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この狂った街の全てに抗え  作者: 柑藍
最終章 終わり、そして始まり
35/37

通報で駆け付ける阿部

刑事として勤務し始めて2年目の阿部は

まだ太陽が登っていない

うっすらと明るい空の下に駆り出されていた


「建物の中で大勢の人が倒れている

血を流してる人もいるので救急車も必要だと」

匿名で通報が入ったからだ


現場に到着すると

次から次に建物の中から人が連れられてくる

大した怪我では無さそうだが

全員がとても眠たそうにしている


大きな怪我をしている人達は

先に運び出されたのだろう


何事かと思った阿部は

もう一度建物を観察する


普通のマンションっぽくて

セキュリティもしっかりしてそうで…

入口に小さく木の絵が書いてある


…木の絵!?


阿部は思い出した

働きはじめてすぐの頃に

先輩からこのマークの人間とは関わるな

と忠告されたことを


「同じマークだ…」


先輩は詳しく教えてくれることはなかったが

警察と手を組んで

裏取引でもしてるんだろうと

考えていた


本来なら警察は内密に動くのだろうが

もう周囲にはマスコミがカメラを構えていたり

野次馬が写真を撮ったりしている


阿部は恐る恐る建物に足を踏み入れた

上の階にあがっていくと

まだ多くの男性が倒れている

一瞬死んでいるのかと身震いしたが

寝息をたてていることに安心した


「一体何があったんでしょう?

抗争ですかね?」


「さぁな

通報してきた奴が

情報をマスコミにもばらまいてる

これからどうすっかな」


阿部は先輩に尋ねるも

いつものように適当なことしか返されない


「銃による負傷者の搬送が完了しました

腹部を撃たれていますが

命に別状はないようです


彼の名前は三浦孝之

赤原学園に勤務している教師です」


「赤原か…」


なぜ教師がこんなところで撃たれたのか

赤原学園といえばかなり危険な高校だが

三浦は何かに巻き込まれたということだろうか


阿部は必死に頭を動かすが

さっぱり事件の概要が掴めない


三浦の存在など阿部のような若い刑事が

知ることのできる人物ではなかった

知っているのは警察組織の上層部数人だけだ


「阿部、この事件は考えても意味ねーぞ

どうせ闇に葬られる


捜査もせずに適当に牢屋に入れておしまいだ」


「やっぱ、そうなんですか…」


腑に落ちない所もあるが

阿部は警察組織で上手くやっていくために

深くは聞かないことにした




昼になる頃には

街では情報が錯綜し騒然としていた


100人くらい連行されてる


謎の組織が暴かれたってかんじ!


銃で撃たれた人がいて

近くの病院に搬送それたって

この街の住民ならわかる

あのでっかい病院らしい


ネット上にはありとあらゆる情報が

溢れ混乱を招いていた


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