9.当日!その1
「紗世っちってさぁ──」
当日の午後。
歩道で右斜め前を制服姿で歩く姉に、同じ様に制服姿の汰世さんは話し掛けます。
「真茉ちゃんが絡むと、無敵だよね」
「…双子さんの件ですか?」
「うん。まさか、亜夜っちと香夜っちも巻き込むとは」
「そりゃ、姫のご所望ですし☆」
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─ ピンポーン ─
佐世さんは、味菜家の呼び鈴を鳴らしました。
その余韻が消えないタイミングで、ドアが開きます。
「紗世ねーさまぁ☆」
「香夜ちゃん」
ハグされながら、佐世さんは尋ねました。
「…もしかして、玄関のドアの前で待っててくれたりした?」
「はい♪」
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「姉さま」
味菜家の玄関先の道路。
香夜さんが、自分の右腕を隣の人物に絡めます。
「わざわざ、迎えに来てもらって申し訳ありません」
腕を絡められ終わった佐世さんは、一歩踏み出しました。
「私のワガママで、休日に制服を着て貰うんですから当然です!」
「何、言ってるんですかぁ」
つられて歩き出した香夜さんの目が、佐世さんの横顔で止まります。
「今日って、真茉ちゃんさんへの<五つ子のお揃い制服披露会>なんですよね? それはつまり、姉さま自慢の真茉ちゃんさんに、わたくしがお目にかかれるって事ですよ?」
「…」
「だったら、無問題です♪」
「……」
「因みに、亜夜姉さまも同意見でした☆」
「………そう言って貰うと、助かります」
まるで、イチャつくかの様に歩くふたり。
<ふたりの世界>の結界を展開し始めた香夜さんと佐世さんに、那世さんは抗議の声を上げました。
「ちょっと おふたりさん? 僕をほっぽって、先に行かないでくれるかな??」




