奪回のソラ
『――世界は仮初の平和の上にある。それは不変の事実で、誰かがどうにかできるものじゃない』
かの世界では、特別な力を持つ者が、常に十二柱いた。
『人間族』と『魔族』という、二つの勢力に分かれたその世界では、人間族に四柱、魔族に八柱分け与えられ、その勢力の均衡を保っていた。
そんな中、突如その均衡が崩された。夜が明ける前、中央部に位置する王都が、雷電の如き速度で陥落した。
それを皮切りに、領土は紙切れのように端から火を放たれ、種族としての存亡も危ぶまれるほどに、疲弊しきっていた。
使命を帯びる四人の人間族は、その身体を『扉《ゲート》』の中へと投げ出した。
――護ろうなんて綺麗なものじゃない。これは、身勝手な報復だ。
同胞を置いて逃げることへの罪悪感を押し殺し、いつか、その刃を届かせることができるのだと、無垢に信じることにして。
そのうちの一人である青年は、純恋(すみれ)と名乗る少女に保護されるが、記憶が封じられてしまっていた。
自身の知らない過去をもとに、とめどなく吐き出される責任感と感情を原動力として、彼はまた、『扉』を潜る。
これは、四人の勇者と、四人の人間たちの『反撃の物語』
かの世界では、特別な力を持つ者が、常に十二柱いた。
『人間族』と『魔族』という、二つの勢力に分かれたその世界では、人間族に四柱、魔族に八柱分け与えられ、その勢力の均衡を保っていた。
そんな中、突如その均衡が崩された。夜が明ける前、中央部に位置する王都が、雷電の如き速度で陥落した。
それを皮切りに、領土は紙切れのように端から火を放たれ、種族としての存亡も危ぶまれるほどに、疲弊しきっていた。
使命を帯びる四人の人間族は、その身体を『扉《ゲート》』の中へと投げ出した。
――護ろうなんて綺麗なものじゃない。これは、身勝手な報復だ。
同胞を置いて逃げることへの罪悪感を押し殺し、いつか、その刃を届かせることができるのだと、無垢に信じることにして。
そのうちの一人である青年は、純恋(すみれ)と名乗る少女に保護されるが、記憶が封じられてしまっていた。
自身の知らない過去をもとに、とめどなく吐き出される責任感と感情を原動力として、彼はまた、『扉』を潜る。
これは、四人の勇者と、四人の人間たちの『反撃の物語』
0 逃亡の夜
2023/05/08 07:00
1-1 変化倏然たる白雨の日に
2023/05/10 07:00
1-2 変化倏然たる雨上がりの日に
2023/05/12 07:00
1-3 変化倏然たる回憶の日に
2023/05/15 07:00
(改)
1-4 変化倏然たる晴天の日に
2023/05/17 07:00
1-5 変化倏然たる出会いの日に
2023/05/19 07:00
1-6 変化倏然たる親睦の日に
2023/05/22 07:00
(改)
1‐7 変化倏然たる渡界の日に
2023/05/24 07:00
閑話 ユミリアの夢 Ⅰ
2023/05/26 07:00
(改)
閑話 ユミリアの夢 Ⅱ
2023/05/29 07:00
2-1 交錯する運命の岐路に
2023/06/02 07:00
(改)
2-2 交錯する異世界の邂逅に
2023/06/06 07:00
(改)
2-3 交錯する記憶の破片に
2023/06/08 07:00
2-4 交錯する無情な再開に
2023/06/10 07:00
2-5 交錯する凄惨な撃退に
2023/06/14 07:00
(改)
2-6 交錯する常識と事象で
2023/06/19 07:00
閑話 才能が欠点になった少女
2023/06/21 07:00
3-1 悠然と広がる異世界の街に
2023/06/23 07:00
3-2 悠然と広がる旧縁と城に
2023/06/26 07:00
3-3 悠然と広がる素性と視野に
2023/06/30 07:00