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お待たせしました。遅くなりすみません
部屋へと戻りベットに腰掛けて話を聞きます。
「クロードの婚約者の話、聞かせてくれるんですよね」
「はい。私の婚約、名前をシェール・メルエールと言います」
クロードとシェールさんが出会ったのは、初めてパーティーに出席した時のことだそうです。剣の修行以外に興味のなかったクロードは、最低限の挨拶を終えると人気の少ない庭園を見つけ、そこで時間を潰そうと思ったようです。
そしてどうやら同じことを考えた令嬢がいらっしゃったようで、それがシェールさんだったと。令嬢であるにも関わらず木の枝の上に座っていたそうで。
「あなたも逃げてきたのね」
「誰だ!」
「上よ」
「なんで令嬢が木の上に座っているんだ」
「つまらないんだもん。顔色伺って、仮面を貼り付けて。ちっとも楽しくない。あなただってそうなんでしょ、こんなところにいるんだから」
「剣以外に興味ないからな、あんな場所にいるよりはここで鍛錬をした方がいい」
「変な人ね、人付き合いより剣のほうがいいなんて。そもそも木剣なんてどこから持ってきたのよ」
「馬車に積んできたんだ。それに人のこと言えないだろう、ここにいるんだから」
「そうね。ま、貴方のおかげで暇しなくて済みそうだわ」
「見ていたところで楽しくないだろう」
「滅多に見れないからいいのよ」
と言った感じでパーティの残り時間を2人で過ごしたそうです。クロードはそのまま鍛錬を、シェールさんは木の上で見ていたそうです。この時はまだ互いの名前を知らなかったそうです。
2人が次に会ったのは別のパーティー、どこかに行けるような場所もなく。クロードは壁にもたれかかっていたそうです。
「またあったわね」
「あの時の」
「シェール・メルエール。シェールって呼んでもいいのよ」
「クロード・フェルミナ。クロードでいい」
「それでクロードはまた暇なの。仲間に入ればいいのに」
「元々仲のいい者はいない。だから入る場所もない」
「派閥に入るわけでもなく作ることもしないなんて、一人で生きていくには辛すぎるわよこの世界」
「騎士として生きていくつもりだ、私には学がないからな。弟のほうがよっぽど学がある」
私も聞かなかったので知りませんでしたが、クロードどうやら脳筋一歩手前っだたようですね。今はちゃんと……そういえばクロードが剣を握る以外の姿を見た記憶がないのですけど、書類仕事やっていますよね。今度見に行きましょう。
「騎士だろうとある程度の学は求められるわよ。戦術だったり考えないといけないんだから」
「少しは頑張ってるつもりだ。ただ領主にはなれない。だから、私は別の形で街を民を守る」
「それが騎士ってわけね」
「そうだ」
「ならその話し方変えたほうがいいわよ。もっと丁寧に話したほうが、騎士として上に行けるから」
「そんな事初めて聞いたぞ」
「そりゃそうよ、私が言ってるのは近衛騎士とかそういう騎士のことだもの。武力だけじゃない、権力という力も持つ騎士。その方が守れるものも増えるんじゃない」
「どう話せばいいんだ、教えてくれ」
「どう話せばいいですか、教えてください。って感じね。今のうちは」
「ありがとう、たすか……りました」
「いい感じね」
それからも、話し方をシェールさんに教わっていたそうです。そして巡り巡って今のクロードになるわけですが、見てみたいものですねクロード元の口調。今のままでも優しくて落ち着くので好きですが、強めの口調もそれはそれで好きですからね。
それからほどなくして二人の婚約が決められたそうです。あのパーティーにはもちろん親も参加していましたから、二人の親しげな様子を見て決めたそうです。シェールさんは王弟の娘で王位継承権を放棄していたので婚約することができたのでしょう。婚約者がいなかった私としては、クロードと婚約者として過ごしてみたかったですが。お付き合いしていた時間があるので贅沢というものでしょう。
婚約した二人はそれはもう仲睦まじかったそうで、膝枕などその時にしてもらったそうです。
互いの誕生日には、プレゼントを贈りあい。瞳の色を入れた装飾品も贈ったそうです。
私も、クロード様から頂いたネックレスは常に身に着けています。服の中に入れているので気づかれたことはございません。クロードは気づいてくれますが。そもそも首元が隠れている服を着ているのに気づくクロードが特殊なのかもしれませんが。
とにかく仲睦まじく王にもその様子は伝わっていたようです。
そしてそんなさなか、山賊に襲われてシェールさんは命を落とします。知られを聞いたクロードが駆け付けたころにはすでに時遅く。なにより死因がクロードの心を締め付けました。自決していたそうです。家の名誉などなど守るべきものがあった中で、自らの名誉のために死を選んだのだと。手に握りしめていたクロードの上げた装飾品が証拠でしょう。そしてクロードが考えに考えたどり着いたのが、出会わなけれだ死なずに済んだという結論。あり得ないことだとしても、クロードはそう思わずにはいられなかったのです。自らを責めずにはいられなかった。そうして一月部屋から出ずに過ごし、部屋から出たときには心を封じ込めていたそうです。
そして驚くことに、シェールさんと私は髪色こそ違えど似ているそうです顔が。肖像画を見せてもらいましたがそっくりでした。似た顔の人物は三人いるといいますが、本当だったようです。
そして言わずもがな、私に告白したのは似ていたからだそうです。面影を重ねて次第に私のことを見るようになったそうですが。それでも時折重ねてしまうのだとか。
「クロード、いつかシェールさんを超えて見せます。たぶん……」
実のところあまり自信がないのですが。
「待っています。というのもおかしな話ですけどね」
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