表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

帰宅

 家につくと、玄関を開ける前からカレーの匂いがした。私は上下にある鍵穴の上に鍵を差し込み、カチャリと音がするまで回す。家に入って革靴を整頓もせず脱ぎ捨て、上がってすぐ右手のダイニングに入る。奥にあるキッチンを覗くと祖父の背中が見える。


「ただいま、じっさま」


声をかけると祖父は手を止めこちらを向き、いつも通りの不機嫌そうな顔で口を開く。


「……腹は減ってるのか」

「うーん、まぁまぁかな。19時なったら空いてると思う」

「そうか、わかった」


 二階へ向かい自室で制服を脱ぐ。ハンガーにかけずに椅子の背にかけ、ジャージに着替え、スマホ片手にベッドに倒れ込む。

 ネットは相変わらず思想の偏った人、過激な発言で炎上した人、それを擁護する人や叩く人で溢れている。そんなどうでもいい投稿を飛ばしながら、面白そうなものを探していく。しばらく画面をスクロールし続けると一つの投稿が目に止まる。


「……お、葵はもうフォロワー500人達成したんだ、すご」


友人の葵がやっている配信者のアカウント。2ヶ月前に始めたと聞いていたが、もう500人もフォロワーが出来たらしい。可愛らしい動物のアバターだからか、男女共に受けがよいのだとか。


「私も配信者とかやってみようかなぁ。むっちゃ人気になったりして」


自分だったらどのようなアバターにしようか、どんな配信をしようかと妄想にふけっていると画面に見慣れた名前が表示され、着信音が流れる。


「もしもしー。丁度いま葵の投稿見てたところだよー。500人達成したんだってね、おめでとー」


私に祝いの言葉を受けた友人は、投稿上での嬉しそうな言葉とは裏腹に不快感全開の声で話し始める。


『聞いて。なんか厄介な奴に好かれた。保護者面っていうの?疲れる』

「マジか、ホントにいるんだねそんなの」

『ね、あんた何様だよって感じ。善意で言ってるのはわかるけどいらんお世話』

「アハハ……」


友人の止まらない愚痴を聞きながら、やっぱり配信とか面倒くさそうだからいいやと思ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ