第20話 鉛玉
戦闘において至近距離の発砲は極めて卑怯だ
ましてや、認識のあるものに対して発砲をするのは非人道的だと思う
とはいえ、現実世界は銃より爆破するものが世界の運命を左右する
所持している国が何かをすればもちろんあの時代がやってくる
この世界は別だ
銃は基本的に製造されないし、入手困難だ
剣だけが頼りだし、それぐらいしか流通しない
(ナイフを使う場合もある)
拳1本で、剣に挑む男もいれば、怪獣だってこの世界にいる
けれども、銃を使った争いは過去に一度も起こっていない
それに銃は1本しか製造されていなかった
「俺が開発したんだよ、クレシェフ、あんたの負けだよ」
リェウルはそういったのだが、クレシェフはじっと床を見つめていた
訂正する
睨みつけていた
表情は人とは思えないほどぐちゃぐちゃだった
言葉では表せない
人と同じにしたくは無いような顔をしていた
「おい、大丈夫かよ?」
問いかけたが返答はない
銃も撃ってるしそのせいかと思うが、呼吸はしてるし、場所をずらしたから死ぬはずがなかった
リェウルがもう一度見た時にはクレシェフとは思えない表情、声でこう言った
「ミレーナを...ミレーナを...渡すわけに行かないんだ!!」
「...」
「それにテメェー!銃を奪ったろ!」
「この城に俺を味方するやつもお前を味方するやつもいない。勇者でも騎士でもない。俺らは元から戦争のための駒でしかないんだよ...それでも俺らは抵抗するのか?なあ、クレシェフ、この国乗っ取りたいと思わないか?俺は思うぜ、全部イドタンの領土にしてやるってな。まずはここからだ」
「何言ってんだよ...銃じゃねけど、弓はあるんだぜ?」
「おい、まさか...」
リェウルの予感は的中した
矢が刺さってる
「お前は歓迎されてるようだな」
「毒を盛られている以上何が起こるかわからねぇー。けどよ、あんたから喰らった鉛玉は効果を成してないようだぜ」
クレシェフは傷口を見せてきたが、そこには傷口と呼ばれるものはなかった。
再生している
「訳分かんねぇーぜ。もう二度と俺たちに顔見せんじゃねぇーぞ」
ダッシュでこの場を去った
クレシェフは傷口を確認した
「治ってはいるな...けど、毒の効果も深まってきた...少し経てば限界が来るだろう」




