76
多少短いですがご容赦のほどを
自然と目が覚め、窓の方を見れば厚いカーテンで外が見えません。しかし微かな隙間から零れる光が朝であることが分かりました。
左を見ればまだ寝ているクロードが目に入ります。きれいな肌に長いまつげ。体つきはしっかりとしていて、とても男性らしいですし。実はクロードの腕枕で寝たのですが。なかなかよかったというか。温もりを感じられて安心するというか。結論を言えば大変良かったです。それにこうしてクロードの寝顔を眺めていられるのも妻の特権ですし。ケェファも同じ部屋にいますがすやすや寝ています。まだ起きそうにないですからこのままクロードが起きるまで寝顔を見ていましょう。
「そんなにみられると恥ずかしいですね」
「起きてたんですか。言ってくれればよかったのに」
「たまにはこういうのもいいかと思ったので」
「悪くはなかったですよ」
「では起きましょう。昼にはここを出なくては行けませんから」
「まだケェファは起きていませんし、もう少し横になっていてもいいのではありませんかレティア」
「することが無いですし、起きて活動した方が良いでしょう?」
「愛を深めるのはいけないことですか?」
「ダメでは無いですが、何をするつもりですか」
寝たますることなど、あまり私は知りません。話をするくらいでしょうか。手を握ってるのも悪くはないですけど、座っててもできることですし。
クロードは何をする気なんでしょう。
「イチャイチャするのはいけませんか?」
「暑くなりませんか」
「まだ日が昇って時間たってないですし、暑くなりませんよ」
「いえそもそもケェファが起きそうですので」
そう、こんな話をしている間にも寝返りをうつ回数が多くなってきていますから。そろそろ起きる時間でしょう。寝起きに泣くわけではないですが、私が抱き上げたいですし。
「よしよし、よく寝れましたかケェファ」
「さみしいですね」
「子供に嫉妬しないでください、親でしょう」
「親ですが夫ですし嫉妬くらいします」
「急に抱き着いてこないでください。でも満足したら離れてくださいね」
この際抱き着かれたところでかまいません。今この瞬間はクロードよりケェファが優先なので。よくある話です、子供が生まれたら夫より子供優先になるというのは。別にクロードに興味がないわけではなく、あくまでケェファがいるときはケェファ優先なのです。
「レゲントさん、エレーナさんおはようございます」
「お義母さんでいいのよ、レティアさん」
「私もお義父さんで構わないよ」
「ではお義父さん、お義母さんと」
「うれしいわ。ケェファちゃんの離乳食もあるから一緒に食べましょう」
離乳食は持参できるようなものではなかったので。レシピを料理人の方に渡しておきました。
「あーんですよケェファ」
「あーーあ」
「いい子ですね。よく噛んで食べるんですよ」
「私も食べさせていいかしらレティアさん」
「どうぞ、お義母さん」
「ありがとう。懐かしいわ、昔クロードにこうしてご飯をあげていたのよ。あーんって言っても口を開けないし。食べたと思ったらこぼしてばかりで。ケェファちゃんはお母さんに似たのかしらね」
「お母さん何もここで話さなくてもいいじゃないですか」
「あら、恥ずかしかったのかしら」
「恥ずかしいですよもちろん」
「じゃあ後でにするわね」
「もうしないでください、お母さん」
まだまだ知らないことばかりですね。あとでお義母さんに教えてもらえるように交渉しましょう。
「お世話になりました」
「また来て頂戴ね」
「続けた休みが取れたときはまた来ます」
「学校の先生だものね、休みもなかなか取れないのかしら?」
「私だけなら休みを取るのも難しくないですが。レティアは担任をしていますから、なかなか」
「かまいませんよ、クロードとケェファだけでこちらに来ても。その代わりちゃんと面倒を見てくださいね」
「いいのですか、ケェファと一緒に居たいものだと思いましたが」
「お義母さんにとっては孫です。会いたいと思うことを邪魔してはいけませんから」
「本当にありがとう、レティアちゃん。それならこっちから迎えに行かせるわ。ちゃんと護衛もつけるから安全よ」
「そういうことですので、クロードお願いしますね」
「わかりました」
実のところ、ケェファの世話をするのは私含めディー達でしていますが。たまには休みが必要ですから。心配ではありますが、クロードがいますし、護衛もつけてくださるなら大丈夫でしょうし。
では向かうはヴェルンティース領。つまりは両親の元です。
誤字脱字は使途に専用のものがあるのでそこからお願いいたします。
そして更新が遅くなり申し訳ありません。
疲労骨折したり、先週は39度の熱を出したりと。
私だいぶ虚弱な体なので調子のいい時が少なくすみません。
なるべく頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。




