71 グレイ君は金欠君。
とある病院での一コマ
おっちゃん「・・・痛ひ・・・」
相方 「せんせ~。何とかなりません?」
Dr. 「・・・コレの?」
相方 「コレの・・・」
Dr, 「〇鹿につける薬などないが?」
おっちゃん「叔父貴!? 身内だよね!?」
・・・本編入ります (´;ω;`)ウッ…
さて『壊れたお馬さん』に関しては、現在コクウさんが鋭意 “解析中” だ。
俺も少し “覗いて” みたが、どうやら、鉄とミスリルと数種類の魔物の肉を繋いでいるようだ。
フランケンかよ!
問題は、いつ・誰が・何の目的で作ったか・・・だが、無理か。
再度『帝国』に行って調べてみたいところだが、そうヒョイヒョイと国境を跨ぐわけにもいかない。
前科持ちだからなw
「商業ギルドに『特許申請』してれば手掛かりが掴めるかも・・・」
ぽつりと呟いた。
「あの “馬の作り物” かい?」
後部座席のメルさんが聞いてきた。
「材質を見るとね。どうやらこの世界で作られたモノっぽいんだよね。」
この『バギー』なんかは、たぶん “俺が元居た世界” だろうな。
同程度の科学水準を持った位相世界・・・なんて考え方も否定できないが、そんな世界は無数にあるしな。それに『アストラス領のダンジョン』を作ったのは。ほかならぬ『ソリアン様』だ。
『神』という地位を蹴った『ソリアン様』が、立場的に何ら許可なしにホイホイと異世界にアクセスできると考えるのは難しい。
「そうなの?とんだ天才がいたものね。」
ハンドルを握るメイさんが答えた。
いやいやメイさんや。俺達の前世も ”いろんな天才” が寄って集って『魔法の必要性がない便利な世界』 を作り上げたんだが? それが『正解』かどうかは別問題として・・・
「ではその記録が『商業ギルド』の記録に残っていると?」
『バギー』にもすっかり慣れたスズネさんが、問い掛けてきた。
「可能性だけどね。ギルド自体は国境を越えた独立機関だから “情報の共有” は不可欠だろうし・・・」
「王都のギルドで調べられなかったのかい?」
メルさんの声だ。
「出来ないこともないだろうけど、おそらくノルグナー卿の耳にも入るだろうね。」
組織は巨大でも、各国政府との繋がりが全くないというのは考えにくいからな。
「あ~。しばらくは大人しくしといた方がいいかw」
メイさんが笑った。
キミも共犯者なんだが?
「 “草” に調べさせますか?」
スズネさんが提案してきた。
「いや。まだいいよ。修理できるかどうかも判らないし、動かせたとしても『ポテンシャル』が不明だしね。『軍馬』になるか『農耕馬』になるか・・・」
《 おそらく『軍馬』ですね。》
コクウさんが囁く。
お?もう解析済んだ?
《 あらかた済みました。疑似脳と中枢神経系統はもう少し時間が掛かりますが、胴体の “装甲の厚さ” や “足回りの多重装甲” からみても間違いないかと。》
『疑似脳』搭載型戦闘馬か・・・最先端だな。
『魔族』と正面切ってケンカするつもりだったんかね?
《 どうでしょうか?他の “使い道” もありそうですが?》
他国への侵略用ね。
多民族国家=『帝国』なら考えそうだな
帝都が滅んで喜ぶべきか・・・悲しむべきか・・・
「それはそうと、遺品は届けてくれた?」
俺は話題を変えることにした。
わざわざ騒ぎを起こしてまで “不法入国” した最大の理由でもある。
「うん。ありがとうって泣いてたよ。」
メイさんが答えてくれた。
「他にも、見覚えのある物があったらしい。残念な話だが・・・」
メルさんが補足した。
「まとめて教会で保管して祝詞を上げてくれるそうです。」
祝詞?
・・・例のヤツじゃなきゃいいが・・・
「そ、そう。」
頼むから、みんな迷わず『天国』に行ってくれよ~
『バギー』はアストラス領への道を途中で曲がり、北へと進んだ。
「ハラマッツォ領でいいんだよね。」
メイさんの問いかけに、スズネさんが頷いた。
ハラマッツォ家は伯爵家だったか?
割と広い領地ではあるが、“領地の三分の一” 近くを『危険地帯』と呼ばれる平原が占めている。
平原であるため身を隠す術がなく、凶悪な魔物に襲われると詰んでしまうらしい。
『飛竜の巣』も近くにあるそうだ。
「はい。町から外れた小さな村が『拠点』の一つになります。」
「わざわざアストラスから遠い場所にある意味は?」
メルさんが少し退屈そうに話しかけた。
「たまたまです。『拠点』そのものは不定期に移動しますので。」
どうりで捕まりにくいわけだ。
「各領地に複数の拠点があって、くじ引きで次の拠点先が決まるとか?」
俺の適当な推測に、スズネさんの目が大きく見開いた。
「よくご存じで。」
マジですかw
「僕が “草” なら、そうするだろうねw 同じ場所をクルクル回ってたら、すぐ捕まるだろうしww」
「事実。過去に “移動先” を読まれて、全滅しかけたことがあったようです。私が生まれる前の話ですが・・・」
『情報』しか扱わないとはいえ、裏稼業の組織だもんな。
表に出せない『情報』に埋もれてる奴等から『目の敵』にされても仕方ない。
王都から約2時間ほどで『ハラマッツォ領』に入ったようだ。
『・・・ようだ』というのは、街道から大きく外れて人通りの少ない “危険地帯” を走っているので領界がハッキリしないためだ。
気配探知の “端っこ” に複数のヒトや馬の気配があるから、たぶん検問所だろう。
「2時の方向に町の気配があるね。そこに行けばいい?」
「はい。仲間に連絡すれば『会合場所』が判るかと。」
「了~解。」
メイさんがハンドルを切った。
町ではスズネさんと一旦別れ、路地に身を隠した。
途中で狩る・・・というか “轢いた魔物” を換金してもいいが、そこそこ有名人な俺がギルドに行くと、即バレしそうだしな。
どうせ『宿』を取っても、スズネさん達は『シェルタールーム』に入るだろうし、現在進行形で “金欠” の俺にとっては、その方が有難かったりするw
「『ワイバーン』だったか?とうとう現れなかったな。」
食卓用のテーブルに腰を下ろし、両手に箸を一本づつ持ったメルさんが不満そうに呟いた。
69歳は食べ盛りかな?
俺は “特製鍋” にタレと刻んだ玉ねぎとコカトリスを揚げた肉を乗せ、火を入れる。
タレは、やや甘口。
肉は作り置きだが『アイテムボックス』に入れておけば、いつでも “揚げたて” だ。
弾力性のある皮に “隠し包丁” を入れて揚げるのが、コツだったりする。
一煮立ちしたら火から外し、溶いた卵を流し入れる。
固くならないトロトロの内に、湯気の立つ御飯を盛ったドンブリに素早く流し込んで蓋をする。
香草が欲しいところだが・・・勘弁してもらおうw
食卓に運ばれる頃には、卵に程よく火が通っているはずだ。
「 “気配隠しのペンダント”を外してもらってたからね~」
お新香とドンブリを並べながら、答えた。
「ボク達の “気配” に怖気付いたのかい? わりと “根性なし” だな.」
蓋をされたドンブリの隙間から、漏れる湯気と香りを楽しむメルさんw
二人そろって『尻尾』があったら扇風機のように回してるだろうなww
「野生のあるべき姿だよ。空中戦だと分が悪いしね。」
メイさん涎! 行儀悪いよwww
「ダンジョンでの “空中戦” では上手くいったと思うが?」
そう言いつつ、ドンブリを凝視するメルさん。
すっかり “戦闘民族” になってらっしゃるw
「ワイバーンは昆虫より知能が高いからね。一筋縄ではいかないかな?肉は旨いらしいけど。」
俺は『お茶』を煎れながら答えた。
二人とも、もうちょっと『待て』だ。
もう少しだけ、蒸らした方が良いw
「美味しいの?なら狩らなきゃ。」
メイさん。ハンターの血が騒ぐかね?
「 “巣” の近くはオススメできないな。初戦だし・・・狙うなら “はぐれ” あたりからかな?」
「 “巣” を守ろうと必死になるか。集団戦を避けるためかい?相変わらず慎重派だな。」
といいつつ、前のめりになるメルさんw
「ダンジョンと違って、相手は “ケンカ慣れ” してるからね。『転ばぬ先の杖』ってヤツだよ。」
ともあれ『コカトリス』の肉も、だいぶ心細くなってきた。
“メイ・メルコンビ” がストライキ起こす前に、帰るついでに優先的に探すかねw
・・・頃合いだろう。
席について『いただきます』
「・・・で?あのデカイ骨は売れなかったの?」
親子丼を頬張りながら、メイさんが聞いてきた。
「不法入国の果ての “拾い物” だからね~ 出所を問い詰められるとね・・・」
「口止め料として “没収” されたかw 悪いことはできないなww」
メルさん楽しい?
「本来の目的は果たせたから文句は言えないかな。また頑張って稼がなきゃ。」
「御主人様ってお金に縁がない?」
メイさん?
その頭の『クエスチョンマーク』は嫌味かね??
「そんなつもりはないんだけどね。ダンジョンに潜ればそこそこ稼げるし・・・」
「顔も名前も売れてるくせに、秘密裏に動こうとするから出費ばかりが嵩んじゃうのよね~」
メイさんの評価が辛辣だ。
「解ってるけどさ。本来なら “人攫い共の尻を蹴っ飛ばす” 程度で、さっさと帰るつもりだったんだけどね。」
言い訳にしか聞こえない自分のボキャブラリーが恨めしい。
「 “蹴飛ばす尻” が行方不明だったのは残念だなww」
「『アッパラパー』も出来なかったしねww」
ぐうの音も出んわ・・・
キミ達、仲良過ぎない?
腹ごしらえがすんだら、小さなカフェで待ち合わせ。
金欠がカフェに入るな?
いや『メル・メイコンビ』が奢ってくれるって言ってるし・・・俺のプライドなんて、そんなもんさw
「 “旅は道連れ世は情け” だね~」
結構な勢いでケーキを平らげる『美少女?』二人を眺めつつ、通りに目を向けた。
腹壊すなよ~
時々思うんだがね。
レベル上昇に伴う際の、この二人の “エンゲル係数” って・・・いやよそう。
頭が痛くなるのは確実だ・・・
大人になったら、落ち着いてくれることを祈るしかない。
「お待たせしました。」
そうこうしてるうちに、スズネさんが戻ってきた。
山と積まれた皿を見て、呆れてらっしゃるw
“別腹” とは、よく言ったものだww
「ここから北へ、馬車で1日半ほど行った村で待っているそうです。」
「ここじゃないんだ。一騒動起きる前提かな?」
「おそらく・・・」
やれやれ・・・
スズネさんと割と深刻な会話の中、例の二人は我関せずとばかりにカフェの評価をしていた。
「まあまあの味ね。いくつか買って行こうか。」
「そうだな。食後の口直しにな。」
このコンビに “シリアス” という言葉の意味を説いてやりたいんだがw
「・・・太りますよ。」
心底呆れたスズネさんが、俺には逆立ちしても言えない冷酷なセリフをさらっと告げた。
「「う!」」
コンビの動きが止まる。
脳内のコクウさんが大笑いしていた。
おっちゃん「短くてすまぬ!」
相方 「寝たままじゃ、アイデア出ませんか?」
おっちゃん「つ~か。痛い・・・トイレに行くにも苦労するんだが・・・」
相方 「オ〇メします? wwww」
おっちゃん「汚したら交換してくれる??」
相方 「絶っっっっっ対!!!やだ!!!」




