に乗っている姿が容易に想像できるっていうか。
「ただ二人の場合、ここを歩いているだけで危ないっていうのはあるよね」
「え~? なんでです?」
「いや、スカウトがめちゃくちゃ声をかけてくることが予想できるから」
「ああ、それは確かに。いつの間にか夜の店で働くことに、って可能性も」
「スカウトからすれば声をかけない理由がないよね」
うんうんと、川辺と伊波は何度も頷いていた。
顔良し、スタイル良し、と見た目は完璧だからな。中身の狂暴さを知らなければ……いや、知ったとしても諦められない逸材だ。
目の肥えているスカウトだからこそ、逃す訳にはいかないと気合が入るだろう。
共感している俺達に、七緒ちゃんは冷めた声で言う。
「馬鹿馬鹿しい。ハッキリと断ればいいだけでしょ」
「私もそれはさすがに強く拒否しますよー」
「いやぁ、そう簡単に諦めないと思うよ。しつこく勧誘を受けるんじゃないかな。まぁ俺達と一緒ならあっさり引き下がってくれると思うけど」
「えー? そうなんですか? どうして?」
気になったのか、チヨちゃんが俺に背を預けるようにして、俺の顔を見上げてくる。
倒れ込んだら危ないから、前を見てなさい。
「俺達の誰かがさ、もう売り先は決まっているからって言えば、たぶん納得して引き下がると思うよ」
「あー、店同士で揉めたくねぇだろうしな」
「むしろ同情してくれるだろうね。こんな若くて可愛い子たちが、可哀そうにって……」
伊波がさもそのスカウトのように、不憫そうな目を二人に向ける。
当然、七緒ちゃんは憤慨した。
「可哀そうに、じゃないでしょ!? 想像とはいえなに人を風呂に沈めようとしてんですか!?」
「思った以上に最低でした……ッ!」
「でも二人だったらたぶん、相当稼げるよな?」
「うむ。生憎と僕らの好みからは外れるけど、1、2を争う嬢になると思う。……姉妹揃ってとか付加価値が凄いな」
「本気で最低なんですけど……ッ!」
「ゴミカスの発言です……ッ!」
いざという時の対処法を教えただけなのに、二人からは相当な不評を買ってしまった。いやそりゃそうだわ。
わりとマジで怒る二人の機嫌を取りながら、俺達は歌舞伎町支部に辿りついた。
ビルの中に入って見れば、わりと探索者の数がいる。朝の歌舞伎町でこれだけ人が集まっているのも、珍しいのではないだろうか?
へんなところで感心していると、川辺がうわっと、小さくうんざりするような声を上げた。
「なんかチャラそうというか、ガラの悪そうな連中が集まっているな……」
「ああ。いつだったかの芹澤とかいう奴にそっくりな奴らだね」
伊波の言う通り、本当にアイツを彷彿させるような奴ばかりだ。
歌舞伎町ダンジョンの特徴からして、まぁ納得の結果ではあるが、出来れば関わり合いになりたくない。
「嫌なこと思い出させないでくださいよ」
「せっかく忘れていたのに……」
二人の会話に、七緒ちゃんとチヨちゃんがしょっぱい顔をする。
最近はようやくバカな男から逃れられたもんね。また狙われたら、と考えたらうんざりするのも仕方ないと思う。
そして嫌な予感ほど、なぜか当たってしまうというものだ。
「うおっ! めっちゃ可愛いじゃん! なに、君ら探索者!?」
「うっそでしょ! アイドルかモデルじゃなくて!?」
一番側にいたガキ共が、こちらを見るなり近寄って来る。
二人の嫌そうな顔に気づいていないかのように、自分達の調子で捲し立てている。
「なに、もしかしてこっちのオッサンたちとパーティ組んでる感じ? 嘘でしょ。マジでウケるんだけど」
「なぁなぁ、そんなオッサン達じゃなくて、俺らと一緒に行こうよ。歳もたぶん近いしさ、俺らの方がもっと上手く君らを守ってあげられるよ」
俺らのことも知らずに好き勝手言ってくれるなこのガキ共。
そもそも大した実力もねえだろ。お前らが狙っているこの子達の方が遥かに強いぞ。
守られるのはどっちだよっていう――あっ。
――パシンッ。
真っ先に近寄ってきた二人が、二人に手を伸ばしているのを見て、思わずその手を叩き落としてしまった。
俺に手を叩き落とされた男は、あっ? と急に不機嫌そうな顔になり、俺を睨んでくる。
「はっ? なに?」
「なに? じゃないだろ。セクハラを防いだだけだ」
「はぁ? あのさオッサン。俺らオッサンと違って若いから、セクハラにはなら――ッ!?」
言い返そうとしてくる男の顔面を、川辺がガシリと掴む。そして、そのままグググッと宙に持ち上げた。
片手で顔を掴んだまま持ち上げられる。男は今こめかみに締め付けられるような激痛が走っているだろう。慌てて川辺の腕を両手で掴み、足を振り回して暴れる。しかし、川辺は平然としながらそのまま持ち上げ続けている。
軽々とそんな怪力を見せる川辺に周りの目が集まり、皆がさっと顔を青くしていた。
「あがっ!? ぎぃいいぃ……はっ、放せ……!」
「あのよ、歳が近かろうが若かろうが、初対面の女にボディタッチとか普通にセクハラなんだよ。それも分からないようなら怒られても仕方ないよな? なぁ、このまま頭を握り潰してやろうか?」
「――いっ!? 痛だだだっ! わ、悪かった! 俺が悪かったから離せっ!」
本当に悪いと思ってるのかコイツ? ちっとも反省の色が見えな――あ、やっぱり反省してないな。
川辺がパッと手を離すと、男は頭を抑えながらほっと息を吐き、慌ててツレと一緒に離れていく。
その背を見ながら、川辺はフンッと鼻を鳴らした。
「どこにでも似たような奴がいるもんだな。鬱陶しい」
「まったくだ。しかしお前、よくあんな脅すような真似できたね。むしろビビって固まることもあり得ると思ったが」
まるで川辺が本物の強者のようだった。
正直、誰だコイツと思ってた。
心外だと言うように、川辺は微妙な顔をする。
「いや、明らかに雑魚って分かるような奴だぞ。さすがにもうあんなのにビビらねぇだろ。俺らがどんな奴を相手にしたと思ってるんだよ」
ああ~、それもそうか。フィールドボスを相手に、引かずに立ち向かったような奴だ。粋がっているだけのクソガキ如きに今さら怖気づくわけがないか。
「それを言ったら、お前の方がびっくりだよ。無礼過ぎるガキとはいえ、よく手を叩き落としたな。弱いくせに」
「弱いは余計だろっ。思わず体が動いちゃったんだよ。ほら、タケさん達に慣れちゃうと、あんなのただのガキにしか見えなかったから」
「ふむ。それもあるかもしれないけど、単純に守りたい、触られたくないって思ったからじゃないかい?」
ん? ああ、まぁそれはそうだろ。
二人が嫌がる顔を見るのは、気分が悪くなるだろうし――って、なに?
七緒ちゃんとチヨちゃんを見れば、ニマニマとした顔で俺を見ている。
「え? なに?」
「いえ、別に? へー、嫌なんだ、って思っただけですよ」
「そうそう、ちょっと嬉しかっただけですよ~。独占欲かな~って」
「別にそんなんじゃないですけど? むしろ俺が止めてあげないと、あのチャラ男たちが殺されるかなって思ってだね」
「はいはい、そういうことにしておきますね」
「ふふふっ、分かってますよ~」
なんか不名誉な勘違いをされている気がする!
独占欲ってなに!? べつに二人は俺の物なんて思ってねぇし! そんなキモイおっさんじゃねぇから!
これは何か言い返さなければ……!
「お前ら仲良いな~」
「あ、世永さん」
言い返そうとしたところで、背後から世永さんが声をかけてきた。
そしてぬっと俺に顔を近づけ、囁く。
「仲が良いっていうか、見せつけてくれるじゃねぇか。イチャツキやがって。会長は非モテの味方だと思ったんだがな。嫁を作ろうっていう会長がそんなんでいいのか?」
「何言ってんですか。俺の目標がブレる訳ないでしょ。っていうか見てたなら助けてくださいよ」
「あの程度の連中なら問題ないと思ってな。ここはああいう奴らばっかだからよ。いちいち助けを待ってたらキリがないぞ。自力でなんとかせんとな」
まぁそれもそうか。
今は俺達も強くなったし、川辺一人でなんとかできたしな。
できることは自分でなんとかせんとか。
納得している俺に、世永さんは気楽に笑って見せた。
「まぁそんなに心配することもない。こうして俺達と一緒にいる所を見せたんだ。俺の連れだって理解すれば、ちょっかいをかけるやつもいないだろう。それよりも、準備ができたなら行こうか。――嫁が俺達を待っているからな」
世永さんのパーティが揃って渋い決め顔を作っている。
その目的さえ知らなかったら、本当にカッコ良かったんだけどな。
まぁそのきっかけを作った俺が言う事じゃないんだけど。
「あっ、世永さん。ダンジョンに入ったらお願いがあるんですが」
「おっ、なんだ? なんでも言ってくれ」
こうして俺達は世永さんと共に、サキュバスを求めて混沌なる歌舞伎町ダンジョンへと足を踏み入れた。
♦ ♦
「痛ってぇ~……マジで頭割れるかと思った」
「あのデブ、まさかあんなに強ぇなんて思わなかったな。見た目はただのデブオタにしか見えなかったのに……」
川辺によって追い払われた二人の若者は、逃げるように歌舞伎町支部から出たあと、グチグチとぼやきながら歩いていた。
「楽な仕事だと思ってたのによ~……下手すりゃ俺ら殺されてたんじゃね?」
「雰囲気は全然感じなかったけど、少なくてもレベル20はいってそうだよな。話と全然違うじゃねぇか」
情報の齟齬に、お互い文句を言い合う。が、それを上に伝えようとまでは思わない。
この二人からすれば、自分の上司の方が遥かに恐ろしいのだから。
二人は細い路地に入っていく。そのまま歩けば、ぽっかりとそれなりに広いスペースがあった。
そのスペースには、二人と同じようなガラの悪い男達がたむろしている。その一番奥で煙草を吸っている男に、二人は頭を下げた。
「お疲れ様です、鮫島さん」
「おう、来たか」
鮫島と呼ばれた男は、煙を吐きながら二人に目を向ける。
フード付きの黒いコートに身を包んだ若い男だった。中にはパーカーに細身の黒いズボンで、革の手袋を使っている。動きやすさを考えた格好で、明らかに喧嘩慣れした空気を纏っている。
表情は笑っているが、目は何処か振り切ったような危うさを感じる。そんな目で見られ、二人は思わず震えた。
「で、どうだった? 仕事はちゃんとやったのか」
「もちろんです! しっかりと【マーキング】してきました!」
「パーティにいた女じゃなくて、デブの方にですが! 気づかれずに仕込めたはずです!」
自信満々に言う二人に、鮫島は小さく頷く。
「それならいい。それで、そのパーティの連中はお前らから見てどうだった?」
「それが、近くで見ても全然強そうには見えないんですが、軽々と捻られちまって」
「少なくとも【マーキング】をしたデブは、俺達より強いと思います」
「ふん、なるほど。そりゃ面倒だな。だがまぁお前らが雰囲気を感じなかったってことは、修羅場は潜ってねぇだろ。やっぱり保護者付きで安全にレベリングをしてたか……」
鮫島は煙草の火を消し、足元に捨てた。
そしてそのまま歩き出しながら、周りに指示を出す。
「このまま予定通りに進めるぞ。だが【マーキング】は済んでるからな。のんびりやっていい」
それぞれが返事をし、動き出す。最後に楓太達に絡んだ二人が後に続こうとしたところで、あっ、と声を上げた。
その声に気づき、鮫島は振り返った。
「どうした? なんかあったか?」
「あっ、はい。あの……消されました」
「あ? 何が?」
「だから、その……【マーキング】が消されたみたいです」
「……ああ?」
ピキリとこめかみをひきつかせ、鮫島は二人に近づく。
報告した男の胸倉をつかみ、顔を寄せた。
「おい、バレてねぇって俺に言ったよな? お前俺に嘘吐いたってことか? ああっ!?」
「ほ、本当に上手くいったと思ったんです! アイツら全然気づいているようには見えなくて! すみませんっ! すみませんっ! どうか許してください!」
顔を青ざめながら必死に謝る男に、鮫島は舌打ちして手を離した。その瞬間、バチンッと強い音が響く。
鮫島に頬を張られた若者は、ボタボタと鼻から出血し、虚ろな目で膝をついていた。
それに見向きもせず、鮫島は怠そうな声で呟く。
「はぁ、楽な仕事だと思ったのによ。予定変更だ。急いで準備しろ。網を張るぞ」
それを聞いた男達は、返事をして走り出した。
命令に応えるというよりも、鮫島から逃げ出すように。
♦ ♦
「【消印】――よし、これで消えた。問題ない」
世永さんのパーティである〈斥候〉の人に、川辺に付けられた【マーキング】を消してもらう。
腕をグルグル回しながら、川辺は礼を言う。
「ありがとうございます。助かりました。しかしまさか【マーキング】なんか付けられていたとは。全然気づかなかったわ」
「僕もだ。思った以上に厄介なんだね」
うぅむ、と伊波は唸り声を上げた。
〈魔術師〉として、魔力の動きに気づけなかったことに不覚と感じているのだろう。
気持ちは分かる、とでもいうように世永さんは頷く。
「気づけなかったのは仕方ない。【マーキング】は直接害がない分、付けられたことを感じ辛いからな。おまけにそれを消そうとなると同じ〈斥候〉職の【消印】を使うか、効果範囲から逃れるしかない。意外と面倒で厄介なスキルなんだ。むしろ気づいた小畑さんが凄い」
「いやー、なんか変な動きしてるなーと思って、思わず川辺に【鑑定】をかけただけなんですけどね。ビンゴでした」
直感に従ってよかった。
下手すればそのまま見逃していたかもしれないからな。
「同じ〈斥候〉職なら気づきやすいんだが、それでも注意深く観察しないと【マーキング】を見逃すことが多いからな。対処法としては、怪しい奴からの接触に警戒するくらいしかないんだ。常に〈斥候〉が仲間を観察する、なんて無理だしな」
「それが当たり前になるまで、一体どれだけの善良な探索者が狩られ続けたことか……」
世永さんのパーティ〈不動戦士団〉の面々が、忌々しそうに顔を歪める。
俺達でも危うい経験があったくらいだし、ダンジョン黎明期から活動している世永さん達は、もっと凄惨な事態に巻き込まれてきたのだろう。
この人達が善良かどうかは、少し首を傾げるところではあるが。
腕をグルグルと回していた川辺が、ピタリと動きを止めてこっちを見る。
「【マーキング】してきたってことは、あのクソガキども、復讐でも考えていたってことか?」
「復讐っていうか、美味しそうな獲物を諦められなかったって感じじゃないか?」
美女二人を連れたオッサン三人。諦めるには惜しいだろうな。
「最悪。やっぱり自分で踏みつぶしてやるべきでした」
「ピーちゃん。マル。次同じことをやられたらやっていいからね」
「ピュイイイイ!」「ワンッ!!」
七緒ちゃんとチヨちゃんが、自分を抱き締めるようにする。
チヨちゃんの命令に、ピーちゃんとマルもすっかり殺る気満々だ。これは本気であのクソガキ共の命が危ないかもしれない。
「まぁもう外したし、そんなに心配することもないだろ。今の俺達なら大抵の奴を相手にしても返り討ちだ」
世永さんはそう言って、不敵に笑う。
その発言は決して大袈裟な物ではない。
世永さん達は今日の探索に備え、新年会からの僅かな時間で再び深層へ遠征。そしてとうとうレベル50を超え、【種族進化】に至っている。
エルフじゃなかったと、分かり切っていた結果に少し泣いていたらしいが、世永さんらしい種族に進化したそうだ。此処では騒ぎになるから見られないが、その姿を見れる時が今から楽しみだ。
「それで、どうだ? 歌舞伎町ダンジョンのフィールドは?」
「どうって言われても、殺風景なところだなぁとしか」
世永さんに聞かれ、改めて当たりを見回す。
薄暗い、どんよりと曇った空。そして、どこまでも広がる不毛の荒野。
この場に立っているだけで、気が滅入ってくるような辛気臭いダンジョン。それが歌舞伎町ダンジョンの姿だった。




