4.那世さんを説得。その1
「那世さん」
「なーに? 紗世っちぃ」
ドアを開け那世さんは、リビングを見渡しました。
何故なら、自分に返事を返した相手の姿がなかったからです。
もしやと思って、近づく長椅子なソファ。
そこには うつ伏せな声の主が、脱力した感じで寝そべっていました。
「行儀悪いですよ?」
「室内には、僕ひとりしかいなかったんだよ? だから良いじゃん」
「ちゃんと座ってくれませんか」
「はいはい。紗世っちの座るスペースをを空けなきゃだもんね」
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「紗世っち?」
ソファの上でのうつ伏せから体を起こして座り直した那世さん。
自分が空けた左のスペースには腰を降ろさず、何故か紗世さんがソファの背後に立っている事に気が付きます。
「…座るんじゃないの??」
「那世さん。私は今、あなたの背後を取りました」
「……は?!」
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「ところで」
両手を伸ばした紗世さんは、前に座る人物の両肩に手を置きました。
「那世さん?」
「な、何」
紗世さんに<不穏のオーラ>を感じた那世さんは、体をひねって背後を見ようと試みます。
それを阻止する程度に、紗世さんは手に力を籠めました。
「週末、空いてますよね??」
「…へ?!」
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「えーとぉ──」
背後に顔を向けるの諦めた那世さん。
前を向いたままで、頬を膨らませました。
「何で…僕の予定を断定系で確認するかな」
さっきまで肩を押さえていた紗世さんの両手が、今度は伸ばした人差し指で那世さんの両頬を突きます。
「あ、い、て、な、い、ん、で、す、か」
「……まあ、空いてるけど」
「じゃあ、協力して下さいね」
「………な、何をしよとしてる訳?」




