強いもの探しは意外な方向へ
夏休みが明け
学校生活が再開した
赤原学園の2-Fの生徒にとっては
地獄の日々の再開となった
しかし強さに飢えていた塚本賢人は
学校とは違う場所を訪れていた
「ここか」
着いたのは倉庫が立ち並ぶ人気のない場所
そのうちの1つに
入った
「何だお前?」
賢人の耳に届いた声は
威嚇しているが高い声色だった
「は、女かよ」
「あぁ!?うちらの拠点に
勝手に入り込んで
ただで帰れると思うなよ」
倉庫の中にいたのは5、6人
すべて女だった
「ここがウルドとかいう
チームの拠点になってて
そこのトップが強いって聞いて来たんだけどよ
もしかしてそのトップも女か?」
強いやつをあたっていけば
塚本家からこの街を奪った奴等にたどり着くかもしれないと思いやってきた
そして今日たどり着いたのが
この倉庫だった
「うちのリーダーが相手するまでもなく
お前はここでくたばるんだよ!」
その叫びを合図に
全員が一斉に賢人に殴りかかる
しかし簡単にすべての攻撃をかわされ
背中を軽く押され
地面に叩きつけられる
彼女達は
この男がただ者ではないと理解する
「弱い奴の相手してる暇はねーんだよ
お前らのとこのトップ
本当に強いんだろうな?」
さっきまで威勢の良かった1人の女は
少し前に体験した恐怖が甦ってきて
自分の首に手を当てる
その手は僅かに震えていた
「あの人は恐いくらいに強い
女だからってなめてたら
あんた殺されるよ
うち、首にボールペン突き立てられたとき
確かに殺気を感じた」
「同じチームの奴にそんなことすんのか?
相当イカれてんな
で、そいつの名前は?」
簡単に言うわけにはいかない
普通ならそう思うだろうが
この恐怖を目の前にして
正常な思考は発揮されなかった
「し、篠原さん
皆名字で呼ぶから
下の名前は知らねーけど…」
「へぇ
どんな奴だ?」
早くこの男から離れたい
早く逃げ出したい
そうしろと脳が危険信号を出している
「こ、これ…
ここに写ってるのが篠原さんっす」
携帯の画面を賢人に見せた
受け取った賢人は
自分の目が信じられなかった
「これ、篠原じゃねーか」
「はい、そうっす」
彼女達はついさっき自分達が言ったことを
今さら繰り返され困惑する
そんな恐怖や困惑など
色んな感情の混ざった彼女達には
もう目もくれず
賢人は赤原学園に向かって走り出した




