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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
10.姫のご所望☆

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8.汰世さんを説得。その3

「むぅ」


 汰世さんの手が、自分の左側にあるベットの上のヌイグルミに伸びます。


「…そう言う事情かぁ」


 数回の空振りの後で、何とかひとつを確保。


 それを、横座りしている自分の右の太ももの上に座らせました。


「……ホントサぁって、文夏さんと真茉ちゃん絡みだと、アレだよねぇ」


 正座していた佐世さんが、頭を下げます。


「面倒くさくて、申し訳ありません」


「………自覚はあるんだ」


----------


「それってさぁ」


 汰世さんは、ヌイグルミを両腕で抱えました。


「タぁが、真茉ちゃんの前で制服姿なら良いんだよね?」


 正座を崩しながら、佐世さんが頷きます。


「はい」 


「じゃあ── お披露目前に着替えられれば、無問題じゃん??」


「─ おお」


----------


「でぇ」


 抱えているヌイグルミの頭を、自分の顎に押し付ける汰世さん。


「…何処で着替えようかなぁ」


 佐世さんは、自分の下唇に左手の親指の腹を当てました。


「改めて家に帰って着替えて来るのは── 大変過ぎますよねぇ」


「駅の公衆トイレでか、着替えるとか?」


「なんか、怪しい人みたいですね」


「着替えた後、休日にひとりで制服姿で歩くのもなぁ」


「それは、判ります」


 ヌイグルミの頭が、汰世さんの顎から離されます。


「あと、それだと… デート中タぁは……制服持って歩く事になるしぃ」


----------


「判りました」


 佐世さんは左手の親指で、自分の下唇を押しました。

 

「汰世さんの制服一式は、私が真茉ちゃんの家まで持っていきます」


「…良いの?」


「はい。それなら汰世さんは、現地で着替えられますよね?」


「……だね」


 自分の下唇を、左手の親指で押すのを止める佐世さん。

 

 その顔を、汰世さんが覗き込みます。


「お願いして良い?」


「任せて下さい!」


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