10.当日!その2
「お家まで、迎えに来て頂けたのは嬉しいんですけどぉ」
小首を傾げる香夜さん。
「何で、駅での待ち合わせにしなかったんですか?」
ふたりの後を歩く、那世さんが呟きました。
「それだと、僕達と合流するまでのの香夜っちを<休日のひとり制服>状態にするから駄目なんだって」
「…なるほど」
香夜さんの頭が、紗世さんの肩に若干擦り寄ります。
「お気遣い、ありがとうございます☆」
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「紗世姉さまはぁ…」
香夜さんは、擦り寄り姿勢を元に戻しました。
「そう言うの気にする派なんですね」
「─ 香夜さんは、気にしないんですか?」
「中学の制服だったら、そうかもですが、この制服は可愛いですし♪」
「── 無駄な気遣いでした??」
「そんな事ありません☆」
より体を近づける香夜さんと佐世さんに、後ろを歩く那世さんが抗議の声を上げます。
「はい、そこのおふたりさん、イチャついて止まらない!」
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「香夜さん…」
佐世さんは、左斜め後ろの視線を向けました。
「─ それ、私が背負いましょうか?」
空いている左手で、香夜さんはリュックの肩紐を撫でます。
「大丈夫ですよぉ、これくらい。だって、入ってるのは亜夜姉さまの制服だけですし」
香夜さんは、右隣斜め後ろを見ました。
「そもそも姉さま、もうリュックを背負ってるじゃないですかぁ」
「…あ。」
「流石にリュックの2つ背負いは、無理があると思いますよ??」
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「しかし…」
佐世さんが、信号待ちで立ち止まります。
「亜夜さんも、デートとは」
腕を組んでいる香夜さんも、シンクロで立ち止まりました。
その視線は、遅れて左隣に立った那世さんの顔に移動します。
「『いつもなら、制服もありなんだけどねぇ』って、言ってました」
那世さんの右手の人差し指は、自分の顔を指しました。
「今日は、何が違うの?」
頷いたいた香夜さんは、那世さんの左側に移動します。
「彼氏さんのリクエストで買った服での、初デートだそうです」
いそいと、那世さんの腕に自分の腕を絡める香夜さん。
その様子を、佐世さんは目で追いました。
「何処か…似たような話を聞いた記憶があるんですが……」
腕を組み終わった香夜さんが、那世さんの顔を見ます。
「─ そうなんですか?」
「今日の汰世っちのデートも、何かそんな感じ??」
「世間では、彼氏さんが彼女さんに服をリクエストして、その服をデートで着てもらうのが流行ってます???」
「まあ、サンプル数2だしぃ」
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「これでぇ」
那世さんは、信号が変わった事に気が付きました。
「…亜夜っちと紗世っちの服が、同じだったら笑うよね」
同じ様に気が付いた佐世さん。
歩道の段差から横断歩道に、無意識に踏み出します。
「ですけど── そんな偶然、まずありえませんよ☆」




