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アラサーからのダンジョン探索~英雄は目指さない。マイペースに遊びながら稼ぎます~  作者: 迷子
第三章 はじめましてマイ・フェア・レディ

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第118話 フィールドボス④

 グランドスタンプの戦略を考えた時、最大の問題は瀕死に追い込んでからだった。

【臨線激昂】という、おそらく瀕死付近まで追い込んで、初めて発動する強化スキル。


 ただでさえ強いフィールドボスがこれを発動したら、その強さは想像もできないものになるだろう。


 長引かせるのは不利。ではどうするか?

 そのために出した結論が、【臨線激昂】状態になってから一気に殺すという、分かりやすいほどの力技だった。

 そしてその手段が、天城さんを最後まで温存するということだ。


 格上殺しにして、魔獣殺し。対魔物戦闘の達人である、天城さん。

 小畑会の最大戦力である彼を、この場面に届けること。それが俺達の戦いだった。


 だから俺達にとっての勝利とは、この場面を迎えることだったのだ

 あとはあのコミュ障ジジイに全てを任せるだけでいい。

 彼ならきっと、俺達の期待に応えてくれるから。――たぶん。


 ♦   ♦


「うわ~……がりがり【MP】が削られていくんだけど~……」


 アキラは口をへの字にして、グランドスタンプを見つめている。


「三人がかりの【隠蔽】でも〜……やっぱりダメか〜……」

「【隠蔽】を重ね掛けって発想はなかったから、いけるかもって思ったけどね。いや、むしろまだ保っているなら効果はあるのか。とはいえ、そう長くは保たなそうね」

「だな。おい爺さん、大丈夫なのか? 時間はそうないぞ」


「黙ってろ。気が散る」

「はぁ!? なんだコミュ障ジジイ!? 初対面だと目を合わすことも出来ねぇくせに!」


「ちょっと〜……邪魔しないでよ〜……」

「そうよ、静かにしてなさい。あんた失敗したら責任取れんの?」


 緊迫した空気の中で、ここだけは騒がしい。戦場から離れている分、余裕があるからだろう。

 とはいえ、グランドスタンプがこちらを意識し始めていたことで、斥候の三人も焦りを覚え始めてきた。


 しかしそんな中で、天城の心中は三人とはまるで違った。


 ――ああ、楽しいな。


 それが、天城の率直な想いだった。

 ぶっきらぼうな口調で、話しかけてきた男を無碍に扱った天城だが。

 この状況で、彼は心から楽しんでいた。


 ♦   ♦


『晴久。いつかきっと、あんたを分かってくれる人がいるから』


 天城は若い頃、実の母からそう慰められてきた。

 父親を早くに亡くした、母子家庭で。上手く人と話せない、コミュ障で。


 そんな天城は、故郷では雑に扱われてきた。

 誰も成り手がいなかったが故に、死んでも困らないだろうとマタギの仕事を押し付けられ、村共有の便利屋としてこき使われたほどに。


 そんな天城の理解者は、師事を受けたマタギの師。そして母親。この二人だけだった。


 その二人が亡くなってから、天城の扱いは更に悪くなった。

 自分の仕事もやって当然と思われ。感謝すらされない。失敗すれば人格までをも否定される。そしてやはりほかの雑務まで押し付けられる。


 便利屋、と言えば聞こえがいいが、実際は奴隷のようなものだった。今振り返れば、よく耐えていたものだと天城は自分に呆れる。


 しかし、それでも村に居続けたのは、母親のその言葉があったからだ。

 いつか自分も、認められると。そうなって欲しいと願っていたから。


 その願いはとうとう果たされず、最終的にブチギレ出奔から都会に出て、その後に村が滅び。良い気味だと笑っていたが。


 本当は、皆の一員になりたかった。


 それはそれとして、都会に出てからの生活は豊かなものだった。

 ダンジョンのおかげで資産は増え、裕福に暮らせた。


 これはこれで、悪くない。心の隅にわだかまりを感じつつも、おおむね満足な生活だった。

 こんな生活で、寿命まで生きていければそれでもいいか。


 そうぼんやりと思っていた天城の生活が変わったのは、二ヶ月ほど前。タケに紹介され、楓太に出会ってからだった。


 天城:低級回復ポーション。5本

 小畑:おかのした

 小畑:あっ

 小畑:すみません。間違えました。つい身内ノリが。へへっ。どうか許してくだせぇ

 天城:ええんやでー

 小畑:えっ!?

 小畑:……すまんな

 天城:ええんやでー。それよりポーションを頼むやでー

 小畑:だが断る

 天城:――!?


 楓太に初の注文となる、SNSでの会話である。

 実を言うとこの時、天城はかなり勇気を出して返事を打ち込んだ。


 ただ、こいつなら大丈夫なんじゃないかという直感が働いた。

 そして、この時の天城の選択は正しかった。


 小畑:はぁ~。なるほど。それでネット弁慶お爺ちゃんができ上がったんすね

 天城:酷いンゴ……

 川辺:いや、でもそうとしか言いようがないぞ

 伊波:うむ。だがまぁ僕ら側の人間だと分かったし、むしろよかったじゃないか

 小畑:だな。緊張するよりよっぽどいい。ところで天城さんス〇ッチ持ってる? いい機会だし、夜にマ〇カーやらん? 一緒に遊ぼう

 天城:マジかお!? やるっ!!!!

 川辺:食いつきっぷりがすげぇ。どれだけ飢えてたんだ。しかしオッサンと老人のゲーム集会は草

 伊波:確かに傍から見ると変な目で見られる案件


 憎まれ口を叩きながらも、皆で楽しんだ。

 リアルの知り合いと初めて遊ぶゲームは、今までで一番楽しかった。


 チチガスキー:お爺ちゃん、この間上映したばかりの映画見た? 見に行こうぜって話になったから、今から見に行かん?

 ロリガスキー:どうせ遅かれ早かれ見に行くんだし、一緒に行こうぜ

 エルフモスキー:その後はア〇メイトにでも寄ってカラオケに行く予定ですけど、どうです?

 ウサギガスキー:ダンジョンから帰ってきたばかりなんだが……仕方ないンゴね~

 チチガスキー:あっ、お疲れなら別にいいっすよ

 ウサギガスキー:待て。早まるな。行くから。見捨てないで欲しいンゴ……ッ!

 ロリガスキー:最初から素直になれよ。めんどくさいジジイだ

 エルフモスキー:僕らが優しい若者で良かったね。待ってるから準備が終わったら言ってね

 ウサギスキー:サンガツ


 今ではプライベートで遊ぶ仲になった。

 気兼ねなく軽口を言える相手とのやりとりが、こんなに楽しいなんて知らなかった。

 そして、こうやって素を見せられるのは楓太達だけではない。


 楓太との出会いをきっかけに、小畑会に加入。事故のようなものだが、皆に素を見せ、受け入れてもらった。それが嬉しかった。


 そして、この拠点製作の遠征。数週間もの間、皆で協力して何かをする生活は、本当に楽しかった。

 この二ヶ月の時間は、天城にとって夢のような時間だった。

 ずっと……ずっと、こんな生活を望んでいたのだ。


 だから――天城は思うのだ。


 皆が信じ、任せてくれたこの役目を果たすと。

 皆の期待に、応えて見せると。


 ♦   ♦


 孤高マタギ、天城晴久。

 地方でマタギとして生きて来た男。


 彼のステータスは、その経験が如実に反映されたものになっている。

 それはつまり、単独での大物狩り。息を潜め、獲物の意識外からの一撃で仕留めるというスキル構成。


 それを成せる技術と、マタギという生き様が、彼という探索者の力を築き上げた。


「――【魔弾生成マナ・バレット】」


 魔力を消費し、魔力によって作られた銃弾が内部マガジンに込められる。天城は慣れた操作で薬室に弾丸を送り、スコープを覗きこむ。


 魔力を伴なわない攻撃は、魔物に対して著しくその威力を減退させる。ゆえに弓矢と違い、弾丸に魔力を纏わせることができない銃は、武器として使い物にならない。


【魔弾生成】により、魔弾を作り出すことでようやく、銃器はダンジョンで実用段階へと至る。


「――【致死点看破フェイタルサイト】」

 

 多くの獣、魔物を観察してきた経験則がスキル化した力。それを唱えた時、天城の目には獲物の急所が浮かび上がった。


 この急所は、肉体的、魔力的に脆弱な点を見抜く。その点を貫いた時、その攻撃はあらゆる防御や耐性を無視した強力な一撃――いわゆるクリティカルが発生する。


「――【弾道予測】」


 遠距離系ジョブが持つ基本スキル。あらゆる環境要因から、自身が放つ攻撃の軌道を見切る。これにより、天城は自分が何処を狙い、どのタイミングで放てばいいのかを完全に理解する。


「――【一ノ射(ファーストショット)】」


 ――パアアアアアアアアアン!


 乾いた音が、また戦場に響く。

 愛銃から放たれたその一発は、今度はグランドスタンプの胴体へと突き刺さり、血の花を咲かせた。


「――グギャアアアアアアアアア!?!?」


 あれだけの巨体を持つグランドスタンプが、今までにない悲鳴を上げている。

 それは、天城の一撃の証明であった。

 

【一ノ射】。弓や銃を扱う物が基本として覚える、ただの汎用攻撃スキル。

 後に繋がるコンボの起点であるが、それ自体にここまでの威力はない。


 この威力は、天城だからこそ得たものである。


【狩人の訓戒】――人型を殺せない代わりに、魔獣属性を持つ魔物に対して攻撃力特大補正。人型を殺してしまった場合、このスキルは消失する。


 マタギとしての生き様。師からの教えが最も反映されたのがこのスキル。


 人を傷つけてはならない。人として当然の倫理観ではあるが、探索者としては致命的なスキル。しかしそれを禁忌にしたからこそ、天城は対魔物戦において圧倒的とも言える力を手に入れた。


 また、その力を引き立たせるスキルが他にも存在する。


【奇襲】――対象に認識されていない時、クリティカル発生率及びクリティカルダメージ上昇。

大物殺し(ジャイアントキリング)】――自分よりもレベルの高い相手と戦う際、全ステータスに補正。


 たった一人で活動するからこそ、数を相手にはできない。だからこそ、彼は単独で行動する強い獲物を狩り続けた。


 どんな相手だろうが、意識外からの初撃で勝負を決め、近寄ってくる前に殺しきる。

 奇襲から始まる魔獣特効の確定クリティカルアタッカー。それが孤高マタギ、天城である。


【――二ノ射(セカンドショット)


 二度、天城の銃声が響く。

 それは先ほどの銃声よりも高く、今度は胸元へと突き刺さった。


 弾丸よりも遥かに大きな傷跡が、胸に現れる。まるで槍で抉られたように、肉がズタズタに引き裂かれていた。ドバドバと大量の血が滝のように零れる。並みの生物であれば、これだけで動くことすらできないだろう。


 しかしグランドスタンプは悲鳴を上げながらも、天城のいる方向へと睨み付け――そちらへと走り始めた。


「んぐ~……! こ、これは~……ッ!」

「やっば……ッ! そう長く保たないわよ……!?」

「爺さん、早く……!」


 初撃の奇襲を加えれば、三度。グランドスタンプに攻撃を加えたことで、【隠蔽】の効果が薄れ三人の負担が増える。急激な消費に魔力ポーション飲み続けているが、それでも長くは保たないだろう。距離が近付けば近づくほど、いつ気づかれてもおかしくない。


 天城は急いで次弾の準備に入った。だが、スコープ越しに獲物を見て、チッと舌打ちする。


【致死点看破】は敵の状態によっても効果が変わる。未だはっきりと位置を掴まれていないとはいえ、グランドスタンプの警戒はこちらへ向いている。大まかに方向を定められているだけで、急所が見えなくなっていた。


 このまま撃つか――と、天城は悩んだ。


 確実とは言えないが、クリティカルが取れなくともダメージは大きい。ここから連発して削り切ることも無理ではないはず。


 しかし、天城は撃たなかった。焦ってはいけない。ギリギリまで撃つべき瞬間を待つ。師の教えが、彼を踏みとどまらせた。


 そして、その判断は功を奏した。


 今の天城は一人ではない。

 ここまでの活躍を見せて、黙って見ているような大人しい連中は、ここには一人もいない。


『全員、総攻撃! 天城さんの邪魔をさせるな!』


 マサの指示が入り、全員が動き出す。タンクは片っ端から【挑発】を入れ、少しでもグランドスタンプの気を引こうとした。僅かな時間で特大のダメージを入れた天城への敵視を打ち消すには足りないが、それでもグランドスタンプの足を鈍らせるには充分だった。


「~~~~♪ ~~~~♪」


 ここが勝負所、そう判断した七緒は、曲を変えた。


 それは地球の未来を賭け、宇宙からやってきた敵と戦う戦士たちを描いた歌だ。その曲調と歌詞の内容通り、最後の決戦を思わせる歌のバフは、効果範囲の全員に特大のステータス上昇効果を与えた。


 忌々しそうに視線を左右するグランドスタンプに、そのバフが掛かった後衛部隊の攻撃が襲い掛かる。その顔が苦渋に染まり、そして前衛部隊がその足を止めようと再び四肢を攻撃し始める。


「はっはぁああああ! 天城の爺に美味しいどこ取りされてたまるかよ!」


 トシが凶悪な表情で両手の斧を振り回す。乱舞といえるその連撃で、みるみると足の肉が削られていく。


「久しぶりに滾るわね。なら私も、たまには思うままに暴れましょうか!――【踊魂解放ダンシングソウル】!」


 ミライの身体が色とりどりに輝く。戦闘中に踊った総時間が、一定以上まで満たした時にのみ使える、〈舞踏士〉系の覚醒スキル。


 外部からのバフに加え、最高峰の自己バフまで加わったミライの身体能力は、まさしく鬼神ともいうべきものだった。必殺の連撃が次々に叩き込まれ、フィールドボスですら耐えきれない激痛を与える。


「【全身全霊】、【不惜身命】、【決死ノ一撃】――【剛重斬】!!」


 デメリット込みで極大の効果を発揮する自己バフを重ね、兵藤が大技を放つ。防御を捨て攻撃に全てを注いだ大剣の一撃は、肉を裂き骨にまで達する。


「【神降ろし】――【タケミカヅチ】!」


 そして、真帆。その背後に新たなる神の姿が描かれる。それは先ほどよりも荒々しく、猛々しい気配を纏った武人だった。


「【奉舞】――【神威ノ舞】! はぁあああああああああ!!」


 真帆がスキルを発動すると、神の全身に雷が迸る。その雷は剣に纏わりつき、バチバチと音を立てた。


 真帆の薙刀の振り下ろしに合わせ、神の剣が追随する。垂直にグランドスタンプへと振り下ろされた一撃は、まさしく雷そのものだった。


 落雷が起きたかのような爆音が響き、グランドスタンプの足に深い傷と感電ダメージが与えられる。その雷の衝撃で、地面が大きく抉られた。


 終わりが近いと察した前衛部隊の猛攻は、グランドスタンプの四肢に深刻な傷を与えた。そしてとうとう、グランドスタンプの膝を着かせるに至った。


「――見えた」


 その瞬間、天城は目を瞠る。

 致命へと至る終わりへの道筋が、確かにその目に映った。


 仲間が、友が導いてくれたこの状況に――天城は思わず笑っていた。

 どこか照れながらも、心から嬉しそうに。


 ――ああ、母ちゃん。母ちゃんの言う通りだった。

 ――だいぶ時間が経って、こんな歳になっちまったけどさ。

 ――俺、やっと友達が出来たよ。


 瞼が痛いほど熱くなった。そして、胸が暖かくなった気がした。

 その熱は天城の心の燃料となって、新たなる力へと変わる。


 突如芽生えたその力に天城はまた驚き――唇の端に不敵な弧を描いた。


「――【狩猟連携ハンティングライン】」

「はっ? 爺さん、それ……」

「嘘でしょ……?」

「えぇ~……」


 驚愕したかのように、傍にいた三人がまじまじと天城を見つめる。

 その次の瞬間、天城の身体は柔らかい光に包まれた。

 

 全身を包む力に心強さを感じながら――天城は終わりへの一撃を放った。


「――【終ノ射(ラストショット)】!」


【一ノ射】、【二ノ射】から続くコンボの終わりの一撃。

 最終へと至る一撃は、これまで以上の音をもって放たれた。


 探索者の目にも映らぬ弾丸は、グランドスタンプの頭部へと至り――失った目の眼窩に滑り込んで、その頭部を完全に破壊した。


 声を上げる間もない。棒立ちになったグランドスタンプの身体が、ゆっくりと倒れていく。最後に地震のような揺れを起こして、その身体が横たわった。


 力なく横たわった体に、失った頭部。もはや確かめる間でもない。

 深層におけるフィールドボスの討伐――歴史に残る偉業を、小畑会はやり遂げたのだ。


『――うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』


 誰もが勝利の雄叫びを上げた。

 この喜びをそのまま表現しようと、七緒が締めに向けて勝利のファンファーレを鳴らす。


 遠くから聞こえる仲間達の喜びに自身も浸りながら、天城は一瞬隠すように目を伏せる。

 そして次に顔を上げた時、銃を担ぎながら彼はドヤ顔を見せた。


「今日から令和のカ〇マと呼んで欲しいんンゴォ……!」


「は? 誰それ?」

「どうせまた漫画かアニメのキャラでしょ~……誰にでも通じると思っているからオタクはいやだね~……」

「名作だし俺は男だから分かるけど、スク〇イドは今の子知らんだろ。今の時代カ〇マと言ったら、この〇ばだぞ」


「……ふぐっ! うっ、うぅぅううぅ……!」


 楓太なら――楓太なら分かってくれる!

 早く合流してこの喜びを分かち合いたいンゴ……と、天城は心から思った。


 ♦   ♦


【探索のヒント! その四十三】

〈【狩猟連携】〉

 今回の殊勲者、天城が最後に覚醒したスキル。

 斥候職の遠距離攻撃系ジョブが取得しやすく、仲間との連携する行動に対し補正が掛かるパッシブスキル。攻撃力、クリティカル率、クリティカルダメージ上昇と、攻撃面のステータスが上がるのに加え、発動条件もかなり緩い上に、魔力的な消費がない。

 持っていて得しかない優良スキルの一つと言える。

 孤高マタギはもはや孤高ではない。ただのクセつよお爺ちゃんである。このスキルを手に入れた天城は今後、小畑会で更なる力を見込めるだろう。


 ――が、このスキル。実はただの基礎スキル。


 間違いなく優秀なスキルなのだが、その補正率はそこまで高くはない。発動のしやすさ、そしてコスパの良さの方面で優秀なのだ。

 そしてなによりも、習得しやすい。なにせ発動条件が仲間との連携なのだから、遠距離〈斥候〉系ジョブがパーティで活動していれば、必然レベルで覚えることができる。

 それを今の今まで覚えていなかったということは?


 ……じ、爺さん……ッ! お前……ッ! 

 

 なお、このスキルとは真逆のスキルに、【孤独狩猟】というスキルもある。

 こちらは【狩猟連携】とは逆で、名前の通りソロ専門のスキルとなる。

 その発動条件も真逆、一人で活動している時に、全ステータスの向上が見込める。

 そしてその上昇率もまた真逆。危険なダンジョンで活動していくのに、一人で活動するとは自殺にも等しい。それを可能にするパッシブスキルの上昇率は、当然ながら破格の一言。

 しかし、それを習得するためのハードルも高い。そもそも習得するまでに一人で活動しなければならないということは、一つのミスで死に至る可能性があるということである。

 なお、天城は当然のようにこのスキルの習得条件を満たしている。天城のスタイル的に、どう考えてもこちらを習得していた方が噛み合っていた。もし天城がこのスキルを習得していた場合、対魔物戦という条件に限るが、【種族進化】をせずとも森山クラスの戦闘力を持つに至っていただろう。

 だが、天城は結局このスキルを習得出来なかった。

 ステータス、経験共に習得条件を満たしているにも関わらず、なぜか? それは無意識の心理的ハードルが、その習得を阻んでいたからである。

 

 ……じ、爺さん……お前……ッ!


【作者の一言】

 ちなみに〈斥候〉三人が驚いたのは、経験的に【狩猟連携】の習得条件をなんとなく察しているから。そしてそれを持ってなかった天城がここに来て習得した理由を察したからである。どんだけ寂しい人生を歩んでんだこのジジイ……という同情と驚愕。

 ……じ、爺さん……お前……ッ!


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― 新着の感想 ―
ヤマト!⋯だと思う、実は2番の歌詞が熱い
「爺さん、あんた⋯⋯」のあとの「は?」とか扱いがひどすぎるw
(`・ω・´)E.D.F! E.D.F! 爺さん、、、良かったンゴねぇ これは紛うことなき良スレ
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